軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

495話 目指せオークション

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昨日は万能工房・二型で色々と生産三昧だったが、今日は色々と回るつもりだ。

「まずはルインのところに行こう」

「デビ!」

「キキュ!」

「ヤー!」

今日のお供はリリス、リック、ファウのいたずら好き3人衆だ。リックとファウは今まで色々とやらかしていたが、リリスも完全にそっち側の性格だった。

リックが額に『獣』って落書きされていたのだ。それを見てケタケタ笑っていた。悪魔だから仕方ないんだろうけどさ。

「外で悪戯はするなよ?」

「デビ!」

「キュ!」

「ヤヤー!」

「敬礼だけはビシッと決まってるんだけどなぁ……」

まあ、他のプレイヤーの不利益になるような行動はしないと思うけど、ちゃんと見張っておこう。

リリスは肩車。リックはその頭の上だ。ファウは周囲を楽しそうに飛び回っている。

リリスは好奇心が強いタイプらしく、興味があるものを発見すると、俺の頭をペシペシと叩いてそちらへと誘導した。

結局、ルインの店に到着するまで、1時間近くかかってしまったな。

「ども」

「お、どうした? 装備は作ったばかりじゃろ? そのおチビちゃんの装備か?」

「いえ、リリスは専用装備があるんで。そうじゃなくて、これをセットしてほしいんです」

「従魔の宝珠か。しかも2つも?」

「はい」

実は、昨日の内にヒムカ、アイネから従魔の心を貰うことができていたのだ。やはり施設を買ったおかげなんだろう。

これを従魔の宝珠にしたので、装備にセットしにきたのである。

従魔の宝珠は、どのモンスから貰った心で作っても、配下の従魔全員が召喚対象だ。アップデートで12個までしか装備できなくなったが、俺の場合はまだそこまで達していない。

今回の2つで、ようやく9個なのだ。

ルインにセットしてもらっている間、みんなで売り物を眺める。

すると、リリスが空中に浮遊しながら、少し高い位置にあるショーケースをのぞき込んでいた。武具が好きなんだろうか?

「デビー」

「どうした? おお、この剣、すっごいな!」

「デビ!」

リリスが見つめていたのは、ショーケースに横向きで飾られている1本のサーベルだった。

性能もさることながら、メチャクチャかっこいい装飾が施されている。

左右に勇ましい狼の顔が彫刻された金色の鍔に、ワインレッドの革が綺麗に巻かれた柄。柄頭には赤い宝石があしらわれ、鍔元にも同じ宝石が埋め込まれている。

ハンドカバーの表面にも彫刻が施され、雄々しい獅子がこっちを睨みつけていた。

刀身もただの刃ではない。一点の曇りもない反り返った銀のサーベルには、無数の楔文字のような模様が彫り込まれていたのだ。

ただ派手なだけじゃなくて、古代っぽさとかも感じる姿である。

俺もリリスも、しばしそのサーベルに魅入ってしまった。途中からはリックとファウもやってきて、4人でサーベルを見つめる。

剣なんて使えないのに、ここまで見事だと欲しくなるから不思議だ。いや、買わないけどね?

そもそも、値段がすげーんだもん。

「お、そいつに目を付けたか?」

「いやー、かっこいい剣だ。ルインが作ったのか?」

「そうじゃ! 中々のできだろう? どうだ? 部屋の飾りとしても悪くないと思うが?」

確かに、壁に飾ったら映えそうだ。だが、この値段は無理だろう。

「自分で使えない剣に120万は無理でしょ?」

「ふははは。だろうな! まあ、客に見せるために置いてあるから、売れなくてもいいんじゃがな。金持ってそうな客には、一応勧めてみてるだけじゃ」

「自分の技術を試す的な感じで作ったのか?」

「それもあるが、それだけじゃないぞ。そいつは、オークションに出品する剣の試作品じゃ」

「あー、そういうことか」

プレイヤーも出品できるんだよな。出す側になるつもりなんかなかったから、全然気にしていなかった。

「マジックシルバーを使っているから非常に軽く、誰でも装備可能。しかも、魔術発動媒体としても優秀じゃ! 無駄な装飾を施し過ぎたせいで耐久力は低いが、そこはまあ、ご愛敬という奴で」

「性能を犠牲にして見た目を良くしてんのかよ」

「オークションじゃからな。見た目も重要じゃろう。ユートは出品しないのか? 一点ものを売り出せば、絶対に買い手がつくと思うがのう?」

「えー、そうか?」

「うむ。モンスターの作ったものでも出品可能じゃぞ?」

オークションに出品かぁ。

確かに、色々と売りに出してみるのも面白いかね。

うちの子たちには、普段使いしやすい日用品をいっぱい作ってもらっている。それを無人販売所で販売しているからだ。

だから、最高の材料を使った、豪華な一品ものっていうのはあまり作ってもらうことがなかった。

たまには盛大に素材を使わせてやって、好きなものを作ってもらうのもいいんじゃなかろうか?

「そうだな……。ホームに戻って、みんなにも聞いてみるか」

モンスたちが出品したいのであれば、ひとつ作品を作ってもらおう。何なら素材を集めたり、製作の補助をしたっていい。

「これは、面白くなりそうだな! よし、家に戻るぞ! リリス、ファウ、リック、こい!」

「デビー!」

「ヤー!」

「キキュ!」

考えてみれば、ヒムカの銀食器なんかはオークション向きだもんな。