軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

501話 オレアの姿

オレアの本体が光を放ってから、数秒後。

「トリ?」

「おー、こんな感じになったのか!」

「トリー!」

そこにいた子供は、今までのオレアとは全く違う姿をしていた。

身長は、オルトと同じか、少し小さいくらいである。

髪の毛はショートボブだ。基本は黄色が強めの黄緑で、前髪に一房だけ赤紫が混じっている。

以前はピ〇キオっぽい鼻をしていたんだが、今はちょっと高いくらいかな?

服装は、ポンチョ風の外套と、その下にブカブカのシャツとハーフパンツという出で立ちだ。ポンチョは基本は白と緑で、背中には赤紫とこげ茶、深緑で、図案化されたオリーブの木が描かれていた。

足元はサクラと同じサンダルだ。

「鎌はどこだ?」

「トリー!」

「おお! なるほど!」

サクラと同じで、樹魔術で作り出すらしい。オレアが腕を一振りすると、瞬時に巨大な鎌が出現した。

「超デカ!」

「トリ!」

チャームの持っていた枝打ち鎌よりもさらに巨大だ。完全にデスサイズと呼べる大きさだろう。

小柄なオレアがこの鎌を使い熟せるのか? そう思ったら、ブンブン振り回して、全く問題なさそうだった。

「にしても、メッチャ変わったな!」

「トリ!」

声はほぼ同じかな?

ただ、問題が一つ。

オレアって、女の子? 男の子?

体型は非常にスレンダーというか、幼児体型でそこから判断するのは難しい。非常にボーイッシュな美少女にも見えるが、美少女に見紛うほど可愛い男の子にも見えるのだ。

服装も、男女どちらでも許されそうな格好をしている。

今までは男の子だと思っていたけど、実は女の子だったパターンもあり得そうだ。

「うーん?」

「トリ!」

「うん? なんだこれ?」

性別が分からず悩んでいたら、オレアが何かをさし出してきた。何かの果実っぽい。

名称:精霊の実

レア度:6 品質:★5

効果:使用者の空腹を10%回復させる。使用者の魔術耐性を1時間上昇させる。クーリングタイム5分。

メッチャ強いんだけど! 魔術耐性を上昇? レア度もめっちゃ高いし!

「キキュー!」

オレアが進化したことによって、素材生産で手に入るようになったアイテムだ。精霊の枝、オリーブトレントの実もインベントリに入っていた。

進化時、全部を入手できたらしい。前もそうだったっけ? ともかく、これは有難い。

素材生産で手に入るアイテムはランダムだが、時折でもこれが入手できるのはかなり有用だろう。

リックがフンスフンスと凄い勢いで匂いを嗅いでいる。目、逝っちゃってない? どうやら好物であるらしい。

でも、ダメだぞ。これ一個しかないんだから! 数が揃ってきたら、食べさせてやるから!

「ムーム!」

「うん? どうしたオルト?」

「ムムー!」

「ちょ、マジでどうした?」

オルトが俺の袖を引っ張って、何やら訴えている。何が言いたいのか分からずに戸惑っていると、手の中の精霊の実を奪われていた。

「ムー!」

精霊の実を俺からぶんどったオルトは、その実を掲げてドヤ顔だった。

「あー、もしかしてオークションに出品する作物って、それか?」

「ム!」

そういえば、オルトはそのために樹呪術を使ったんだったな。

多分だけど、元々はオレアにリックの樹呪術を使い、違う物を作ろうとしていたんだと思う。ただ、肥料と栄養剤によってより良い作物である精霊の実を作り出せる道筋ができたので、そっちに変更したのだろう。

にしても、オルト有能過ぎない? 普通なら見つけるのにかなり苦労しそうなイベントだったはずだ。それが簡単に判明しちゃうんだもんな。

他のノームもこうなのだろうか?

「ム?」

「あー、すまん。何でもない。この精霊の実は、オークションに出品しよう。元々、オルトに好きにするようにって言ったのは俺だもんな」

「ム!」

「キュー……」

勿体ないが、仕方ない。オルトのためだ。

あと、リックが残念がっているけど、元々お前にはやらんと言ってるだろ!

オルトの出品物はこれでいいが、他の子たちはまだ作ってるかな?

「よし、みんなの様子を見に行くか」

「トリー!」

「オレアも一緒に行くか? そうだな、みんなに進化した姿を見せてやろう」

「トリトリ」

そうして、オレアと連れ立ってホームに戻ると、庭で遊んでいた子たちが一斉に集まってきた。みんな、姿の変わったオレアに興味津々であるらしい。

まあ、中がオレアだと分かれば、すぐにいつも通りに戻ったけどね。

「ヒムー」

「トリー」

「って、ヒムカいるじゃん。どうだ? オークションに出すアイテムはできたか?」

「ヒム!」

ヒムカが嬉しげに笑うと、工房のアイテムボックスから木の箱を取り出してきたのであった。

「あれ? ヒムカが木工?」

なわけないよな? 中に入ってるのか? 結構しっかりとした作りの箱――というか、トランクケースだけど。

「ヒム」

俺が戸惑う中、ヒムカが自信満々の顔でケースを開くのであった。