軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

584話 琥珀を求めて

タゴサックの畑から戻った俺は、霊草に関してオルトに再度確認してみた。すると、やはり育てられるようだ。

「ムーム!」

自信満々でガッツポーズをしていた。まあ、どうせ試すしかないから、任せるけどさ。

そんなオルトに畑を任せて俺が向かったのは、イベントで大冒険を繰り広げたあの島である。今ならバザールの町に転移できるのだ。

目的は、琥珀の入手だ。NPCが販売しているとタゴサックに教えてもらったのである。

「おー、夏だねぇ」

「トリー!」

「デビー」

「ヒン!」

連れてきたのは、この島に来たことがない3人だ。戦闘する予定はないので、フルパーティじゃなくても大丈夫だろう。

春に近い気候の始まりの町と違い、日差しも強いし、空気もやや暑い。バザールの西洋感も相まって、夏のヨーロッパの町っぽかった。アンダルシアとかそんなイメージだ。まあ、行ったことはないけど。

俺はリリスたちを引き連れて、目的地へと向かった。バザールの町の中央にある、大きな市場だ。

「おー、情報通り琥珀が売ってるね」

「デビ!」

「トリ!」

お店のラインナップは、イベント中とあまり変わらない。ただ、琥珀やアンモライトの販売量が大幅に増えていた。

「すげー! このカブトでけー!」

「ヒ、ヒヒン?」

「メダカいるじゃん! うーん、金魚鉢とか味があるねぇ」

虫や魚などのペットも、大きくて見栄えがいいやつが販売されている。それに、大型水槽などの品ぞろえも充実しているのだ。

やばい、全部欲しい! 失いかけていた俺の少年心がMaxHeartだ!

「うはははははは!」

「トリ」

「うん?」

「デビー!」

「おっと、すまんすまん。つい夢中になっちまった」

気づいたら色々なアイテムを大量に買いまくってしまっていた。所持金が、いつのまにか100万くらい減っている。

「いやー、いつの間にこんなに使ったんだろうな? はっはっは」

「ヒン……」

「そ、そんな顔で見るなって。仕方ないじゃないか! こ、この町の品ぞろえが良過ぎるのが悪いんだ!」

「トリ……」

「……すまん」

「デビ」

リリスに慰められたっ! 悪魔に慰められる俺って……。

「と、とりあえず琥珀を買いに行こう。この先に琥珀屋さんがあるみたいだ。ほ、ほら、いくぞ」

「ヒーン」

「トリー」

「デビー」

「溜め息吐くなって!」

溜め息の三重奏だよ! キャロが他の子たちと馴染んでるようで何よりだね!

俺はジト目のオレアたちを引き連れて、琥珀を売っている店へと向かった。店舗ではなく、普通の屋台に琥珀が積み上がっているではないか。

「いらっしゃい。琥珀をお求めかね?」

「植物が入っているものはありますかね? 霊草入りならなおいいんですけど」

「ふむふむ。それでは、こちらなどがいいじゃろう」

購入可能なのは、植物入りが10個。霊草入りが1つだけか……。ただ、凄いものがあった。なんと、初めて見る、★10の琥珀だ。

「これ、すげーな……」

名称:琥珀・化石

レア度:4 品質:★10

効果:素材。観賞用。

最高品質の琥珀なんて初めて見た。バランスボールサイズの超巨大な琥珀の中に、ラプトル系の恐竜の頭蓋骨が入っている。

チョー欲しい。でも、値段が1500万もするんだよなぁ……。霊草入りの★9でも600万なのに。何か凄い使い道があるのか? 今のところ、装備品に加工するか、飾るくらいしかないと思う。

いや、このサイズの琥珀を、アクセサリーにできるか? 無理じゃね? そうなると、本当に飾るしかなくなる。化石を取り出したとしても、使い道が分からないのだ。

でも、メチャクチャかっこいいんだよなぁ。使い道がなくったって、飾っておくだけでも十分ではなかろうか。

「……とりあえず、保留にしとこう」

だって、モンスたちが俺を見つめる目に、ちょっと呆れの色が混ざっている気がするのだ。気のせいだと思うけど、さっきのこともあるしね……。

俺は植物と霊草入りの琥珀を全て買うと、次の店に向かった。琥珀を売っているお店はここだけではないのだ。

その後5つの店を巡り、琥珀・植物を80個、琥珀・霊草を5つ入手した。これだけあれば、採掘にはいかないでいいだろう。

「結構散財したけど……。でも買えちゃうんだよな」

何がって? 化石入りの琥珀だ! 琥珀を売っているどのお店でも、やはり化石入りの物を売っていたのだ。しかも、頭以外の部位が入っているものもあった。

ティラノサウルスかスピノサウルスの物と思われる巨大な牙が入っている物や、ラプトルの右前足が入ったものだ。

正直どれも欲しいんだが、一番飾り映えするのは、ラプトルの頭蓋骨のやつかな?

「な、なあ?」

「トリ?」

「ヒン?」

「デビー?」

「こ、これ買っていいか? いいよな? 飾ったらみんな喜ぶだろうし。多分。それに、いずれ使う日がくるかもしれないじゃんか? だから、今のうちに手に入れといた方がいいと思うんだ。絶対! ほ、ほら、お前らもなんか好きなもん買ってやるから! な?」

「……」

ジト目! これ以上ないってくらいの、キング・オブ・ジト目!

でも、結局買ってしまいました! だって、欲しかったんだ!

頭蓋骨入りの琥珀。早速ホームに戻って、飾ろう。

ああ、3人にも、ちゃんとお土産を買ってあげたよ? オレアは観葉植物。キャロはニンジン形のオブジェ。リリスは髑髏のランプだった。個性出てるよね。

戻ったら、これも飾ってあげよう。ただ、髑髏はどこに置くかな……。