軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

463話 ウンディーネ情報

ボス戦でのリザルトを確認すると、俺とドリモ、ヒムカ、アイネ、ペルカのレベルが上がっていた。さすがレイドボスだ。経験値はそれなりに貰えたらしい。

「あとはドロップだけど……。ビフロンスの魔核と、ビフロンスの爪。あとはビフロンスの怨念か……」

魔核と爪は、まあいい。普通に素材だろう。だが、怨念って……。一応素材扱いになっているけど、大丈夫なのか?

「ソーヤ君、どうだった?」

「僕はこんな感じですね」

ソーヤ君は魔核と爪は俺と同じだが、最後の1つが黒煙という素材になっていた。状態異常系のアイテムが作れそうだ。錬金術師のソーヤ君にとっては、いいアイテムなのかもしれない。

「怨念ってアイテム、何に使えると思う?」

「うーん……。確か、一部のアンデッドがこれに似たアイテムを落としたと思います。レイスの悔恨と、ゴーストの悲嘆だったかな? どっちも極レアドロップですよ」

「確かに似てるな」

「それと同じなら、攻撃アイテムにもできますし、武器の素材にもできたはずです」

「呪われたりしない?」

「呪いというか、非常に尖った能力の武器になるそうです。レイスの悔恨で作った杖を見たことがありますけど、器用と敏捷が大幅に下がる代わりに、精神と知力が大上昇するっていう性能でしたから」

「それは、確かに尖ってるな」

とりあえず、イベントが終了したらルインかシュエラの店に持ち込んでみよう。それに、他の使い方が発見されるかもしれない。レアドロップみたいだけど、俺以外にゲットした人がいないわけないだろうし。

