軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

729話 大地母神像の試練

洞窟の先にあったのは、大地母神様を象ったと思われる女性の石像だった。

天井の穴から差し込む光が石像と植物の葉を照らし出し、余りにも神々しい。ゲームならではの絶景だよなー。

モンスたちも見とれているようだ。

吸い寄せられるように近寄ると、不意に神像が光り輝いた。

『よく参りましたね。私の愛し子たちに認められし者よ』

「えーっと、大地母神様でしょうか?」

『そうです。ここでは、新たな力を得るために、試練を受けることが可能です。挑戦を希望しますか?』

試練? 女神様の言葉と共に、ウィンドウが立ち上がる。そこには、5つの試練が並んでいる。

上から『食材集めの試練』、『料理の試練・動物』、『料理の試練・野菜』、『食材育成の試練・動物』、『食材育成の試練・野菜』の5つだ。

「えーっと、これの試練を受けると何があるのでしょう?」

『この試練の中から2つを選び、見事乗り越えた暁には力を授けましょう。試練に失敗しても、何度も挑戦することが可能です』

その後少し質問を続けたが、力の正体は教えてもらえなかった。

ただ、再挑戦可能だというし、気軽に受けてみればいいかな? 幸い、どの試練も俺向きなのだ。

食材集めの試練は、その名前の通り、牧場も含むこの試練内で入手可能な食材を15種類、各10個納品するというものだ。時間をかければ、誰でもこなせるだろう。

料理の試練は2つあるが、内容はほぼ同じだ。この試練内で入手した食材だけを使い、料理を作成。レア度4かつ★6以上の料理を作るというものだ。

ただ、動物の方は、使用食材の中に4種類以上の動物食材を使わなければならない。野菜も同様だ。

問題点は、この試練内で調味料をゲットできるかってことだろう。岩塩でも手に入ればいいんだが、洞窟でも入手できていない。

まあ、ボガート村で聞いてみれば、こちらも何とかなりそうだけどね。自力採取ではなく、試練内で入手となっているということは、ボガートとの物々交換でゲットしてもいいってことなんだろうし。

食材の育成も、ここで手に入れた食材を自分で育てて増やし、納品するというものだった。この試練の存在で分かったけど、動物は何らかの方法で連れて帰り、畜産可能ということだろう。

そうでなければ、動物を増やせなんて指示出ないだろうし。

俺、畜産系のスキルは持ってないんだよなぁ。農耕でどうにかなりそうな気もするが、今から設備を揃えるのは大変そうだ。

それよりも、俺が一番狙いやすそうな料理の試練に挑戦してみたいね。

試練を選択してみる。すると、納品するかどうかという選択肢が出現した。ここで作るわけじゃなくて、作ったものを持ってきなさいってことか。

「よし、それじゃあボガート村に一度戻ろう」

「ヒン?」

「試練は今すぐ達成できそうもないからさ。とりあえず、ここでメンバーを入れ替えるかね」

俺はアイネとキャロに代えて、オルトとドリモを召喚する。道中の発掘要員だ。どうにか、岩塩が欲しい。

ここで手に入らなかったら、洞窟の外で甘味探しかな? でも、肉料理には、塩か醤油が欲しいよね。塩味であれば何でもいいんだけどさ。

そうして洞窟を戻り始めたのだが、さすがドリモとオルト。大地に愛されたコンビである。道中で、岩塩をいくつも手に入れていた。

採掘スキルのレベルで、入手確率が大きく変わるのだろう。高品質の岩塩は、初めて見たのである。

色も青いし、絶対に特別な品だ。リアルでも、ウユニ塩湖の塩とか、ヒマラヤの岩塩とか、メチャクチャ高いし。

村に戻ると、村長が出迎えてくれた。

「大地母神様のお言葉をいただけたようじゃね?」

「ええ、試練を受けるかって聞かれました。料理を作ろうと思うんですけど、炊事場を借りれますか?」

「うむうむ。お主ならよいじゃろうて。岩塩なんかが必要なら、交換もできるぞい?」

「えーっと、青い岩塩は手に入れたんですけど、他に調味料ってありますかね? 加工品とかもあれば欲しいんですが」

「あるぞい。この村で作っておるのは、豆味噌とチーズ、ヨーグルトじゃな!」

おお! 味噌! チーズとヨーグルトもぜひ使いたいぞ!

俺は村長に頼んで、物々交換でそれらをゲットした。どれも品質が高いし、料理に使えば美味しくなるだろう。

チーズもヨーグルトもうちで作ってるけど、今回はこのダンジョン内でゲットしたアイテムっていう縛りがあるからね。

塩と豆味噌、チーズ、ヨーグルトがあれば味付けは何とかなる。あとは、何を作るかなのだが……。

「とりあえず、味噌漬け肉と、ヨーグルト使った野菜煮込みでも試すか」

「ペペン?」

「残念ながら、今日は魚料理は作らんぞ?」

「ペーン」

水も、村の水を分けてもらえるし、本当にペルカに手伝ってもらうことがないのだ。いや、1つあった。

「ペルカ。重要な任務がある。それは、応援係だ!」

「ペン?」

「そこで応援しててね?」

「ペーン!」

ペルカの阿波踊りチックな応援の舞を背に、俺は料理を作り上げていく。まあ、本当に簡単な料理だから、数分で終わるけど。

「レア度4か……」

「ペペン」

料理台に顎を乗せるペルカを撫でながら、思案する。レア度4ってことは、あまりレア度が低い素材は使えないのだろう。

となると、レアドロップをメインに使う必要があるかな?

牛のレアドロであるカルビ肉を使った焼肉と、野菜のレアドロップである朝採れナスや朝採れトマトだけで料理をすればいけるか?

「まあ、とりあえずは試作だ! 素材は、足りなくなったら取りに行こう!」

「ペペン!」