軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

421話 四葉のクローバー探し

イベント5日目。

「目覚めたが……やっぱり墓地か」

廃村が消え、その跡に出現した墓地。そこで一夜を明かした俺は、当然のことながら墓地で目を覚ましていた。

最悪――でもない。

「夜は気が付かなかったが、意外に爽やかな場所だな」

朽ちかけた西洋風の墓石はちょっと趣があるように思えるし、周囲には可愛いシロツメクサが一面に咲いている。

それに、海に面した小高い丘になっており、吹き寄せる海風が気持ち良かった。そんな場所でモンスたちと食べる朝食も、中々に悪くない。いや、墓地なんだけどね。

「さて、地図によると、このまま北上すると北の漁村があって、その手前に岬か」

沈没船は、その岬の少し先に沈んでいるらしい。となると、先に漁村だろう。

墓地から北の漁村は、本当に直ぐだった。昨晩は足元が暗かったうえにスケルトンに邪魔されて、余り進めなかったのだ。

2時間もあったら到着できた。

「えーっと、この村で回りたい場所は……。伝説の漁師とミニゲームか」

最初にミニゲームに行った方がいいかな? 時間がかかるかもしれないし。

目指すのは、村の奥にある花屋さんだ。少し歩くと、結構目立つピンクの店があった。漁村の中で浮きまくっている。せめて、家の外観を他に合わせろよ。

中をのぞくと、色とりどりの花が売られている。

「あ、そうだ。先にホームに戻ってメンバー入れ替えるか」

花屋の横にある転移陣の石碑を見て、思い出した。ここのミニゲームに特化したメンバーの方が、絶対に良いだろう。

俺は転移陣に琥珀をセットし、転移先をホームに指定する。

「ただいまー」

「――!」

「ヤヤー!」

「キキュ!」

「ヒム!」

「うぼぁー!」

こいつら、この前注意したのに、またもや飛び掛かってきおって! みんなが俺にしがみ付いている。

まあ、寂しかったのだろう。そう思ったら可愛すぎて、しばらく遊んでしまったのだ。

その後、俺はパーティメンバーを入れ替えて再出発した。

連れて行くのは、オルト、サクラ、リック、ファウ、アイネ、ヒムカである。ミニゲームで活躍しそうなメンバーに加え、しばらく放っておいてしまったヒムカをチョイスした。

転移して、北の漁村に戻る。

「すいませーん」

「あ! お客さんだっ! いらっしゃいませ!」

花屋の中では、10歳くらいの赤毛の少女が店番をしていた。入ってきた俺たちを、元気いっぱいの声で出迎えてくれる。

カウンターに両肘を突き、両手で自分のほっぺをムギューとしてふてくされている感じだったんだが、今は満面の笑みだ。

鼻の頭に残るソバカスと、左右に突き出たぶっとい三つ編みがいかにも元気少女ですという印象を与えてる。

どっからどう見ても、遊びに行くところを親に捕まって、店番をお願いされてしまったお手伝い少女にしか見えない。暇で暇で仕方なかったが、ようやく客が来てくれて退屈から解放されたんだろう。

細かいキャラ設定まで瞬時に悟らせるリアルさ。さすがLJOだぜ。

「ここで何か特別なことをやってるって聞いたんだけど?」

「なんだ、爺ちゃんのお客さんかぁ……」

俺がミニゲームについて尋ねると、少女が分かりやすくしょんぼりしてしまった。

「あ、いや、それは――」

「爺ちゃん! お客さんだよー!」

言い訳させて! だが、すでに少女は奥の扉を開けて、出て行ってしまった後だった。仕方なく、その後を追う。

「いらっしゃい。栞がほしいんかい?」

「え、ええ。そうです」

女の子の姿がない。代わりに、お爺さんが声をかけてきた。見覚えのある顔である。

化石屋や魚拓爺さんと同じ顔だった。ミニゲーム爺さんズの3人目だろう。

「じゃあ、まずはこの広場で、四葉のクローバーを探してもらおうかのう? よりたくさん見付ければ、それだけ良い栞が作れるぞい」

ここでのミニゲームは、店の裏手にある原っぱでの四葉のクローバー探しだ。発見した数が多い程、高得点であるらしい。

「よっし! みんな、頑張るぞ!」

「ムムー!」

オルトたちは、楽しそうに広場に散っていった。早速、四葉のクローバーを発見したサクラが、誇らしげに頭上に掲げている。

「よく見付けたなー、凄いぞサクラ」

「――♪」

「ムムー!」

「フママー!」

俺に頭を撫でられるサクラを見て、皆のやる気スイッチがポチられたらしい。今まで以上に気合を入れた表情で、四葉を探し始める。

「キキュー!」

「ヤー!」

「ヒムヒムー!」

ファウとリックは、発見しても抜くのに手間取っているようだ。そこを、見つけるのが下手なヒムカに手伝ってもらっている。分業するのはいい手かもな。

これは、かなりの成果が期待できそうだ。

このミニゲーム、農耕や採取、植物知識のスキルがあると、効率が上がることは分かっている。

実際、俺も少し歩くだけで、四葉のクローバーを発見できていた。近づくと、四葉が光って見えるのだ。

でも、ちょっと変だった。薄らと光るって聞いていたんだが、見逃すなんてありえないぐらいに白い光が立ち昇っている。

「あ、もしかして植物学か?」

植物知識の上位スキルである植物学なら、この効果も納得できた。

「おー、これはマジで最高得点有り得るかも!」

俺は、気合を入れてクローバーを探していった。制限時間30分で発見した四葉は、パーティ全部で218個。

今までのベストスコアである211個をさらに上回る成果である。まあ、ゲットできた景品は、変わらんかったけどね。100個以上は変わらないようだった。

もらえたのは、四葉の栞というアイテムだ。使用すると30分間、レアアイテムのドロップ率が大上昇するという効果である。

スコアによって、10分間微上昇、30分間微上昇、小上昇、中上昇、大上昇となるらしい。何度も挑戦したくなるが、栞を所持している間は再挑戦できないそうだ。残念。

でも、俺達の真の目的はこのアイテムじゃないからな。

ミニゲーム終了後、お爺さんが俺に話しかけてくる。

「ほほう。お前さん、化石と真魚拓セットを持っておるな?」

ほら、始まった。