軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

539話 四都制覇

青都、緑都へと到達した翌日。

俺たちは黄都を目指していた。同行者は昨日と同じで、ハイウッド、カルロ、ルインだ。

そして、今戦っているのが、第9エリアのボス、大地獣である。

そのフォルムは大炎獣と似ているが、こちらは全身が岩に覆われていた。この岩がかなり堅いらしく、4ボスの中では最も防御に特化したタイプだ。

それでいて、反射障壁によるカウンター攻撃まであるんだから、非常に厄介である。

実際、第9エリアの4ボスの中で、こいつが最も強いらしく、俺たちのレベルが僅かにでも上がっているラストに持ってこられていた。

「ガガアアアァァァ!」

「――!」

「助かったぞサクラ!」

「――♪」

その甲斐もあってか、俺たちも何とか戦力になれている。

そもそも、このボスにだけは爆弾飽和攻撃が使えない。適当に爆弾を使っていると、反射障壁によって爆弾を跳ね返され、あっという間に全滅してしまうからだ。

そのせいで、俺たちも普通に戦闘に参加せねばならなかった。いや、それが普通なんだけどね?

そこで大活躍したのが、ペルカと、進化したばかりのリリスだった。

弱点属性を操るペルカの攻撃は、急所に当たれば相手を高確率で怯ませる。特に、ペンギンハイウェイからの突進攻撃は、ダメージも申し分ないのだ。

そのおかげで、何度救われたか分からなかった。

「ペッペペーン!」

「いいぞ、ペルカ! そのまま隙があれば攻撃をしていけ!」

「ペペン!」

リリスの幻術・上級も、いい働きをしてくれている。大地獣は防御が硬い分、搦め手に弱い部分があるらしい。

「デビビー!」

「リリスは状態異常を狙ってってくれ!」

「デービー!」

幻術にかかったことで、俺たちを見失うことが何度かあった。その間は反射が解かれるので、一斉攻撃のチャンスなのだ。

このレベルのボス相手に、こんな貢献できることなんてなかなかないぞ?

ペルカとリリスは後で褒めてやろう。いや、この2人だけ褒めたらみんな拗ねるから、参加した全員を褒めないとな。危険なボス相手に頑張ってるし。

「白銀さん! もう少しです、頑張りましょう!」

「おう! オレア、サクラ! あとちょっと頼むぞ!」

「トリー!」

「――!」

今回、俺の護衛役にはオルト以外に、オレアとサクラも連れてきている。

ここのボスは土属性だが、樹属性は特に弱点ではない。ただ、向こうからの攻撃に関して、サクラもオレアも耐性がある。

オルトも土耐性があるし、入れ替え予定のドリモも土耐性がある。前衛は対土属性特化と言っても過言ではなかった。

掲示板などでは爆弾飽和攻撃が使えないと書かれていたので、一番強敵だと思っていたんだけどな……。

もしかしたら、4属性ボスの中でうちが自力突破できる唯一の相手かもしれない。

現在のパーティはオルト、サクラ、オレア、リリス、ペルカ、ルフレという、このボスに対応しやすい面子だ。

本当なら、騎乗モンスを連れてきたかったけど、昨日も結局手には入らなかった。ハイウッドたちを驚かせたかったんだけどねぇ。

「グルウウウゥゥゥゥゥ!」

「やべっ!」

大地獣が、妙な体勢をとった。両手足を投げ出し、ベタッと腹這いになったのだ。ただこの姿は、事前に教えられていた必殺技の準備態勢であった。

多くのプレイヤーたちがチャンスとみて攻撃を仕掛け、逃げ遅れて必殺技の餌食になっているらしい。

大地獣がこの体勢になったら、とにかく距離を取って防御に専念しろと言われていた。

「逃げろ逃げろ逃げろ!」

「ムムー!」

「フムー!」

みんなで走って逃げる。

その直後、大地獣が轟音を立てて動いていた。腹這いの状態から、ビョーンと勢いよくジャンプしたのだ。

全長10メートル近い巨体が、20メートル近い高さまで跳ね上がっている。

そして、そのままの体勢で落ちてきた。

ヒューン――ドガン!

ちょっとコミカルなSEが付いているんだが、その威力は笑えない。タダのボディプレスではなく、落下した衝撃で大地が次々とめくれ上がり、周囲がまるで針山のようになっているのだ。

巻き込まれていたら、串刺し状態になっていただろう。

さらには、大量の石礫が飛び散り、離れた場所まで襲ってくる。

「ムーム!」

「オ、オルト!」

オルトが前に出て、俺やルフレを庇ってくれた。ビシビシと礫が当たっているが、全く揺らがない。余裕で散弾を防いでいた。

大地獣の攻撃が終わると、オルトがこちらを振り返る。その笑顔が眩しいね!

「ム!」

「た、助かったぞ!」

「フム!」

俺たちが縋りつくと、サムズアップで応えるオルト。やべー、ドリモみたいだぞ! オルトさんかっけー!

「さて、あの攻撃の後は、チャンスのはずだ。みんな、総攻撃だ!」

「デビ!」

「――!」

その後、皆で攻撃を仕掛け、なんとかボスを倒した。多分、2割くらいは俺たちで削ったんじゃないか? うちの貧弱パーティで2割っていうのは、快挙なのだ。

そしてリザルト。

「おー、この大地獣の槍棘ってもしかして……」

「出ましたか! 間違いなく激レアっすよ」

「さすがユートじゃなぁ」

「サスシロだね!」

やっぱ、招福や幸運の効果なのかねぇ? まあ、これで周回にも気合が入るな。