軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

297回目 国連ギルド組織

ユミルとネリスによるファッションショーに終わりが見えない。

それどころか、メリアに加えて、シエラとカーネリアもファッションショーへと参加をし始め、収拾がつかなくなったので、俺はアレスを連れてラグラフの所へと避難する事にした。

「ガッハッハッ! それで逃げて来たのか。まあしょうがねぇな。メリアもそうだったが、ユミルとネリスにもこれまでに溜まりに溜まった装備への憧れがあるからな。ちょっとやそっとじゃ収まらねぇさ」

「まぁ、欲しい物のサイズが無くて諦めるってのは、俺も多少の覚えはあるけどな。シエラとカーネリアも置いて来たから、好きにさせるさ」

「おう、それがいい。俺達は男同士、酒を酌み交わすとしようぜ!」

ラグラフが用意してくれた宴会場には、これでもかと肉料理が並んでいた。もう料理は本当に肉ばっかりだ。肉と野菜の比率にして9対1。いくらなんでも肉が多すぎる。

だが、それも仕方ない。このラグラフ王国は現状が食糧難なのだ。俺が持って来た食料で何とか耐えているが、ちょっと油断すればすぐに食料は尽きる。

今回の宴会料理も、野菜こそ俺が提供した物だが、大部分を占める肉はメリアのパーティー『メガリス』が狩りをしてきた物である。

野菜が貴重である今、宴会の為の料理が肉だらけになってしまうのは仕方ない。それに、野菜スティックとかなら俺のスキル倉庫に山ほどあるので、それを提供すれば事足りる話だ。

と言う訳で、俺はテーブルの上に野菜スティックや作り置きのサラダなんかを出して、更にビールや酎ハイなどを並べていった。

「じゃ、取り敢えずは乾杯だな。最初はビールでいいだろ?」

「俺は構いません」

「おう、俺もいいぜ。へへ、それじゃあ再会を祝して! 乾杯!!」

「「乾杯!!」」

ガコガコッと、缶ビールを打ち鳴らして、俺達三人だけの宴会はスタートした。本当ならば、ここにはシエラとカーネリア、そしてメリア達の席もあるのだが、女性陣はファッションショーの真っ最中だからな。仕方ない。

その内ラグラフの部下達も仕事を終えて合流すると言うので、まずは三人だけだ。

「そういや、メリア達がダンジョンで見つけた、例のヤツよ?」

「例の? …………『郷愁の禍津像』の事か?」

「おう、それだそれ。近場に封印された魔王のヤツだったから破壊させたんだが、確かに魔王が消えたようだぜ」

「だろうな。そういう物だし」

「でな、この近辺にある魔王の封印ってのは、元々はガンガルド王国が管理していた。だが知っての通りガンガルド王国は滅びて、元・ガンガルド王国の一帯は小国郡になった。じゃあ魔王の封印はどこが管轄してるのかって言うと、冒険者ギルドが管轄してるんだ」

冒険者ギルドは、そのギルドがある国と密接な関係がある。たとえばジョルダン王国なら『冒険者ギルド・ジョルダン王国本部』が天辺にあって、そこから各支部へと枝分かれしている。

立場的には冒険者ギルドの本部は、それがある王国の政権下に置かれている訳だが、各国にある冒険者ギルド本部をまとめる組織がある。それが『国連冒険者ギルド総本部』である。

つまり、ラグラフが言っているのは、ガンガルド王国が滅びて小国群になった事で、『冒険者ギルド・ガンガルド王国本部』は消滅し、その運営が現在『国連冒険者ギルド総本部』に移動している、という事だ。

「一応、ウチの国も冒険者ギルドの恩恵は受けてるんで、義理として『郷愁の禍津像』の事を報せねぇ訳にはいかなかった。まあ、禍津像と魔王の関係を簡素にまとめて報告しただけだが、にしたって冒険者ギルド側からの反応が薄いのが気になってんだ。破壊した禍津像に関係ある封印の地からは手を引いてるから、話が通じているのは間違いねぇんだけどよ」

「ああ、そういう事か」

国連冒険者ギルド総本部が静かなのは、おそらくだが、すでに『冒険者ギルド・ジョルダン王国本部』のギルドマスターであるエルドルデが報告を上げているからだろう。

つまり、国連側はもう知っているのだ。まだ俺に対する接触は無いが、知っているからこそ、ラグラフからの報告にも大きな反応を示していないのだろう。

俺がそれをラグラフに伝えると、ラグラフは大きく溜め息をついてから、新しく開けた缶ビールを一気に飲み干した。

「…………ゲフゥ。…………ああ、そういう事か。どうも反応が無いってのは不気味でよ、不安になってたんだ。そういう事なら探る必要もねぇな」

「…………ですが、それならガモン殿に接触が無いのはどういう事でしょうね?」

「うん、確かにな。…………あとでエルドルデに聞いてみるよ」

その後、仕事を終えたラグラフの部下達もやって来て、宴会は割りと盛り上がったのだが、ファッションショーをやっていた女性陣は結局最後まで来なかった。

どうやらファッションショー終わりで、そのまま女子会に突入したらしい。次の日に会った時、女性陣がやたらと仲良くなっていたから、とても盛り上がったんだろう。

まあ、仲良くなったなら良かったよ。