軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

517話 結果と設置

オークションが終了し、ホームに戻ってきてからは怒涛の展開だった。

落札アイテムを確認し、運営からのメールに返信し、9300万の表示にしばし見入り、称号をゲットして驚く。

僅か30分くらいで色々あり過ぎだ。

称号に関しては、3つもゲットできてしまった。『宵越しの金は投げ捨てる』と『ミリオンダラー』、『ミリオネア』である。

称号:宵越しの金は投げ捨てる

効果:賞金10000G獲得。ボーナスポイント2点獲得。

以前獲得した、宵越しの金は持たないの上位称号であるらしい。効果も似ているし、獲得条件がオークションで1000万以上使用という点も似ている。

称号:ミリオンダラー

効果:なし。ありとあらゆる方法を使って1億Gをかき集めた人物に贈られる称号。

どうも、1億Gを所持したということを示すだけの、名誉称号であるらしい。それにしては、次のミリオネアとの差別化がいまいち分からんのだが……。ミリオンダラーとミリオネアを分ける意味が分からない。

称号:ミリオネア

効果:ボーナスポイント2点獲得。一部のNPCからの好感度上昇。自力で1億G稼ぎ出した、真なる富豪へと贈られる称号。

これも似た称号を持っている。イベントでゲットした、夏の海の思い出に近いのだ。あっちはイベントNPCの好感度上昇だったが、こちらは対象がよく分からない。

お金持ちのNPCとか? もしくは、泥棒系のNPC? 変なイベントとか起きないよな?

ミリオンダラーをゲットしていたら、ミリオネアも手に入るんじゃないかと思っていたら、実はそうではなかった。

ミリオネアの情報を売りに行ったら、アリッサさんが教えてくれたのだ。ミリオンダラーは、クランの中でお金の受け渡しでもゲット可能。ミリオネアは完全に個人で達成せねばならないらしい。

クランに登録しているかどうかで、色々と変わってくるのだろう。それに、クラン内でお金を受け渡すにしても譲渡制限があるので、次の人間に渡すまで何日もかかるそうだ。

そう簡単にはいかないってことなのだろう。

ああ、ミリオネアに関しては情報料を貰っていない。その代わりに、凄い情報を貰ったからね!

「まさか、すでに必殺技と秘奥術の取得条件が分かっていたとは」

チェーンクエストを攻略すればいいそうだ。ただ、メチャクチャ難しいので、攻略方法が分かったら連絡をくれるという約束を取り付けておいた。

いずれ、ゲットするのが楽しみである。

「当面の目的は第10エリアだけど、その前にホームの改装をしなくちゃな!」

「ムム?」

「キュ?」

ホームの庭に降りると、早速オルトたちが近寄ってきた。完全に俺と遊ぶ気だが、今は心を鬼にして誘いを断る。

遊具を設置すれば、オルトたちの為にもなるからね。

「今から落札したばかりの遊具で、庭を大改装するからな! お前らも手伝ってくれ」

「ムー!」

「キキュ!」

さてと、まずは何から設置しようか。

「あまり近すぎてもごちゃごちゃするし、離れすぎてても寂しいしな……」

俺はオルトたちと庭を歩き回りながら、どこに何を設置するか考える。

「ここにジャングルジムで、あそこに雲梯。でもって、あっちにすべり台かな?」

「ムム!」

「キュ!」

「そうかそうか、お前らも賛成か」

最終的に、オルトとリックのオッケーももらったので、俺は次々と遊具を取り出していった。

遊具の封印された羊皮紙を地面に置き、発動すればそこに遊具が現れる。

あっという間に、庭が公園に生まれ変わっていた。芝生が敷き詰められた、ちょっとセレブな町にありそうなオシャレ公園風である。

遊具も黄や赤、緑といった原色で塗られ。非常にモダンな外見なのだ。

俺が子供の頃に泥だらけになって遊んだ、錆び錆び遊具だけが置かれた、地面むき出しの田舎公園とは一線を画すね!

「トリー!」

「スネー!」

「あいー!」

うちの子たちも、次々と集まってきた。ただ、誰も遊具で遊ぼうとはしない。なぜか、俺の後ろに並んでいる。

「どうした? 遊んでいいんだぞ?」

「フム!」

「ヒム!」

「え? どういうことだ?」

「ペペン!」

何故か、皆で俺のことをグイグイと押している。どうやら、一番は俺に譲ってくれるということらしい。

別に遊びたいわけではないが、うちの子たちの厚意を無下にするのも忍びない。とりあえずどれかで遊んでみるか。

「うーん、サイズ調整機能の付いてるブランコが無難か?」

ブランコに座ろうとすると、自然とそのサイズが変化し、俺にジャストなサイズになった。これは便利だ。

「おお、しっかりしてるな」

俺が座ってもびくともしない。これなら、モンスたちがヤンチャに遊んでも、壊れたりはしないだろう。まあ、ゲームの中の遊具が、壊れるのかどうかは知らんけど。

「モグ」

「クマ」

「お? 押してくれんのか?」

ドリモとクママの力自慢コンビが、俺のブランコを後ろから押してくれる。最初はよかったんだけど、段々と笑っていられなくなってきた。

「おいおい! ちょ、はや! 速いし! 凄いスイングしてるんだけどぉ! 押し過ぎだって!」

「モーグ!」

「クーマ!」

「うおおぉぉぉぉぉ?!」

ど、どこまで押す気だ? もう俺、水平に180度振られてるけど!

空が見えたかと思うと、今度は後ろに引っ張られて、地面が見えるような状況だ。

なのに、ドリモたちは止まらない。

「ヤヤー!」

「デビビ!」

「フーマー!」

ブランコの周りで歓声を上げている従魔たちのテンションにつられて、ドリモとクママも楽しくなってきたのだろう。

メッチャ楽しそうに、俺のブランコを押し続けていた。戻ってくる俺をタイミングよく躱し、前に行く瞬間にササッと入って俺を押す。

やべー! 180度どころか、270度すら超えている。

「こ、このままじゃぁぁぁあぁぁ!」

「――」

横目に、心配そうな顔をしているサクラが見えた。俺のことを気遣ってくれるのは、お前だけだよ!

そして、俺の体はブランコの上を通り越し、凄まじい速度で一回転していた。

「こーわーいー!」

しかも、ドリモたちは止めないし!

「そろそろいいんじゃないかなぁぁぁぁ!」

「モグモー!」

「クックマー!」

こりゃあ、しばらく止まりそうにないなぁ!