軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

549話 カルロと騎乗モンス

アリッサさんに情報を語った後、俺たちはルインたちと合流して出発していた。ああ、情報料は、今日の終わりにまとめてってことになっている。

検証結果次第ではボーナスが出るらしいから、いい結果が出て欲しいね。

あと、キャロを見て興奮したカルロを宥めるのに少し時間がかかったから、出発がちょっと遅れたのだ。まあ、テイマーなら当然の反応だと思うし、仕方ないだろう。

「キャロちゃん、可愛いっすねぇ。俺も馬欲しくなりましたよ」

「チェーンクエスト頑張れとしか言えないなぁ」

「ですよねぇ。でも、人馬流の方から攻めたら、違うルートで見習い騎士の森に行けるんじゃないかと思うんですよね」

「ははぁ。確かにそれはあるかもな」

人馬流に入門するために、農耕系のスキルが必要なチェーンクエストを進めなくてはいけないというのは、違和感がある。

むしろ俺のルートが特殊で、本来のルートが存在している可能性が高そうだった。サジータと話した感じ、騎乗モンスを所持していて、遠距離攻撃系のスキルが育っていればイベントが発生するかもしれない。

それに、見習い騎士の森に行くだけなら、人馬流にこだわる必要もないかもしれない。だって、見習い騎士の森だぞ? 騎士職のクエストを進めていったら、入れるようになるんじゃなかろうか?

ただ、トップ騎士のジークフリードが知らないってことは、そっちのルートから見習い騎士の森に行けるようになるのは、まだ先のことになるだろう。やはり、人馬流のルートが簡単なのかな?

「がんばります! まずは騎乗可能なモンスを入手しないといけませんが」

騎乗モンスである馬を手に入れるために見習い騎士の森へと行きたくて、でもそのためには騎乗モンスが必要という……。

なんだろうね? 先は長そうだ。

「騎乗モンスって、どれくらい見つかってるんだ?」

「初期ボーナス、βからの引継ぎ以外だと、数種類だね。しかも、イベント報酬の卵から生まれたとか、そんな感じ? フィールドの通常モンスターで、騎乗可能になったのはいないんじゃない?」

今まで1種類もいないのか? そこまでレアなの?

そのままカルロと話していると、俺と相手の認識の違いが分かった。俺が騎乗モンスターと認識しているのは、単純に背中に乗れるモンスターのことである。

なんせ、騎乗スキルを持たないドリモのドラゴンモードでもよかったからね。俺から見たら、カルロのブラウンベアとかも、騎乗できそうだなーと思っていたのだ。

カルロの場合は、騎乗スキルを持っているモンスターのことを指していたらしい。

「え? 背中に乗れればいいんですか?」

「多分。ドリモは騎乗スキルなんか持ってないし」

確実ではないけど、人馬流に入門するためには、騎乗スキル持ちのモンスでなくともいい可能性があった。

アリッサさんへ説明した時も、キャロの情報は今日が終わってから本格的に売ることになっていたので、簡単なものだけだったのだ。

それともう1つ、カルロたちが騎乗スキルが必要だと思い込んでいた理由があった。モンスの背に乗せてもらっても、騎乗スキルがないとステータスが減少してしまうのだ。

騎乗スキルは、プレイヤー、モンスター、双方が所持していなければいけないため、色々と難しいのである。

両者ともに持っていない場合は、どちらもステータスが大幅減。片方しか所持していない場合は、両者のステータスが半減という感じだ。

しかも、騎乗スキルがなければ鞍や手綱を装備できないので、揺れるわ振り落とされるわで、戦闘などはまず無理らしい。

それ故、流派の入門に必要な騎乗モンスは、騎乗スキル持ちでなくてはならないと思い込んでいたのだろう。

「つまり、俺はもう条件を満たしてる?」

「かもしれないってだけだぞ?」

そんな話をしていると、あっという間にボスの間へと到着していた。ここに出るのは、風属性の大嵐獣だ。基本フォルムは大炎獣などと似ているが、こいつはより細い。

そして、全身が緑色の羽毛で覆われていた。空中で二段ジャンプなどを使って高速移動する、素早さ重視タイプだ。ムササビの膜のような物を備えており、滑空からの対地攻撃が非常に厭らしいボスらしい。

まあ、爆弾飽和攻撃で、ほぼ完封しちゃうけどね。

だからこそ、まだレベルが低いキャロも連れてきているのだ。

「むしろ、活躍してるじゃないか、キャロ!」

「ヒン!」

攻撃の回避をキャロに任せることで、俺は爆弾投擲に集中することができていた。おかげで俺の攻撃頻度は大幅に上昇している。

それに、いざという時は月魔術が大活躍だ。一瞬でも姿を消すことで、ボス相手でも危なげなく逃げ切れる。

連続使用はできないが、そうそう何度もピンチに陥ることもないからな。キャロは加入初戦で大活躍であった。

モンスたちを入れ替えながらも、ひたすらボス戦を周回していく。午前中だけで10戦もやってしまった。

早耳猫がいくら散財したのか、計算するのも恐ろしい。だが、アリッサさんはホクホク顔であった。

「まさか、たった10戦で落ちるとは思ってなかったわ!」

「運が良かったですね」

アリッサさんが喜ぶ通り、10戦目で激レアドロップ、大嵐獣の矢羽根が手に入ったのである。鑑定でデータを取りながら、アリッサさんは終始笑顔だ。

「午後は南の大渦獣ね!」

「あそこか……」

「ルイン、どうかしたか?」

急にルインの表情が陰っていた。何か嫌なことをこらえるような表情だ。でも、先日挑んだ時は、特に異常はなかったと思うが……。

「あそこは、ボスステージも水浸しなんじゃ! 深いところだと、儂の頭より水深がありよるんじゃぞ!」

「泳げるようになってなかったのか」

「うむ!」

そういえば、ルインはリアルでカナヅチなせいで、泳げないんだった。まだ克服できていなかったらしい。

「昨日は大丈夫そうに見えたんだけど……」

「リアルと違って、溺れることはないからな。我慢しとればなんとかなる。だが、嫌な物は嫌なんじゃ!」

一回なら我慢できるが、何度も周回するのはちょっと嫌ってことらしい。でも、投擲が得意なルインがいないとこの周回は始まらないし、我慢してもらいましょう。

すまん、ルイン!