軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

651話 ドワーフ村

アシュラショウジョウを倒した俺たちは、その先の村に辿り着いていた。今回は全員生きているうえ、余力も十分。

道中はピクニックみたいなものだったね。

ここで、レイドパーティは解散だ。初見さんたちとはフレンドコードを交換して、分かれる。

「白銀さん。ありがとうございました」

「こちらこそ。畑、いつ来てもらってもいいから」

「はい!」

道中で、ヒジカタ君との畑談議に花が咲いたんだよね。まだまだ畑初心者のヒジカタ君に、玄人面して色々語っちゃったよ。最後は、畑に遊びにきていいよとか言っちゃって。

調子に乗り過ぎたって反省してるよ? ヒジカタ君が、「ぜひ! 行ってみたいです!」って言ってくれたから助かったけど、イマドキのパーソナルスペースを大事にするタイプの子だったら「先輩面ウザ!」って思われていたかもしれん。

気を付けないと。新選組のみんなや第二陣のプレイヤーさんたちともフレコを交換したので、一気にフレンドが増えた。たまには、こういうレイド戦もいいのかもしれない。

「村の感じは、西と同じだな」

「ム」

「ニュー」

生活しているのがドワーフばかりという以外、違う部分は見当たらない。ただ、細かく回ってみれば、店に並ぶ商品が金属製品ばかりだったり、酒が大量に売られていたりと、ドワーフらしい部分が色々とあった。

ただ、俺たちの目的はのんびりの検証だ。村にずっといる訳にもいかない。そう思ってたら、ガチムチ白髭のドワーフさんに声を掛けられてしまった。

「お主に話がある!」

獣人の村でもあった、神様の試練への案内だった。すっかり忘れていたよ。

急いでいると言っても一分一秒を争うわけじゃないし、イワンたちに謝って祭壇への案内イベントだけは進めておくことにした。

獣神の像とほぼ同じロケーションに、一見すると大黒様にも似たふくよかな男性の石像が立っている。よく見ると、筋肉ムキムキな固太りタイプだった。髭もドワーフそっくりだし、これが彼らの神様なのは間違いない。

『汝、試練を望む者か?』

「yesだ」

『では、試練を授けよう』

山神の試練

内容:レア度6以上のモンスター素材を3つ捧げよ

報酬:山人の因子。もしくは、ボーナスポイント5点。

期限:なし

獣神の試練とほぼ同じだな。貰える因子が獣から山人に変わっているだけだ。この山人って言うのが、ドワーフのことなのだろう。

その後、俺はイワンたちと合流し、村を出発した。そこからさらに先へと進み、ドワーフ都市ドベリアへと辿り着く。

「ようやくついたか! いやー、結構時間かかったな!」

「お疲れ様でした白銀さん」

「お疲れっす!」

既に夕方だ。まあ、レイドボスと戦い、フィールドもだいぶ歩いたからね。半日もかからず到着できたのは、むしろ早いかもしれん。気分的にはようやくって感じだけどな。

イワンや、そのパーティメンバーのタカユキたちが労ってくれる。タカユキとツヨシの2人は俺よりも後発のはずなのに、もう完全に抜かれちゃってるよなぁ。

聞いてはいないけど、確実に職業レベルとかは俺より上だろう。まあ、戦闘職の2人が頑張ってりゃ、当然だけどさ。

「それじゃ、とりあえず公園探そうか?」

「そうですね」

実は、レイドボス突破のおぜん立てをしてもらったお返しに、のんびり庵をイワン以外のセルリアン、ヒナコ、タカユキ、ツヨシにも紹介することになっていた。まあ、レイドボス戦では頼り切っちゃったからね。

掲示板での呼びかけに、集まったプレイヤーの編成、罠などの必要なアイテムの準備、全部任せてしまった。

本人たちは、俺のお陰で有名人が集まったからレイドボス戦が簡単で助かったとか言ってたけど、さすがに言い過ぎなのは分かる。コクテンあたりは、俺の名前を見て参加したって言ってたけど……。戦闘狂のコクテンたちなら、俺がいなくても参加してただろって話だ。

イワンの案内で、ドベリアの中央にある大公園へと向かう。ビステスの公園によく似た、大型スライダーや雲梯、砂場などが完備された大きな公園である。

「ここで遊ぶだけでいいんですか?」

「それだったら簡単そうですね!」

セルリアンとヒナコが、公園の遊具を見ながらワクワクした表情をしている。緑髪に眼鏡のセルリアンはちょっとクール美人さんな雰囲気があるから、嫌がるかと思ったんだがな。こういうのが嫌いじゃないらしい。

ヒナコは、ブラウンのベリーショートに動きやすそうな軽装の、いかにも元気少女って感じの雰囲気なのだ。

「し、白銀さんのモンスちゃんたちと遊んでいいですか!」

「私も! 私も遊びたいです!」

「お、おお。別に構わんが」

「やった!」

「ひょほー!」

遊具って言うよりもモンスと遊べることにテンション上がってたみたい。ま、うちの子たち可愛いしね!

そのままみんなで遊んでいると、30分ほどで待っていた時間がやってきた。

「こんにちは。あんたたち、大分のんびり屋さんみたいだね」

「こ、こんにちは」

ただ、驚いたことに声をかけてきたのは、ビリーさんではなかった。歳の頃50ほどの、恰幅の良いおばちゃんだったのだ。

「もしかして、のんびり庵のことも知ってるのかい?」

「はい。ビリーさんとも知り合いです」

「そうかいそうかい。私はノン。のんびり堂って店の主だよ。ビリーとはのんびり仲間さ」

のんびり堂ね。全く同じではないのかね? そう思っていたんだが、案内された先はほとんど違いはなかった。

ああ、甘味屋というよりはカフェって感じだったり、その先にあるのんびり空間も洋風だったけど、交換できるアイテムとかは全く同じだった。

NPも共通しているらしい。俺はすでに30を超えており、のんびりテイマーの秘伝書なども交換可能であった。

どちらの町で活動してもいいってことなのだろう

「白銀さん。ありがとうございました。これでのんびりイベントに参加できます!」

「ありがとうございましたー!」

一緒にのんびり堂にやってきたセルリアンたちも、喜んでいるようで何よりだ。レイドボス戦でおんぶに抱っこだったお返しにはなったかな?

正直、北と南も気にはなっているんだけど、すぐに確認には行けないだろう。とりあえず、今ある情報をアリッサさんに売りに行こうかな?