軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

391回目 戦闘開始!

圧縮され高温になった大気に熱せられ、全身を赤く焼きながら幻獣『ブレイドロックドラゴン』が落ちていく。

当然のように大きなダメージを受けているし、焼けて剥がれていく部位は、ブレイドロックドラゴンの高い再生能力を持ってしても完全には再生しきれない。

そのため、宇宙にいた時よりもその身体は一回り小さくなっているが、それでもその圧倒的な存在感は、偶然空を見上げた者達を硬直させた。

進行方向を狙って張られる、足止めの為の結界がブレイドロックドラゴンの邪魔にはなっているが、それだけだ。赤く燃えるトカゲは、瘴気を撒き散らしながら、赤く輝き落ちていく。

『ギィィシャァァーーーーーーッ!!!!』

大気を震わせるその叫び声に、多くの人々が空の異変に気づいた。その視線は、赤く燃えながら瘴気を振り撒く凶星を捉えたが、それと同時に、凶星の進行方向に確かに存在する空を飛ぶ大陸にも向けられた。

赤く燃える凶星が大きく身を捩る。それは空飛ぶ大陸から逃れる為の行動に見えたのだが、凶星はまるで何かに絡め取られたかのように、空を飛ぶ大陸に落ちていったのを、遠くから空を見る数人が目撃した。

バリバリバリバリと、稲妻と燃える火を振り撒きながら、幻獣『ブレイドロックドラゴン』が『レナスティア』の結界にぶつかった。

幻獣は、すでにシエラの放った☆5『神罰の鎖』に絡め取られている。だが、瘴気を振り撒く存在を『レナスティア』が簡単に通す訳もなく、結界との間に摩擦が生じているのだ。

『ギシャーーッ!!』

「落ちて来るぞ!!」

凄まじい音を出して結界を抜けた幻獣が、ついに『レナスティア』の大地に降り立った。熱を持ち赤く燃える幻獣の体に草木が焦げて煙を出し、その身体は徐々に冷えて黒くなっていく。

自身に巻き付いた『神罰の鎖』が、左前足を首に括りつけているからか、ブレイドロックドラゴンはまるで転がり落ちるように着地した。それは少々間抜けな様相だったが、それでも溢れ出す威圧感を抑えるには至らない。

鎖に巻かれてもがく巨大なトカゲの幻獣、『ブレイドロックドラゴン』。

ドラゴンの名に恥じぬデカさと凶悪さを持ったそのトカゲは、人なんて簡単に丸呑みできそうな巨体だった。

「先制攻撃は私達が貰うわ!! ブームン! ユミル! 同時にいくわよ!!」

「「了解!!」」

カーネリア、ブームン、ユミルの魔法使い三人が、一斉に詠唱をし、鎖のせいで上手く立ち上がれないブレイドロックドラゴンに魔法攻撃を仕掛けた!

三人それぞれの魔法がブレイドロックドラゴンに撃ち込まれる。

しかしブレイドロックドラゴンは、その身体中の大剣のような鱗をガシャガシャと震わせると、飛んで来た魔法の前に鱗を数枚飛ばして盾として魔法を防ぎ、自分は地面に突き立てた尻尾の反動を利用して起き上がった。

『キュロロロロッ!!』

鎖に絡め取られて不自由ながらも、ブレイドロックドラゴンは起き上がり、長い尻尾を振る。その瞬間、動いた尻尾とカーネリア達の間にアレスが文字通り飛んで来て剣を振るった。

すると、複数の金属がぶつかったような音を立てて、地面に大剣のような物が幾つか突き刺さった。その正体は、ブレイドロックドラゴンの鋭い鱗である。

「後衛はもっと距離を取れ! 飛んで来た鱗にやられるぞ!!」

アレスが叫ぶと同時に、ブレイドロックドラゴンは身をよじりながら二回、三回と身体を跳ね回らせた。『神罰の鎖』に絡め取られているので、その動きはぎこちないが、問題は今の動きで飛ばされた鱗である。

仲間達が叩き落としたり魔法を撃ち込んだりと、飛来する鱗を処理していく。俺も『機動鎧『トライフォース』』が察知してくれたお陰で何とか躱す事が出来た。

この攻撃で一番危なかったのは『神罰の鎖』を使用中の為に動けないシエラだ。今回はトレマとイオスが弾き飛ばしたおかげで助かっていたが、シエラに集中攻撃でもされるとマズイ。

アレスも同じ事を考えたのか、ブレイドロックドラゴンの注意を引く様に攻撃を加えていく。大剣のように鋭くて硬い鱗に護られているブレイドロックドラゴンだが、アレスの攻撃は雷撃を含む。

雷撃による攻撃を繰り返された事に怒りを覚えたのか、ブレイドロックドラゴンのヘイトはアレスに向かった様だ。そしてそれに続けとばかりに、アレス以外の前衛を担う者達も、隙を見ては攻撃を加えていく。

アレス達の執拗な攻撃はブレイドロックドラゴンの身体を蝕み、ついにはブレイドロックドラゴンの右前足から、指を数本斬り落とした。

『ギシャァッ!!』

「「うわぁっ!?」」

指を斬り落とされたブレイドロックドラゴンが、その身体中から瘴気を放つ! 突然吹き出した瘴気にアレス達が飛び退くと、カチッカチッと刃が触れ合うような音が聞こえ、次の瞬間! 瘴気が一気に燃え上がって炎上した!!

『うおおっ!? 瘴気が燃え上がったぞ!? ドゥルク! 瘴気って燃えるのか!?』

「バカな、聞いた事が無いわ! じゃが燃えたのは事実じゃ、瘴気に燃える特性でもつけたのか? いや、分泌した油でも混ぜたと考えた方が良いか、何にせよ瘴気には注意が必要じゃ! 瘴気に対する耐性は得ても、爆発に対してまでの耐性は無いからの!!」

ドゥルクの予測は、すぐに『フレンド・チャット』を通じて拡散された。

そして爆炎の中から出て来たブレイドロックドラゴンは、その身体に刻まれた筈のダメージや、斬り落とされた筈の指が再生していた。

仕切り直しか、クソが!!