軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

363話 鳥は鳥だけど

光の球に捧げるアイテムを選んでいると、マモリがリックとファウを連れて戻ってきた。

「あーいー」

「キキュ!」

「ヤー!」

「おー、お前らの卵、孵化したぞー。そしたら未分化の力って奴が出てきてなー」

「キュ?」

「ヤ?」

「あい?」

マモリも一緒に首を傾げている。これだけじゃ分からんか。とりあえず俺は、未分化の力や、それにアイテムを捧げると、改めてモンスが生まれてくることを教えてやった。

「キュー!」

「ヤヤ!」

「あい!」

話が難しすぎるかと思ったんだが、全員理解できたらしい。まあ、元々知識としてはあるってことなのかもしれんが。

「キュー?」

「ヤー?」

「そうだ、今アイテムを選んでるんだよ」

右肩にリック、左肩にファウが乗ってきた。やはり自分たちの卵から生まれたものに対しては興味があるんだろうか?

「2人はなにか希望はあるのか? このアイテムを使ってほしいとか?」

そう聞いてみたんだが、リックもファウも首を横に振っていた。こだわりはないらしい。

「となると、やっぱり数値的なものを優先して選んでいくか」

いくつものアイテムを選択しては解除、選択しては解除を繰り返していくうちに、段々と理解できてきた。

まず、レア度が高いアイテムや、品質が良いアイテムの方が、格、潜在、種別の値が高い。そして、1つのアイテムに含まれる種別は最大で3つまでであるようだった。

そして、使用するアイテムの候補を決めていく。とりあえず第一候補は、アンドラスの素材である。特にレア素材だろう。

アンドラスの魔眼は、格5、潜在3、鳥7、悪魔4、氷結5。アンドラスの剛嘴は、格5、潜在2、鳥7、悪魔5、貫通5だった。

格5というのは、他にない数値だ。さすがレイドボス素材。

次いで数値に優れていたのが、妖怪ハナミアラシ戦で入手したハナミアラシの怒りである。

格4、潜在5、樹木6、酩酊5、妖魔5という値だった。格、潜在も高い。

アンドラスの魔眼と、ハナミアラシの怒りは決定でいいかな? そう思いつつもさらに検証を重ねると、あるアイテムで重要な事実を知ることになる。

それは、種別の重なるアイテムを同時に選択したら、何かボーナスが付かないかと思い、色々と選択している時のことだ。

「え、これってマジか」

ハナミアラシの怒り、樹精の霊木、トレントの柔木というアイテムを同時に選んでみると、種別の項目に変化があったのだ。

格8、潜在9、酩酊5、妖魔5、精霊2、睡眠1まではいい。だが、樹木14の項目だけ、14という数値の横に、★マークが付いていた。

「樹木の数値が10を超えたからか?」

どうやら、特別な効果が期待できるようだ。もしくは、★マークが付いていなければ反映されないと言うことだろうか?

「やっぱり、同一種別を持つ素材を選ぶべきだな! ほ、他にも試してみよう」

そうしてたどり着いたのが、アンドラスの魔眼、ウィンドファルコンの風核、ガルーダの卵の3つであった。

アンドラスの魔眼が格5、潜在3、鳥7、悪魔4、氷結5。

ウィンドファルコンの風核が、格2、潜在3、鳥5、風4、貫通3。

この2つはいい。少し特殊なのがガルーダの卵であった。格3、潜在4、鳥5までは普通である。

問題は、種別倍化という不思議な項目だった。これは、ガルーダの卵を選択した際に、他の素材のもつ種別の値を1つ選び、その数値を倍加できるというものだったのだ。

制限としては、ガルーダの卵がすでに所持している鳥の種別は選択できなかったが、他はどれを選んでも自由だった。そこで、倍加すると10に届く氷結を選んでみると、見事に★が1つ付いてくれたのだ。

最終結果はこんな感じである。

格10、潜在10、鳥17★★、悪魔4、氷結10★、風4、貫通3

いやー、面白かった。TRPGのキャラメイクを思い出したね。格と潜在は10を超えても★は付かないようだが、種別は15で★★になるようだ。多分、20を超えると★★★になるんだろうな。

「樹木関係のモンスは間に合ってるし、やっぱここは飛行戦力だろ! ということでこれで決定だ! ポチッとな」

俺はドキドキしながら決定ボタンを押した。インベントリから選択したアイテムが失われ、光の球が案の定輝き出す。

「はっはっは! 毎度毎度、ムスカ大佐ごっこをする俺だと思うなよ運営め! もう、光ることは分かっているんだよ!」

目を閉じながら、俺はどんなモンスが誕生するのか夢想する。鳥であるのは確定だ。しかも、アンドラス、ガルーダと、ボス級の素材を投入しているのだ。予想では、猛禽系の戦闘もこなすモンスではないかと思っている。

もしかして、まじでガルーダあたりが来ちゃったり。MOBで登場するウィンドファルコンだったら少し残念だな。

「ペペン」

「?」

なんだ、今の気の抜ける変な音は?

ペタペタペタペタ。

え? なになに? このビーチサンダルでプールサイドを歩いてるような音は? モンスの足音?

「ペン?」

「……えっと?」

目を開くと、未分化の力が浮いていた場所には何もなかった。だが、分かっている。分かっているのだ。俺の足下に何かいるのは。

視界の端で、青い何かが動いている。

俺はゆっくりと視線を降ろした。

「ペン」

「ペ、ペンギンさんやぁ!」

そこにいたのは、紛れもなくペンギンであった。腹は白く、背中や首から上が青い。ただ、青一色の顔の中にあって、目の上だけが少しだけ白くなっている。

俺は、実はペンギンには少しうるさいのだ。いや、嘘です。ちょっと前に、このペンギンが出てくるドキュメンタリー映画を見たのだ。

多分、ジェンツーペンギンという奴だろう。まあ、リアルにいるのは白と黒で、こいつは白と青だが。

「た、確かに鳥だけど……」

「ペン」

「お前が、新しいモンス、なんだよな?」

「ペペン!」

ペンギンが、その通りとでも言っているかのように、右手をパタパタと動かした。うむ、可愛い。

もう飛行能力が~とか、戦闘力が~とか、どうでもいいや。

「可愛いから、なんでもいいよな!」

「ペン?」