しかも、ドロップは素材だけではない。イベント引換券と恐竜飼育セット引換券、巨大水槽引換券が1枚ずつ入手できていた。

上位20%ボーナスは、イベトとイベント引換券が1枚なので、この戦闘で引換券を計4枚も入手できている。

「あとは……そうだ! ショクダイオオコンニャク! 鑑定しないと!」

「そうでした。元々はそれが目的でここにきてるんですし」

俺とソーヤ君は、ドロップなどを確認しているプレイヤーたちの間を縫って、古代の池へと近づく。

匂いが強くなってくるのが分かるね。

「見えた」

「早く鑑定して離れましょう」

「ヒム!」

「――!」

ソーヤ君はこの臭いに耐えられないらしい。ヒムカとサクラも賛同するように大きく頷く。そして、俺のローブを引っ張り始めた。

サッサと鑑定してとっとと離れようということなんだろう。

「はいはい。分かった分かった」

「――!」

いつもは大人しいサクラが、珍しく俺を急かす。余程この臭いが嫌なのだろう。

俺は、サクラの頭をポンポン撫でて宥めながら、遠くに見える巨大な花を鑑定した。問題なく鑑定できたようだ。

これでコンプリートしたはずなんだが――。

ピッポーン。

『イベント専用図鑑をコンプリートしました。ユートさんに、『夏を楽しみ尽くした者』の称号が授与されます』

おお、報酬は称号か! また増えてしまったぜ。

効果として、イベント終了時にイベトが付与されるというのは恐竜系の称号と同じだったが、他にも報酬があった。

称号:夏を楽しみ尽くした者

効果:イベント終了時、一定のイベトを付与。一部スキルの特殊取得条件を解放。

「特殊取得条件?」

ウィンドウを開いて確認してみると、確かに新たに取得可能なスキルが増えていた。鉱物知識、動物知識、水生知識、鉱物学、動物学、水生学の6種類だ。

取得条件を満たさずとも、ポイントを支払えば取得できるようになったっぽい。これが特殊取得ってことになるのだろう。

ただ、必要なポイントが多いな。植物知識を取得した時は2ポイントで済んだはずだが、他の知識系スキルは8ポイントと表示されている。

鉱物学などは40ポイントも必要だった。まあ、あの長いチェーンクエストをスキップできるわけだから、これくらいは必要なのかもしれんが。

当然ながら、俺以外にも図鑑をコンプしたプレイヤーたちはいる。喜んでいる人たちは間違いなくそうだろう。

「おおお! 称号だ!」

「やった!」

「これで、植物学が!」

図鑑を全部埋めたプレイヤーはそこそこいるらしい。

怪魚以外はそれほど難しくないし、島をキッチリ回っていれば埋まっていておかしくないのだ。

図鑑コンプリート情報は売れそうになかった。

「ヒームー!」

「――!」

「うぉっと! 引っ張るなって!」

「ヒムムー!」

遂に耐えきれなくなったヒムカが、俺の腕を引っ張り始める。サクラが後ろから押してくるので、抗うこともできなかった。

「ソ、ソーヤ君はこの後どうするんだ?」

「知人たちとバザールに行くことになってます。イベント終了前に、アレの材料が売ってないか見たいんで」

「あー、なるほど」

蘇生薬はソーヤ君やその知人たちと研究して作り上げたらしい。その知人たちと、さらに蘇生薬の品質を上昇させるための素材を探すのだろう。

俺も一緒に行こうか迷ったけど、アレはまだまだ秘密も多いはずだ。無理に付いていっても迷惑になるだろう。

俺はここでソーヤ君と別行動をすることにした。うちの子たちと手を振り合うソーヤ君と別れて、そのまま歩く。

何か忘れているような気がするんだけど、何だったっけ?

そのまま池から離れていくと、見知った顔が前にいた。

「おーい! アメリア! オイレン!」

「あ! 白銀さん! ねぇ、これからどうするの? もしよかったら、私たちと試練の浜にいかない?」

「試練の浜? 何するんだ?」

「実はさ、私もオイレンも、まだ図鑑が埋まってなくて。あとはリュウグウノツカイさえ登録すれば、コンプなのよ」

リュウグウノツカイか! そう言えば、魚拓にしちゃったせいで、俺もまだ確保できてなかった!

「釣りに行こうかって話をしてたんですけど、白銀さんも一緒にどうです? というか、一緒に行ってくれませんか?」

「うん? 何で俺なんだ? 1回釣ったけど、別にコツとか掴んでるわけじゃないぞ?」

確か釣りをメインに活動しているプレイヤーもいるって話だし、そっちにお願いした方がいいと思うけど。

「いやいや、白銀さんならきっとやってくれるから!」

「そんな期待されても……。確約はできないぞ?」

「それでもいいですから!」

「ま、まあ、それならいいけど。後で文句言うなよ?」

「分かってます!」

「やった! じゃあ、いきましょ! あ、白銀さん」

「なんだ?」

「オルトちゃんは?」

「……休憩中だよ」

「ちぇっ」

アメリアめ。あわよくばオルトと一緒に釣りをするつもりだったな?

「そう言えばさ、オイレンのウンディーネ、全種類揃ってるよな?」

「お? お目が高いね! その通り! フロイライン、セルキー、アーチャー、クッカーと、4種類コンプさ!」

フロイラインはうちのルフレと同じ進化先だから、ほぼ同じ外見である。クッカーも、元のウンディーネに似ている。頭に、三角巾をお洒落に巻いているのが違うかな。

外見的に大分違うのがセルキーだ。青い髪の毛の美少女タイプであることに変わりはない。しかし、身長は100センチくらいで、元のウンディーネから10センチ近く縮んだだろう。顔もやや幼い。

こういう進化の仕方もあるんだね。

さらに、装備も大分違う。ウンディーネの青いドレスのような服ではなく、アザラシの被り物をしていたのだ。

モチーフはアザラシの赤ちゃんだろう。いわゆるゴマちゃんだ。

頭部はフードのようになっており、被ると目のあたりまでを覆うことができる。体の部分はマント状で、羽織ると丈の長いカーディガンのような形状だった。

「こういう子もいいな」

「だろ!」

「で、そっちの弓を背負っているポニテのウンディーネが、アーチャー?」

「そうそう。好感度マックスで解放されたルートだな」

「やっぱそうか。従魔の心、貰えたのか?」

「あ、そこか。どうも、プールが関係してるっぽいぞ」

「プール?」

「ああ、ホームにプールとか大きな噴水があると、いいっぽい」

うちにも水場はあるが……。ただ、オイレンに話を聞くと、もっと大きな物でなくてはならないらしい。

オイレンの場合、ウンディーネ達のために巨大なプールを作ったそうだ。そして、そこで戯れている内に、従魔の心がもらえたらしい。

全員の従魔の心がプールで遊んでいる内にゲットできたことを考えるに、間違いないそうだ。

「助かったよ。情報料、どうすればいい?」

「いやいや。これは、白銀さんが一緒に釣りに行ってくれることに対する報酬みたいなもんだから」

「え? いや、俺だってリュウグウノツカイ釣りたいし、むしろ誘ってくれて有り難いんだが……」

「気にしない気にしない。こっちも白銀さんが一緒に行ってくれるのは本当に有り難いから!」

「いいのか?」

オイレンがそれでいいというなら、有り難く教えてもらっちゃうが。ああ、そうか、オイレンはルフレのファンだったな。それでか。