軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

42回目 狂喜乱舞

ソエナ村と宿場町のちょうど中間辺りで、俺はバルタに馬車を止めてもらった。

その辺りは、周囲にある森やら水辺やらのモンスターが住み着く場所からも離れており、もちろん人も住んでいない。草もあまり生えていないような荒れ地になっているのでスライムすら住み着かない自然のセーフエリアだ。

「この辺りなら周りには人もモンスターもいませんぜ。なんせスライムすら見かけねぇ不毛の土地でやすからね」

「ガモンのスキルは何が出てくるか分からないからね。宿場町に入る前に、見ておいた方がいいよ」

「まあ、確かに」

この『☆4クラッシュレア確定! ガチャチケット!』から出るのは☆5に相当するアイテムらしいからな。宿場町とは言え人目の多い所だと、せっかくガチャから出て来たアイテムを試せないかも知れない。

なにせ☆5相当だ。ティムに持ってかれた『氷魔弾の弓』ですら☆4なんだぞ? あれより凄いって、それこそ『魔剣』とか『聖剣』とか出てきちゃうんじゃないか?

うほほぅっ! テンション上がって来た!!

「よぅしっ! 使うぞ! クラッシュレア・チケット!!」

「…………なんか、ガモンのテンションが変な事になってるね」

「…………まあ大目に見てやりやしょう。今まで何回引いても☆5なんて出てきやしませんでしたからね。それよりもレアなもんが出るかも知れないとなって、嬉しくてしょうがねぇんでやすよ」

なんか外野がうるさいが気にならない。だって、やっと真のチート装備が手に入るのだ。きっと物凄い性能に違いないそれを、俺は早く見たいのだよ!

「いよぉし! 来い! 最強の武器よ!!」

俺はガチャチケットを使い、スキル画面にあるコインを弾いた。

するとコインがいつもの様に放物線を描き、並んでいるガチャマシーンの真ん中にある金色のガチャマシーンに吸い込まれた。

フッ、まぁ☆4確定だからな、当然だ。

さぁ! ここからどうなるのか! どんな演出でどんなカプセルが出て来るのか! 見せて貰おうか! クラッシュレアの演出とやらを!!

「……………………アレ?」

かなりテンションアゲアゲで高ぶっていた俺をスカすように、金色のガチャマシーンは普通にハンドルを回し、普通に金色のカプセルを排出した。

……………………え、終わり?

俺はキョロキョロとティムやバルタを見るが、俺のスキル画面が見えていない二人は、キョトンとして首を傾げた。

えーー…………、もしかして何の演出も無いパターンのやつ? 勘弁してくれよ、俺はド派手な演出を見たかったんだよ。これは中身も期待できないのだろうか? クラッシュレアとはいったい…………。

「…………はぁ、…………って、うおっ!?」

俺が何の演出も無かった事にガッカリしつつも、金色のカプセルをタップすると、金色のカプセルはいつもの様にパカッ! とは割れずに、何やらブルブルと震え出した。

そしてバチバチと放電が始まり、それが段々と激しくなり、けたたましい音と共に画面を埋め尽くしたかと思うと、急にブツン! とブラックアウトした。

一瞬の静寂があり、やがて画面の中心部から光が溢れ出す。そしてその中から現れたのは、稲妻を纏いながら、カプセルが中から破裂したかのように、残骸となったカプセルの殻を浮かべている渦巻く球体だった。

そのカプセルの中心部は、イメージするなら銀河をまとうブラックホールだろうか。…………『クラッシュレア』ね。なるほど、確かにカプセルが派手に壊れているな。

面白い演出だったが、問題は中身だ。

「すぅーー…………はぁーー…………。…………よし!」

俺はドキドキする心臓を落ち着かせるように一度深呼吸をして、クラッシュレアのカプセルをタップした。

一面の光に包まれる画面、そしてバリバリッ! と稲妻の音が鳴ったかと思うと、短いファンファーレと共にリザルト画面へと移行した。

そこに現れたのは…………!!

「うおおおおっ!? マジかーーっ!! キターーーーッ!!」

「ちょっ!? ガモン!」

「来るかもとは思ってやしたが、急に叫ぶのは止めてくだせぇ、心臓に悪いですぜ!!」

「あぁゴメン! いやゴメン! イィヤッフゥーーーーッ!!」

文句を言う二人に適当に謝りながらも、俺は喜びを抑えられなかった。

いやだって、夢がひとつ叶ったもの! 欲しかったんだよコレ! 金さえあれば買いたいと、金に余裕が出来たらいつか絶対買おうと思っていたんだ!

しかも! これがガチャから出て来るとか! 性能面どうなっちゃうんだよ!? しかもクラッシュレアだぞ! ☆5相当だ! ってゆーか出ちゃうんだねコレ! いやーーっ、マジかーーっ!

「…………バルタ、ガモンが壊れた。何か喋りながらクルクル回っているんだけど…………?」

「心の中で言ってるつもりで、全部声に出てやすね…………。まぁ、余程に嬉しいってのは伝わってきやすがね、ちょいと不気味ではありやすね…………」

ふと気がつけば、ティムとバルタが俺をヤバイ奴を見る眼で見ていた。

…………ふぅ、ヤバイヤバイ、ちょっとクールダウンしよう。…………どうしても顔はニヤけてしまうが。

いやーー。しかし凄いなぁ、出ちゃうんだコレ。生活ガチャのアイテムなのかなぁ。まあテントとかアウトドア系も含まれてはいたけど、マジかーー。

俺の目の前にあるスキルのリザルト画面で、燦然と輝くそのアイテムの名は『◇キャンピングカー』。ちなみに名前の前の記号は、『クラッシュレア』を示すと思われる紋章である。

そう、今出て来たこれは、俺が日本に居る時から欲しいなぁー、と思っていた夢の最強アウトドア・カーであるキャンピングカーだったのだ。

ィィヤッフゥーーーーッ!!