軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

749話 北の獣人村

ブラッドオーガの情報は集まったし、しっかりと準備していけば勝ち筋はありそうだ。

ただ、全員死に戻ってステータスは減少しているうえ、アイテムの準備もできていない。

ということで、俺たちは北の雪原へとやってきていた。

俺たちが発見した西の妖精村に、ホランドたちが見つけた東の隠れ里。つまり、北と南にも隠れ里がある可能性は高いだろう。そう考え、隠れ里探しにやってきたのだ。

雪が深い場所でも、馬なら速度低下が少ないからね。

とはいえ相手は隠れ里。そう簡単に見つかるものでも――。

「ヤヤー!」

「フマ!」

「どうした? ファウ、アイネ」

「ヤー!」

「フママー!」

なんか、大慌てで戻ってきたかと思ったら、キャロの上の俺に纏わり付いてくる。この感じ、もしかして……?

「何か見つけたのか?」

「ヤ!」

「フマ!」

大きく頷く2人。

マジか。まだ探索始めて30分くらいなんだぞ?

驚きながらも、2人に付いていく。15メートルくらい、雪の積もった森を進んだかな?

すると、何もない場所でファウたちは止まり、何やら訴えてくる。

「えーっと? 何かあるか?」

「ヤヤー!」

「フーマー!」

「うーん?」

雪に樹に岩、以上! そんな感じの場所だ。樹を叩いたり、岩を触ったりしてみるが異常は見当たらない。

「ヤー!」

「うん? 雪?」

「フマ」

ああ! ようやく判った! これか!

雪の上に、何かの足跡が点々と付いていた。動物のものだろう。珍しくもないと思って、全く気にしていなかった。

いや、よく見ると普通の足跡じゃない? 足跡を観察すると、靴の裏のような形状が付いている。

動物ではなく、小柄な人の足跡のようだった。

「なるほど! 良く見つけたな」

「ヤー!」

「フマ!」

分かりやすくドヤ顔をする2人だが、いくらでもしてくれ。これを発見したのはかなりのお手柄だからな。

「ユート君。何か見つけたのかい?」

「ああ! この足跡を見てくれ」

「ほほう? これは人のものですか!」

近寄ってきたジークフリードたちにも足跡を見せて、早速追跡を開始する。

樹上からの落雪のせいで時おり途切れているものの、俺たちはなんとか足跡を辿り続けていた。すると、リチャードとラモラックが歓声を上げる。

「村だ!」

「やったぜ!」

ジャンピングバードの跳躍力を利用して高い場所から周囲を見回していたラモラックたちが、何かを発見したらしい。

彼らの先導で進むと、木の柵に囲まれた村が見えてくる。情報にない村だ。間違いなく隠れ里だろう。

1時間もかからずに発見できるとは思ってなかったのだ。

なんでみんな発見できないんだ? あの足跡を発見できないとか? まあ、普通に歩いてるだけじゃ、気づかないかもしれない。遠目じゃ動物の物にしか見えないし。

それに気付けるんだから、うちのモンスたちは優秀だね!

村に近づくと、入り口には獣人の老人が立っていた。あの耳は馬か?

警戒させないようにとゆっくり近づいたんだが、無駄だったらしい。老人が手に持っている槍を構えた。

顔に刻まれた深い皺の奥から覗く目が、こちらを睨みつけている。

超警戒されてるね!

だが、すぐにその表情が和らぐ。

「お主ら、もしかして通行証を持っとるのかね?」

「通行証?」

「うむ。お主、ロバーナンの言っておった旅人さんじゃろ?」

ロバーナン! ああ! そういえば、ロバーナン爺さんから通行証貰ったわ! 余所者を受け入れてないって言ってたけど、この村のことだったのか!

もしかして他のプレイヤーがこの村を発見できないのって、通行証がないから?

とりあえず、ロバーナン爺さんに感謝しておこう。

「これ、通行証です」

「うむ。間違いないの。通ってよいぞい」

「ありがとうございます」

「あの、私たちもいいのでしょうか?」

ジークフリードの質問に、老人は鷹揚に頷く。

「大丈夫じゃ。お主らの顔はもう覚えたから、今後は通行証は不要じゃぞ」

「ありがとうございます」

「北の獣人村へようこそ」

俺たちは老人に会釈しつつ、村へと足を踏み入れた。

「今回も白銀さんのお陰で、助かりましたねぇ!」

「だな!」

「感謝でーす!」

まあ、今回はさすがに俺の影響が大きいのは分かるから、誉め言葉は素直に受け取っておこう。

ブラッドオーガ戦で足を引っ張った分は、取り返せたかな?

「じゃあ、村を見て回ろうか?」

「おう」