軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

152話 売れ過ぎちゃって

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今日からは畑を2つ世話しなくてはならない。色々と忙しくなるぞー。

まずは第3エリアである東の町に購入した畑からだ。始まりの町との目立った違いはなく、順調に育っているようだな。

「おお、浄化の泉もきっちり仕事してるな」

泉の水を指定してインベントリに収納を選択すると、自動で浄化水×50がインベントリに加わった。これで調合が色々と楽になるだろう。ルフレが水遊びをする影響はないらしい。よかったよかった。

その後、醸造樽に魔力を流し、オルト達と一緒に畑仕事で汗を流した。

第3の町が終われば、次は始まりの町だ。ただ、所持金が足りていない。というか、現在の所持金は6G。これでは何もできない。

まあ、東の町の畑で穫れた収穫物でポーションを調合して売れば、俺とオルト、サクラが転移する分は稼げると思う。

「あ、そうだ。無人販売所はどうなってるかね?」

少しは売れていてくれたら、転移陣が使えるんだけど……。

「ひえぇ?」

無人販売所の売り上げを確認したら、驚きのあまり変な悲鳴を上げてしまったぜ。なんと、46500Gも入金されていたのだ。驚いてログを確認すると、料理が凄まじい勢いで売れていた。俺がログアウトした1時間後には全て売り切れてしまったらしい。その後補充された木工品も全部売れている。

「ええ? なんだこの現象?」

雇ったNPCのお姉さん、サリー(27)さんに話を聞く。

「あの、渡していた料理はどうなりました?」

「はい、全て売り切れました」

「まじっすか……」

「次のお仕事は如何なさいますか?」

ギルドで雇用可能なNPCは、受け答えが少々機械的だ。会話が出来ない訳じゃないんだが、どこかぎこちない。AIの性能があまりよくはないのだろう。まあ、無駄話されるよりもいいけどね。

「えーっと、どうしよう……」

やることはないんだが……。草むしりでもしてもらうか。

「じゃあ契約時間がくるまで、雑草を抜いて、アイテムボックスに入れておいてくれますか?」

「かしこまりました」

これだけ収入があったわけだし、ポーション類は少し売る量を控えようと思う。水霊の試練で大量に消費するからな。あまり使わない奴だけ売るつもりだ。

料理が謎の爆売れをしたので、資金に少し余裕も出来た。14000Gあれば全員で始まりの町に戻れるので――。

「つまり、32000G分は買い物ができるってことだ」

俺は始まりの町に戻る前に、昨日泣く泣く買う事を諦めたアイテムを買い揃えてしまう事にした。

魔道具屋でそれぞれ10000Gする土鉱石製のクワと、水鉱石製のジョウロを入手する。農業にボーナスが入る効果があるからな。絶対に欲しかったのだ。

さらに、ダンジョンから入り口に脱出できる使い捨てアイテム『脱出の玉』と、通常戦闘から離脱できる『逃走の玉』も購入した。脱出の玉が5000G、逃走の玉が2000Gだ。

その次に、黒ジャガイモと紅葡萄を3つずつ購入する。種と苗は昨日購入してすでに植えてあるが、料理に使う用の物はまだ手に入れてなかったのだ。色々と料理にしてみたい。

「これで残り15500Gか……。やべー、ちょっと浪費癖がついちゃったかも。少し気を引き締めないといかんね」

買い物を終えた俺は、また木工食器類を登録しておく。何も売らないのはもったいないしね。

「これで東の町でやらなきゃいけないことは終わったかな」

俺はうちの子たちを連れて始まりの町へと転移した。本当に一瞬で、始まりの町の広場へと転移できるんだな。見覚えのある、始まりの町の広場である。

「じゃあ、また頼むぞ」

「ムム!」

「――♪」

今日からは毎日の仕事量が2倍だが、オルト達は嫌な顔もせず畑に駆けて行った。むしろすっごく良い笑顔だ。畑仕事が好きなんだろう。

「キュー!」

「クマクマ!」

リックもクママも大張り切りで畑仕事をしてくれる。さらに、新加入のファウとルフレも、自分がやれることをやってくれていた。

「ヤー♪」

「フム~♪」

ファウは雑草抜き、ルフレは水魔術で水撒きだ。見ているとオルトがきっちりと指示を出していた。いやー、従魔が優秀だと俺が楽できていいね! というか、俺いるかね?

