軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

230回目 拠点の設備

「……………………これ凄いな」

「そうですね。使える場所が限定されているとは言え、これ程の設備を一瞬で用意できるのは、やはりガモン様のスキル以外には無いと思います。これならば、どんな場所にでも『拠点』を作れますね」

「まあ、ガモンのスキルはその為にあるのだろうしね。でも、相変わらず出鱈目なスキルよね。アレス達が楽しそうなのは、何よりだけど」

自分の家でもあるタミナルの拠点に新たに作られた、明るい雰囲気のトレーニングルームで、俺はシエラやカーネリアとそんな会話をしていた。

トレーニングルームの中では、アレスはもちろん、トルテ・ザッパ・ベベント・ブームンの四人からなるパーティー『ノーバスナイト』に、たまたまウチに来ていたアルグレゴ小隊の隊員数名も加えて、ランニングマシンで走ったりチェストプレスマシンを使ったりレッグカールマシンを使ったりと、様々なトレーニングを楽しそうにやっている。

もう完全にジムである。何も教えていないのに補助に付いている奴がいるのは何故なのか? テレビか漫画の影響かも知れないな。まあ、楽しそうで何よりだ。

…………いや、魔術師でぽっちゃり体型のブームンだけは、地獄にいるような表情だな。可哀想に。

今さら説明するまでも無いだろうが、これらのトレーニング機材は俺のスキルから出て来た物だ。それも、『クランガチャ』から出て来た、『拠点限定』の設置アイテムである。

クランで必要な物が出てくるという『クランガチャ』は、制限がついている。それを挙げてみると。

・☆4までしか出ない。

・装備はクランメンバーが扱える物しか出ない。

・設備は『ガチャ・マイスター』に登録された『拠点』でしか使えない。

などである。

トレーニングマシンについては、通常の生活ガチャからも出ていたのだが、この拠点設置限定のトレーニングマシンはそれらとは一味違う。

その説明の前に、この『トレーニングルーム』自体が、ガチャから出て来た亜空間だという事を話しておこう。

この☆4『トレーニングルーム(クラン設備)』は場所を取らず、扉を設置するだけの親切使用。着替えの為のロッカーやシャワー室も完備。さらに別口で『トレーニングプール(クラン設備)』というアイテムあり、それを使用したらトレーニングルームの下の階にプールが出来た。

トレーニング機材も出る度に設置しているし、これが脳筋…………いや、トレーニング好きの者達に大ウケしているのだ。

そして『クランガチャ』から出てくる☆4のトレーニング機材は、クランメンバーの『トレーニングルーム』での使用により成長率にボーナスが付くとあった。これを聞いたアルグレゴ小隊の隊員であるゴリマッチョが、「筋肉に更なる成長が!?」と言って喜んでいた。

この成長率ってのは、ステータスに反映される数値なのだろうと予想される。力や速さなどがステータスとして可視化される世界だからな、きっとそうだろう。

「いやしかし、この設備は素晴らしいですね! 下にあるプールも行ってみましたが、流れる水に逆らって泳ぐコースは、かなり良い訓練になると感じました」

一通りの筋トレを終えたアレスが戻って来た。その姿はジャージであり、このトレーニングルームで見ると本当に日本に帰って来た気分になるな。

「いやー、充実感があるな! トレーニングマシンってのは初めてだったけど楽しかったな!」

「クッソー! ブームンにしか勝てなかった!! 兄ちゃん達! 次はゼッテー負けねぇからな!!」

「ハッハッハッ! いつでも来い!!」

「もっと筋肉を育てろ、ブームンもな! このトレーニングは毎日やるべきだ!!」

「いやだからオイラは魔法使いだから筋力よりも魔力なんだって。たまには付き合うから、毎日は勘弁してよ…………」

そしてトルテ達もまた、筋トレを終えて帰って来る。少し見ない間に、トルテはちょっとだけ逞しくなっていた。俺達が王都で大変だった頃、トルテもノーバスナイトの一員として依頼をこなし、ダンジョンに潜っていたようだからな。強くなっているのは間違い無いだろう。

ちなみにトルテ達ノーバスナイトは、今は宿屋暮らしをやめてこの拠点で暮らしている。暮らしていると言っても、屋敷に住んでいる訳ではない。住んでいるのは、屋敷の敷地内に建てられた三階建てのマンションだ。

☆4『クランメンバー居住区』。

・クランの所有する敷地内に建てられる亜空間マンション。普通に生活するには十分な広さと設備があり、見た目よりも遥かに多くのメンバーを住まわせる事ができる。クランメンバー専用住居。

…………うん、さすがにマンションはちょっと引いたよね。俺も入って見たけど、これ三階建てに見えて十階建てだったからね。

エレベーターとか普通に付いてたし、部屋には風呂トイレも家具も付いてたし、完全に日本だったよ。俺が日本で住んでたアパートより、かなりグレードが上だったもの。ちょっと日本にいた頃の俺の人生に思いを馳せるくらいにはショックだったもの。

しかしだ。この☆4『クランメンバー居住区』、クランガチャを二百回まわした程度でもうダブってんだよね。

トレーニングルームと言い、このマンションと言い、俺のスキルが大量に人を集めて鍛えようとしている事は疑いようもないが、魔王と戦うにしろ『郷愁の禍津像』を集めるにしろ、そんなに大勢の猛者が必要になるのだろうか? それを考えると、すごく嫌な予感に襲われるんだよな、俺は。