軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

211話 オークション終了

軍資金を使い切ってしまった俺は、あとはもう完全なギャラリーモードである。様々なシークレットアイテムが落札されていく様をみているしかない。

「へー楽器か。好きな楽器に変形するって、面白いな」

次に出てきたのは、落札者が最初に願った姿に変形するという不思議な楽器だった。変形するのは1回だけらしいが、どの姿になっても高性能になるらしい。

まあ、楽器は何十種類もあるそうだからな。ヴァイオリンとか、トランペットとか、限定してしまうと演奏系の職業でも買えない人が出てきてしまうんだろう。

うちの場合、ファウの楽器は固定装備だから、買う必要はないので欲しくはならないけどね。

他には、耕した畑から一定期間雑草が生えなくなるクワとかも出品されていたが、これもそこまでは俺の興味は引かなかった。

だってハーブまで育たなくなるってことだし、いちいち畑によって使い分けるのも面倒だ。しかもクワとしての性能自体はそこまでよくなかった。シークレットアイテムの中では安めの、25万Gで落札されていく。最近のファーマーは皆ハーブを作ってるらしいからな。仕方ないだろう。

「この辺は職業用のアイテムか?」

ペインター、ミンストレル、ファーマーと続いてきている。その次は、レア度の低い魚だけを引き寄せるというルアーである。

どうやら非戦闘職の中でも、マイナー系の職業用のアイテムが続いているようだな。その後数品が落札され、次に出品されたのが、死霊使い用の封印石だ。

「こちら、怨霊の封印石となっております! 最初は15万Gから!」

封印石はその名の通り、中に死霊系モンスターが封印されている。使用すると、中に封じされているモンスターと契約を交わせるというアイテムなんだが……。

「あれ? ネクロマンサー用のモンス?」

この流れはもしかして……。俺が嫌な予感を抱えたまま見守っていると、怨霊の封印石はかなり安めの48万で落札された。まあ、ネクロマンサーはテイマー以上の不人気職らしいからね。人数も少ないんだろう。

その次はサモナー用の契約石が壇上に運ばれてくる。封印石と同じで、使用すればサモニングモンスターが手に入る道具だった。出品されたのは、骨戦士の契約石というアイテムだ。

やっぱり、魔獣使役系職業のゾーンに突入したらしい。

骨戦士の契約石は96万で落札されていった。サモナーは数も多いし、競合する人数も多いんだろう。さて、ネクロマンサー、サモナーと来て、次は――。

「やっぱりー!」

そして、次に出品された品物を見て、俺は思わず席から立ち上がってしまっていた。

「お次はこちら!」

「卵来たよ!」

そう。次に運ばれて来たシークレットアイテムは、従魔の卵だったのだ。なぜペイントツールを競り合っている時に、このことに思い至らなかった! 俺!

「毒腐人の卵! 最初は20万Gからです!」

いきなり20万から! くぅ……絶対強いじゃんか! ど、どうしよう……。軍資金は使い切ってしまったが、今後の為にお金はまだ残してある。だいたい60万Gほどだ。そっちを使えば……。

悩んでいる間にも値段が上昇していく。すでに40万だ。

「ええい! これに賭ける!」

俺は一気に60万で入札してやった。ハッタリだが、これでほかの奴らがビビッて――くれませんでした!

「70万! 77万!」

ガンガン値段が上昇していく。そして、最終的には106万で落札されたのだった。60万なんて通過点に過ぎなかったのだ。

「まじか……」

ペイントツールを買わなければ、手が届いたかも……。しばし頭を抱えてしまったが、過ぎてしまったものはどうにもならない。俺は落札された毒腐人の卵が運ばれて行くのを虚しく見送ることしかできなかった。

「はぁ、仕方ないか」

落札できなかったことをウジウジ悩んでいたって、つまらんしね。ここは前向きに行こう。ペイントツールで遊び倒すのだ! だからもう全然悔しくないもんね!

「はやく畑に戻って皆に癒されたい……」

そうやって悔しさを誤魔化しつつ、オークションを見守っていると、ようやく終わりの時間がやってきた。最後の方は何が出品されていたか全然覚えてないな。

このオークション、イベントの時のように時間の経過を操作しているようで、きっちり16時に転移場所に戻れるようだった。その時間調整のために、送還されるまでに数分の待ち時間がある。俺は会場の椅子に座って送還されるのをまっていたんだが……。

突如アナウンスが聞こえてきた。

『初回オークションにおいて、オークション会場で総計100万G以上の支払いをしたプレイヤーに「宵越しの金は持たない」の称号が与えられます』

え? なんか称号もらっちゃったんだけど。しかも宵越しの金は持たないって……。メチャクチャ良い称号ではなさそうだよな。いったいどんな称号だ?

確認してみたら、本当に名誉というか、遊び称号だった。効果は特になし。一応ボーナスポイント1、賞金1000Gは貰えたが……。まあ、こういう称号もありなのだろう。

しかし、これで8つ目か……。好き勝手やっているだけなのに、何故か増えて行くんだよな。謎だわ~。

「にしてもオークションはもう終わりか……」

失敗や反省することも多々あったが、まあ楽しめたかな?