軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

738話 流派クエスト上段

「ララー!」

アコラが変身した赤いチビドラゴンは、小さな翼をはためかせながら低空飛行でサヴェージドッグに近寄っていった。ドリモと違い、初期状態でも空を飛べるらしい。

しかも、そのまま突進をするのかと思っていたら、その口から小さな炎を吐き出したではないか!

鱗が赤いからもしかしたらと思ったが、本当に火竜だったらしい。火球というよりは、弱めの火炎放射って感じだ。

ただ、それなりに範囲は広く、サヴェージドッグにしっかりと当たっていた。ダメージはそこそこって感じだろう。

ドリモが土属性の竜で、1体に対して高威力の高速突進攻撃。アコラは火属性で、飛行可能&火による中ダメージ小範囲攻撃。そんな感じであるらしい。

ドリモの子だから土の竜だと勝手に思い込んでたよ。ランダムか? いや、本人の属性で変わるって方があり得そうだ。

となると、他の属性もあるんだろうな。水竜、風竜に、光と闇はあるだろう。場合によっては、聖や邪みたいな竜もいるかもしれん。

「ララー!」

「おっと! 驚いてる場合じゃない! みんな! アコラに続け!」

「モグモ!」

「トリー!」

「あ! でも、止めは俺がさすから! やりすぎないで!」

ドリモたちが本気で攻撃仕掛けたら、あっという間に倒してしまうからな!

その後、皆にボスのHPをレッドゾーンまで減らしてもらい、最後は魔術で止めを刺した。あと9回か。

流派クエストの内容はボスモンスターを10種倒せだった。同じボス周回じゃダメなのである。

その後は第1、第2、第3エリアのボスを急いで回り、流派クエストを達成することに成功した。

アコラの戦法や性格も、かなり分かったのだ。普段は甘えん坊のくせに、戦闘時にはかなりの武闘派である。特に前衛時は、ガンガン攻撃を仕掛けていく。

ただ、暴走するようなことはなく、こちらの指示したことをしっかりとこなそうとする仕事人でもあった。後衛で回復をしろと指示すれば、その仕事をしっかり全うしてくれる。

「アコラ、がんばったな。いい動きだったぞ」

「ラ!」

「これからよろしくな」

「ラー!」

俺の背中にしがみ付き、肩越しに顔を出しているアコラがピッと手を挙げた。1日中戦いっぱなしだったが、全く疲れた様子はない。ちびっこが元気いっぱいで嬉しいよ。

「じゃあ、流派クエストの報告にいくか」

「ラー!」

「ヒヒン!」

心なしかキャロも嬉しそうだ。人馬流のクエストをこなすと、騎乗モンスの好感度が上がるのかね?

カッポカッポというキャロの蹄の音を聞きながら、サジータの下へと向かう。すると、さらにクエストが提示された。まあ、分かってたけどさ!

『ユートさんの所持する『人馬流中段』の称号が、『人馬流上段』に変化します』

「それじゃあ、次の試練だ」

サジータが新しいクエストを提示してくる。

流派クエスト

内容: 騎乗したままレイドボス戦に参加し、騎乗した状態で勝利する。

報酬:30000G、奥義伝授

期限:なし

おお! 次で奥義習得か!

「しかしレイドボス戦ね……」

「ラ?」

足にしがみ付きながら、俺を見上げるアコラ。武闘派とは思えん可愛さだ。なんだこの目。キュルンキュルンじゃないか。

このアコラが参加できるレイドボスってなにかいたかね? 一度ホームで待機でもいいんだけど、レイドでみんなにお披露目的なことをしてもいいと思うんだよね。

むしろ、「アコラと一緒にレイドボス参加しようぜ!」的な感じでテイマーの知り合いに声かけたら、すぐにレイドメンバーが集まると思うのだ。

「一番弱いのは、第4エリアのレイドボスかな」

第4エリアのフィールドボスは、レイドタイプだったのだ。まあ、俺は第4エリアボスのレイドに参加したことはないけど。

初回撃破者が出た後は、パーティ戦かレイド戦を選べる仕様だったのだ。当然、俺はパーティで突破したが、今なら知り合いも多いしレイドでもいけると思う。

そもそも、序盤のボスだしな。最大で6パーティで戦えるが、1、2パーティ少なくとも問題ないだろう。

「誰がいいかな」

パッと思いつくのは、道中で遭遇したウルスラである。アコラにめっちゃ食いついていたし、誘えばきてくれそうだ。

あとはアメリアだな。可愛いモノ好きのアメリアだったら、即答で参加してくれるに違いないという謎の信頼感がある。

とりあえず2人に連絡して、参加してくれるかどうかを確かめよう。そう思って、まずはウルスラにコールしたんだが――。

『いく! 絶対いくわ! 参加するっ!』

「お、おう。そうか」

『他に誰誘うの? もう決まってる?』

「いや、ウルスラが最初だ。次はアメリアにコールしようかと思ってるんだが――」

『私に任せて! アメリア以外のメンバー用意するから! アコラちゃんには傷一つ付けさせないわっ!』

「だ、だったら頼んじゃおうかな……?」

『ええ! 大船に乗ったつもりで待っててね!』

ウルスラ、すんごいテンションなんだけど。だ、大丈夫か? 泥船じゃなければいいが……。まあ、ウルスラは顔広いだろうし、大丈夫なんだろう。

その後、待ち合わせの場所に行くと、知った顔が既に準備万端で待ち構えていた。ウルスラ、アメリアの他には眼鏡軍師エリンギとネクロマンサーのクリス、語尾が変な赤星ニャーの3人である。

全員でアコラを愛でながらレイドボスに向かったんだが……。

全員が顔見知りで、連携はばっちりだった。もうね、レイドボスが可哀想になるっていうの? 特にウルスラとアメリアの気合が凄まじかったのだ。

「アコラちゃんにいいとこみせるんじゃーい!」

「アメリアに負けないわ! うりゃぁぁぁ!」

テイマーの癖に前に出て、バーサーカードッグをしばいていたからな。