軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

219回目 クラン『G・マイスター』発足

タミナルの街へと帰って来た俺達は、そのまま『◇キャンピングカー』で領主の城まで向かい、そこでターミナルス辺境伯であるノルドと、アルグレゴ小隊を降ろした。

「ガモン、世話になった。また何かあった時はよろしく頼む」

「そうですね。その時は声をかけて下さい。お疲れ様でした」

そんなサラリーマン的な応対をして、俺達はターミナルス辺境伯一行と別れた。アルグレゴについては、夜にでも俺の屋敷に来るそうだ。何せ家族がいるからな。

…………それにしても。

「何か街の様子がおかしいな。ずっとソワソワしてる感じだ」

そう。領主の城に来るまでに、街の様子に気がついたキャンパーがホログラムを出して街の様子を見せてくれているのだ。

何やら誰も彼もが忙しない。街にいる住人は、皆がソワソワしている感じなのだ。

「それはやはり、テルゲン王国との小競り合いが原因でしょうね。この街はテルゲン王国に近く、国境には砦もあります。そこからテルゲン王国か攻めて来ないかと心配しているのですよ」

「あぁ…………、アレか」

それは、アブクゼニスの企ての一つだったらしい。アブクゼニスの一連の行動は、全てジョルダン王国の王位を簒奪するため、いわゆるクーデターだったようだ。

それにしては、ずいぶんとお粗末だった気もするが、その中には地下に大きな通路を掘って王都の防衛力を無力化するという物もあったらしく、しかもそれは開通まであと少しだったらしい。

結果として、アブクゼニスとその企みに乗った貴族達は一掃されアブクゼニスも死んだが、ジョルダン王国の王都の防衛に穴が開いていると考えたテルゲン王国は進軍を開始し、国同士の北側で争いが起きたらしい。

「でも、すぐに追い返したんだよな? 進入して数日で騎士団が駆けつけたから、ほとんど何もせずに逃げてったと聞いたけど?」

「それはご先祖様の手柄だったと聞いたわ! ご先祖様が敵の企みに気がついて、キャンパーに偵察を頼んだから発見出来たって!」

「そうか! あの遠距離偵察用ドローンか! ドゥルクに頼まれて交換したやつだ!」

あれ役に立ったんだな。交換した甲斐があったみたいで何よりだ。

「それに、ティムに連絡を取ってみましたが、テルゲン王国としても今回の事で戦争に踏み切るつもりは無いようですよ? あくまでも一部の貴族の暴走という事になったようです」

「貴族の暴走? 本当かよ」

『ワタクシが見た所では本当ですね。テルゲン王国の王家の旗を掲げた騎士団が止めに来てましたから』

と、キャンパーからも信じられない言葉が飛んで来た。

『まぁ本当じゃろうな。あの国は本来の王家の血筋がすでに滅んでおる。今の王が他国から流れて来たものじゃから、あの国の貴族の中には背中を刺してやろうと狙っている者も多いのじゃよ。今回の争いがアッサリ終わったのも、その争いを起こした貴族が、王家の騎士団に攻められるのを危惧しての事じゃろう」

マジかよ。そんな国にいてティムは大丈夫なのか? 本気で心配になるぞ。

「ガモン様、北で争いがあったのは事実ですが、今は互いに睨み合っている状態です。物価も上がっていませんし、すぐに落ち着くでしょう」

「だといいけどな」

そんな話をしながら俺達は冒険者ギルドに向かい、モンテナを送りがてら冒険者ギルドへと入った。

目的は俺達のパーティーとしての正式登録とギルドランクの更新、そして新たなクランとしての登録である。

「…………はい。ではこれでガモンさん・シエラさん・アレスさんはCランクへと昇格となります」

タミナルの冒険者ギルドで、いつも俺達の手続きをしてくれるミミナが、ギルドカードを更新してくれた。

「次にパーティーとしての正式登録になりますが、パーティー名はお決まりですか?」

「はい、『G・マイスター』でお願いします」

「かしこまりました。Bランクパーティー『G・マイスター』で登録します。クラン名も同じで良いんですか?」

「はい」

冒険者ギルドでの登録はスムーズに終わり、これで俺達は新たなクラン『G・マイスター』として発足した。

クランになれば、冒険者ギルドでメンバーの募集をかけたり、ギルドから冒険者の推薦を受けたり出来るようだ。取り敢えずメンバーの募集は控えて、ギルドからの推薦はお願いしておいた。

メンバーの募集をしないのは、クランに入れるのには、将来的に『フレンド』に登録するのが視野に入るためだ。まったく信用出来ない奴を集める気はない。ミミナにも『信用できる』と言うその一点だけは、しっかりとお願いしておいた。

ちなみにパーティー名については、皆で話し合った結果だ。様々な意見があり、中には『ジパング』のように俺が日本人である事を匂わせる名前もあったのだが、歴代の勇者には日本人も多いらしいので、知っていて利用するヤツもいるだろうって事で却下となり、解りやすさを優先した。

命名はシエラ。『G・マイスター』のGはガチャのGです。ガチャの別の言い方は無いかと聞かれて『G』を出したのだ。…………あぁ、アルファベットに関しては、この世界では記号扱いです。