軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

174話 トップテイマー

「じゃあ、私たち帰るから!」

「ありがとうございました! この恩はいずれ返します!」

「あ、うん。またな」

「待っててね私のノームちゃん!」

「今帰るから!」

オイレンとイワンに先を越されたアメリアたちであったが、その後なんとかノームをテイムできていた。

ただ、パーティメンバーにはすでにイワンたちのノームが加わっており、上限の6人となっている。そのせいで、アメリアとウルスラが新たにテイムしたノームは牧場に送られてしまっていた。

早く自分のノームに会いたいのだろう。アメリアたちはテイムを終えた直後に早々に探索を打ち切り、引き上げて行った。ホームオブジェクトも忘れずに購入し、満面の笑みで。

一時はどうなる事かと思ったが、最終的に皆が――というかアメリアとウルスラが笑顔で良かったぜ。イワンたちのノームを見る目がヤバかったからな。

「君らはどうする?」

「俺たちも引き上げます」

「モンスを連れてすぐに戻って来ると思いますけどね」

イワンとオイレンの主な目的はノームじゃなくて、ダンジョンで採れる素材や採取物の方だしね。イワンたちも探索の準備を整えると言って、去っていった。最後までペコペコと頭を下げながら。

帰り道でアメリアやウルスラの同類に出会わなければいいね。

「さてと……アメリアたちのおかげでまだほとんど消耗してないし、もう一回ダンジョンに行くか」

あの4人は俺よりも遥かに強かった。そのおかげで、ダンジョンを探索したというのに俺たちの消耗は相当少なく抑えられていたのだ。俺なんかMPがまだ半分以上残っている。

「皆も大丈夫だよな?」

「ムッム!」

オルトが皆を見回して、代表で敬礼してくれる。問題ない様だ。

「じゃあ、早速――」

なんて思っていたら、いきなり背後から声をかけられた。

「あのー」

「ひょっ!」

今までこの場所でNPCから声をかけられたことはないし、プレイヤーがいるとも思っていない。声をかけられるとは全く思っていなかったから、驚いてちょっと飛び上がっちまったぜ。あー恥ずかしい。

「はい? えっと、どちら様?」

声をかけてきたのは、弓を背負った金髪のエルフ美少女だった。チューブトップの上に小さめのジャケットを羽織り、下はキュロットだ。ベージュを基調としたパンツルックが非常に似合っている。

マーカーは青い。プレイヤーだな。誰だ? どこかで見たことがある気がするのだが、思い出せない。初対面だろうか? もしかしてイベントか何かで一緒だったりしたか?

どうやらこの少女もテイマーの様で、複数のモンスを連れている。でも、テイマーだったら尚更覚えていると思うんだよな……。

「どこかで会ったことがあるか? いや、ナンパとかじゃないよ?」

「うん、会ったことあるよ! その時は大きな亀と、鷲のモンスを連れてたはずなんだけど。覚えてないかな?」

亀、鷲。亀と鷲?

「あ!」

何となく思い出してきたかもしれない。軽自動車くらいある陸亀と、立派な白頭鷲だ!

「名前は何だったか……」

「亀が小遊三で、鷲が先生だよ」

「そうだ! 思い出した。かなり前に、ギルドの前で会ったことがあるよな?」

「そうそう!」

「あの時は急いでたんで、自己紹介もせずに悪かったな」

「いいよいいよ。自分の個人情報が吹聴されたら、誰だって焦るもの」

良かった、怒ってはいないらしい。それに、俺の事情も知っているらしかった。

「それに、私も謝りたいなって思ってたんだ」

「え? なにを?」

「あの時、出会ったばかりなのにいきなり白銀の先駆者って呼んじゃったでしょ? まさか、称号の事を嫌がってるだなんて思わなくって。後で聞いて悪いことしたなーって思ってたんだ」

そうだったか? 俺ですら忘れているのに、律儀な奴だな。

「まあ、気にしないでくれよ。もう白銀って言われることに慣れちゃったからな。今さらだ」

「うん。ありがとう」

「俺はユート。最近は白銀さんなんて呼ばれることが多いな」

この少女が言う通り、以前は白銀さんと呼ばれるのが嫌だったんだが、最近はそう呼ばれることに慣れてしまったのだ。何せ会う人会う人がそう呼ぶし。

「知ってる。私はテイマーのアミミンです」

「え?」

その名前を聞いた瞬間、俺は驚きのあまり固まってしまった。だってアミミンさんだぞ? 超有名プレイヤーで、トップテイマーの。彼女が作ったモンスターのまとめページは、全テイマーのバイブルである。

「アミミンさん?」

「はい」

「……え?」

「あのー。どうしたの?」

「…………っ! す、すいません。驚きのあまり。アミミンさんて、あのアミミンさんですよね?」

「どのかは分からないけど……」

「βテスターで、まとめページを作った、トップテイマーのアミミンさん?」

「トップなんて言われると恥ずかしいけど。一応そのアミミンは私の事だと思うよ?」

「す、すげー! 超有名人に出会っちゃったよ! いつもページ拝見してます!」

これだけ有名なトッププレイヤーに出会ったのは初めてじゃないか? いや、アリッサさんやアシハナは有名らしいが、実感わかないのだ。だが、アミミンさんは違う。ゲーム開始前から有名だった人だしね。

「ありがとう。私も掲示板で白銀さんの情報はチェックしてるんだ。こっちこそ、こんなところで有名人に会えてうれしいよ」

ま、まじで俺の事知ってくれているのか? 初めて白銀の先駆者の称号をゲットして良かったと思ったぞ!

「何言ってるんですか! そっちの方が全然有名ですよ! 俺なんて、ちょっと変なプレイしてる不名誉称号持ちってだけですから!」

「私だって、ちょっと長くプレイしてるだけの普通のテイマーだから」

「いやいや」

「いえいえ」