軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

340回目 様々なジュエルドラゴン

移動途中に出会ったアレス達に他の皆が集まっている部屋を聞いたので、そこに移動して来た。

皆、自分のジュエルドラゴンを見せたいのと、他の人のジュエルドラゴンを見たいのとで一ヶ所に集まったらしい。歓談用にソファーとテーブルが何組か置いてある大部屋に集まっていた。

「おお、戻ったかガモン。その肩の黒いヤツが、お主のジュエルドラゴンか?」

部屋へと入った俺に真っ先に気がついたのはドゥルクだった。相変わらず少年仕様のホムンクルスに憑依しているようだ。

そして、そのドゥルクの周囲をフヨフヨと漂う、小さな光の球体が一つ。

え? 何コレ。これがドゥルクのジュエルドラゴンか? 予想外過ぎるんだけど。そもそもドラゴンに見えないし。

「ただいま、ドゥルク。コイツは俺のドラゴンでグラックだ。ドゥルクのは…………。ドラゴン…………だよな?」

「当然じゃろう。まぁ、予想外なのは認めるがのぅ。コヤツは『カカロン』。儂のジュエルドラゴンじゃよ」

ドゥルクが指をクルクルと動かすと、ドゥルクのジュエルドラゴンはその指に向かって飛んで、指先で止まった。

近づいてよく見てみると、それは何かの部品を組み合わせた球体のようだった。そして、ドゥルクがそれに魔力を送り込むと、その球体はカシャカシャと膨らみながら動き、宝石で出来た骨のドラゴンへと変貌していった。

…………スカルドラゴンかよ。こういうのもアリだとは、本当にジュエルドラゴンは奥が深いな。

骨組みで出来た体に、眼や体の中心部には青白い炎が灯っているのがドゥルクのジュエルドラゴン『カカロン』のデザインだ。

このカカロンが得意とするのは『魔力を溜め込む』事である。さっきの丸い球体は、魔力の消費を極力抑えた『休眠モード』らしい。

カカロンは、ドゥルクが食事をして溜め込んだ魔力を保存し、必要に応じてドゥルクへと返す、言わば魔力のモバイルバッテリーのような存在であるらしい。

さらに魔力の充填率に応じて、カカロン自身が強化されるオマケ付き。こう見えて意外と武闘派なジュエルドラゴンなのだ。

「お帰りガモン。なぁ、ドゥルク翁のだけじゃなく、アタシ達のジュエルドラゴンも見てくれよ」

ドゥルクのドラゴンを観察している俺に、そう声をかけて来たのはメリアだ。一緒にメリアのパーティーメンバーの二人、ユミルとネリスもやって来た。

俺のクランメンバーの中でも個性的な三人だが、そのジュエルドラゴンもまた個性的だった。

まずメリアのジュエルドラゴンだが、その名前は『パワー』で、一言で言うならば『厳つい』。翼の無いタイプのドラゴンで、発達した後ろ足と太い尻尾でどっしりと立ち、下半身に比べて大きい上半身とドラゴンの頭を、太くて長い両腕で支えている。

その体の色は黒いのだが、冷えて固まった溶岩のように、その隙間からは赤い光が漏れている。

確実に戦闘タイプだ。大きさこそまだ小さくて、メリアのデカ過ぎる胸に挟まっているが、デカくなったら物凄い戦力になりそうである。

次に魔法使いであるユミルのジュエルドラゴンだが、その名前は『ジュジュ』と言い、一見すると絡まった木々に見えるジュエルドラゴンだ。長身のユミルの肩から腕にかけて絡まるようにとまっている姿が、妙にサマになっている。

その姿は、まず木目が入ったにように見えるドラゴンの頭があり、その下に蔦のような木が絡まって出来た体があり、そこから伸びた枝と大きな葉っぱが翼になっている。

デザインとしてはシンプルにも見える。何て言うか、ロープレの森とかで出来たダンジョンに出て来そうな感じがある。もちろん、その全ては宝石で出来ている。ジュエルドラゴンだからな。

見た目からそうかと思ってはいたが、得意とするのはやはり樹木を操る事で、治癒魔法も使えるようだ。

そして女性パーティー『メガリス』で最後に残ったのはネリスのジュエルドラゴンだ。

ネリスのジュエルドラゴンは、これも不思議な形をしていた。

鮮やかな青色の四肢と一対の翼、ヒョロっと長い尻尾は見えるのだが、胴体部分と頭は、みょうに質感のある雲に隠されている。渦巻く雲が頭と体をかくしており、ちょっとだけ開いている雲の隙間から、キョロキョロとした眼が光って見える形だ。

しかも、その雲の部分すらも宝石のように光っている。不思議ではあるが、細かな宝石の粒子で出来てる雲、とかそんな感じだろうか? 形を変えながら流れているから、固体では無いのは確かなんだけどな。

そのジュエルドラゴンの名前は『モックン』、小柄なネリスの背中にしがみついており、ネリスが俺に見せようと背中を向けると、ネリスの前側に回ってしまう。さらにネリスが前を向くと背中に移動。…………俺、ジュエルドラゴンに人見知りされてる?

しかし、モックンも俺には興味があるらしく、ネリスの背中から顔を出しては俺を見ている。俺がよく見ようと近づくと引っ込んでしまうけどな。

…………ジュエルドラゴンにも性格がある訳だ。これは他の皆のジュエルドラゴンも楽しみになって来たな。面白いもの、こいつら。