作品タイトル不明
331回目 ☆5『ジュエルドラゴン制作キット』
「では今日は、☆5『ジュエルドラゴン制作キット』を使って、宝石のドラゴンを作りたいと思います。皆さん、準備はいいですか?」
「「「「はーーーーい!!!!」」」」
ジョルダン王国の王都『ジョネイブ』にある俺の屋敷はデカイ。それはもうデカイ。この国で一番デカイのは王城だが、この国で二番目にデカイのが俺の屋敷だ。ホント、冗談にしても悪質だが、これが現実なのだから質が悪い。
そんな俺の屋敷だが、あまりにも土地が広すぎた為に、敷地の中には母屋以外の建物が三つある。
一つは使用人達が住む家だ。こちらも屋敷と言える程の規模で、母屋とは廊下で繋がってもいる。この屋敷の使用人は、まだ配属されていないので、まだ使ってない建物だ。
もうひとつは兵の宿舎だ。こちらは訓練所ともセットで、多くの兵が寝泊まりし、馬を休ませる厩舎も付いている。
上位貴族ならば、私設騎士団の一個大隊くらいは持っているものだと説明されたが、俺は上位貴族じゃないし、ここはクランハウスだ。私設騎士団を持つとか考えた事もない。
…………厩舎も使うだろうか? 俺のフレンドなら、長距離の移動は『拠点ポータル』を使うだろうし、それが使えない場所に行くとしても車だ。…………まあ、馬を飼うって事に憧れはあるけど。
そして最後のひとつが、作業用の建物だ。
何でそんな建物があるのか? 使用人用の屋敷とか、騎士団の宿舎とか作ったって事は、貴族の屋敷のつもりで作ってたんじゃないのか?
そんな疑問を抱いたが、この作業用の建物が出来たのは、俺のスキルの情報が間違って伝わったのが原因だった。
ガチャから出てくる様々なアイテム。フレンドにしか使えないガチャ装備は当然出回らないが、その他のアイテム、つまり食品ガチャや生活ガチャのアイテムについては、ゲンゴウを通して広く出回っている。
そこで、生活ガチャから出て来た家電などについて、『俺が作っている』と言う誤解が生まれたらしいのだ。いや作れるか!!
邪推かも知れないが、この作業用の建物については、あわよくばその製造の秘密を探ろうって気持ちが見え隠れする。まぁ、せっかくある物は使わせて貰うけども。
と、言う訳で。俺はこの建物内にある作業室に、俺のパーティーメンバーと子供達を集めた。
目的は最初に言った通り、☆5『ジュエルドラゴン制作キット』を使ってみる事だ。これを使えば、宝石で出来たドラゴン、なんて言うロマンの塊を作れるらしいからな。
騎乗も出来る宝石で出来たドラゴン。しかも普段は装飾品として身に付ける事が出来る魔道具を、この制作キットを使えば作る事ができると言う。
幸い、材料となる『魔力を含んだ宝石』は、ダンジョンから稀に手に入る宝石がそういう性質を持っているらしく、ドゥルクやアルジャーノンが結構な数を持っていた。
魔力を含んだ宝石なんて、そんなにあるのかと思っていたが、流石はドゥルクとアルジャーノンだ。
…………それはいい。それはいいのだが…………。
「…………俺は子供達だけを呼んだつもりだったんだけどな…………」
「いいじゃない! アレス達も作るんでしょ? それに宝石だっていっぱいあるんだから、私達が参加したって問題ない筈だわ!!」
そう言ったのはターミナルス辺境伯家の令嬢リメイアだ。その場には他にも、ティアナとドゥルクにアルジャーノン、さらにはメリアを始めとした『メガリス』の三人もいた。
俺達も含めると総勢十五人がこの場にいる。
☆5『ジュエルドラゴン制作キット』は、一度に五個まで同時に作れるらしいから、三回に分ければイケるけど、ちょっと多くね? とは思う。
「まあ、宝石はいっぱいあるでな、問題はあるまい。さぁ、始めようではないか!」
ホムンクルスに憑依する事でフレンドになれたからか、ドゥルクのテンションが異常に高い。
それに、アルジャーノンが参加して来たのはちょっと驚いた。やはり、こういう不思議な物を作ると言うのには引かれるのかも知れない。
…………まあいいや。とにかく作ろう。
「じゃあ最初は、俺と子供達で作るか。ほら、こっちに集まれ」
「「はーい」」
《ジュエルドラゴンの作り方》
一、まず魔力を含んだ宝石を用意します。宝石は原石でも構いません。それを制作キットの五つある皿のどれかに置いて下さい。
二、皿の右側についたレバーを握り、魔力を込めます。すると目の前に選択ウインドウが出るので、好みのカッティングを選択してください。
三、選択が終わりましたら、レバーを下ろします。すると皿にカバーが掛かり、これ以降の変更は出来ません。
四、しばらく待つとカバーが開き、皿の上に『ジュエルドラゴンの卵』が置いてあります。それに触れる事で、その卵はあなた専属の卵となりますので、魔力を与えて孵化させて下さい。孵化には三~五日掛かります。
五、生まれたジュエルドラゴンは貴方の魔力をエサとして成長します。装飾品となったジュエルドラゴンは、出来るだけ肌身離さず持ち歩いて下さい。魔力が尽きて死んでしまうと、ただの石になってしまうので、ご注意ください。
……………………なんか凄く簡単に作れるな、これ。