「アリッサさんのところに行こう……」

俺は畑をみんなに任せて、アリッサさんの露店に情報を売りに行くことにした。カツカツだから、少しでも現金が欲しいのだ。

だが、広場のいつもの場所に、アリッサさんの露店はなかった。最近、居ないことが結構あるんだよな。リストを確認してみるとログアウト中みたいだ。最初に確認しとけばよかったよ。まあ、仕方ないな。俺みたいに廃人プレイ中じゃなければ、毎日ずっとログインし続けるのは無理だしね。

「仕方ない。戻ろう」

大人しく畑に戻り、俺は調合と料理を済ませることにした。オルトに断りを入れて、ファウとルフレに手伝いを頼む。

「いいか?」

「ム!」

良かった、オルト先輩の許可が出た。

「……」

「ム?」

オルトの顔色を窺う俺。どうなのよ? いや、オルトさんのおかげで色々と助かってますから。そこは従魔と言えど、気を使わないとね!

「じゃあ、2人を借りて行くな」

「ムッムー」

とりあえずハーブティーから作ろうかな。無人販売所で少し売りたいし。すると、ファウが乾燥を使ってハーブティーの茶葉を作ったではないか! どうも、レベルが上がったことで錬金も上達したらしい。

「よしよし。じゃあ、ファウはこのハーブをどんどん乾燥させていってくれ」

「ヤー♪」

いやー、ハーブティーの茶葉作りがこれで楽になるな。ファウに任せられるなら大量生産して、無人販売所においても良い。最近は色々なところでプレイヤーメイドの茶葉が売られているし、前みたいな騒ぎにはならないだろ。

「じゃあ、ルフレは俺と調合だ。これを混ぜることは出来るか?」

「フム~♪」

おお、傷薬の作製は楽勝みたいだ。ルフレが一生懸命調合をしている姿は中々ほっこりする。次に下級ポーションを作ってもらう。こっちも行けるようだ。しかも俺が作るのと同じ品質である。

べ、別に悔しくなんかないんだからね! いやマジで。むしろ、これでルフレに色々と調合を任せられるし、作業時間の短縮になるだろう。

ファウたちと作業をしていたら、調合スキルが20になって、混合というアーツを得た。これは素材同士を混ぜ合わせてくれるアーツみたいだな。擂り粉木が必要なくなった。同時に錬金のレベルも20になったんだけど、こっちではアーツを覚えなかった。残念。その代わりにいくつかレシピが解放されたね。今は材料がないから作れないけど。

その後、作ったポーション類はソーヤ君の店に売りに行った。今日はたまたま始まりの町に来ていたらしいが、最近は第5エリアで活動しているらしい。いやー、俺もだけどみんな少しずつ進んでるようだ。

「じゃあ、これね」

「はい。ありがとうございます。そう言えば、また掲示板で話題になってましたけど、大丈夫ですか?」

「え? どういうこと?」

「白銀さんの無人販売所で、また凄い物を売ってたって……」

「適当に料理を売っただけなんだが……」

どうやら10人くらいのプレイヤーが買い占めてくれたようだ。俺的には有り難いんだけど、他のプレイヤーからはズルいと突き上げを食らっていたらしい。

「それと、新しい従魔を連れてたっていう目撃情報も載ってますね。白銀さんがまた可愛い人型従魔をゲットしたって、もう相当広まってますよ」

「あー」

まあそっちは覚悟してたから仕方ないな。俺だって他のテイマーが可愛い従魔を連れてたら気になるしね。

「とりあえず無人販売所で料理に購入制限を付けるか……」

「そうしたほうがいいですよ」