軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

988.最深部へ向かいますっ!

「みんなーっ!」

50人にも及ぶ世界維持機構の攻勢を破り、集合した8人。

さっそくメイは尻尾をブンブンさせながら、アーリィたちのもとへ。

「メイちゃん!」

メイとアーリィは互いの手を取ると、そのままピョンピョンと飛び跳ねる。

「なんかバニーが2人になってたよね? びっくりしちゃった!」

「ダブルバニーちゃん、さいっこーだったでしょ?」

そう言ってバニーも、メイの背中に飛びついてみせた。

「やはり、メイたちとの共闘は最高に楽しいな」

「この高揚感は、なかなか味わえないにゃん」

新高火力スキルの間を駆け抜けて追撃を叩き込みに向かったと思ったら、一転ヒヨコを繰り出すツバメ。

誤射の魔法スキルを吸い込み、吐き出し当てるという予想外の機転を見せたまもり。

集まった8人はエルラトの時のように、ハイタッチで勝利を喜び合う。

「元攻略組についてはずっと気になってたから、間に合って本当によかったぁ。たくさんの追従プレイヤーが道を教えてくれたんだよ!」

「どうやらすっかり、メイたちを中心に最後の門を目指すという流れができているようだな」

これにはアーリィ、夜琉も笑顔だ。

一方元攻略組の面々は、倒れ伏したままつぶやく。

「……50人がかりでも退けられるとは。かつて攻略組としてエルラトを目指した時の力を、大きく超えている」

「まさか我らの強化を、上回るほどの力をつけているなんてな……」

「野生児だけではなく、闇を超える者、暗躍のアサシン、イージスまで。群を抜いた力量だ。たった8人でエルラトを攻略してもおかしくない……」

2人のバニーのシンクロ攻撃に、北欧神話攻勢。

メイたちの驚異的な強さと繰り出す連携に、驚きを隠せずにいるようだ。

「だが、我らが倒れたとて希望が潰えたわけではない……欲深き者たちの蛮行は、必ずや管理者が止めてくれるだろう」

「門に触れぬことだけが、世界を守るたった一つの方法だ。その事を忘れるな」

そう言い残して、消えていく元攻略組の面々。

世界維持機構から受けたクエストである『特定冒険者たちの打倒』に失敗したことで、一つ区切りがついたのだろう。

するとアサシンたちが消えた後に、一つのスキルブックが残った。

どうやらメイたちにとっても、ここで勝利することが、大きな一つのクエストになっていたようだ。

「ほらほらー、早く開けてみなよーっ」

そう言って、メイたちがスキルブックを開くのを期待するバニー。

「私たちがもらっていいの?」

「もちろんだよ。私たちはテラ・レックスへのリベンジをさせてもらった上に、今回攻略組との決着にまで参加させてもらったんだから」

「元攻略組がどのような形で世界維持機構に与したかも、知ることができたからな」

「それに、ここにきている皆がメイたちの応援をしてるにゃん。この戦いはメイたちが中心なんだにゃん」

そんなアーリィの言葉に、代表してメイがスキルブックを開けてみる。

即座に顔を寄せ合い中身を確認する姿は、戦いを共にした者たちならではだ。

【分身Ⅲ】:大量の虚像を生み出し、敵を翻弄する。

「ツ、ツバメさんの分身が、ズラっと現れる形になるんですね……!」

「わあ! これは楽しみかもっ!」

見た目にも派手になりそうなレベルアップに、早くもワクワクしてしまうメイたち。

「頭にヒヨコちゃんを乗せているのが、本体です」

「本物を教えてどうするのよ。紛れて戦いなさいよ」

相変わらずのツバメに、皆笑う。

するとそこに、付近の攻略に回っていたプレイヤーたちのパーティがやって来るのが見えた。

「ここに来るまでにも、たくさんのパーティがこの場所に向かおうとする機械たちと戦ってたし、すごく助けられたね」

「この空間に、敵が集まるよーになってたんだろうね」

「ありがとうございますっ!」

アーリィたちと連携で戦えたのは、ダンジョン内に散らばり道案内をしてくれた、プレイヤーたちのおかげだ。

メイはバニーたちと共に、ぺこりと頭を下げる。

「次のポイントはここだな! 情報の伝達は任せてくれ!」

「大きな戦いになりそうだし、また邪魔になりそうな魔物たちが出て来た時は俺たちが止めておくよ!」

こうして再び始まる、ルート情報の共有。

「それじゃあ私たちは、管理者を追いかけましょうか」

管理者が先行した際に使った紋様は、転移のもの。

レンは後を追ってきたプレイヤーたちに、進む先を伝えるようにしながら転移方陣に乗る。

するとすぐに、転移の光に包まれた。

「わあ……!」

転移方陣の輝きが消えると、たどり着いたのは広大な洞窟の中。

砂色のブロックで覆われたその空間には、四角い石造りの建物が綺麗に並んでいる。

そしてブロックの隙間から入り込んだ大量の枝葉に、浸食されている状態だ。

木の根のように伸びた太い枝についた葉が、各所に鮮やかな緑を添えている。

そしてその最奥には、すっかり緑に包まれた二本の塔のようなものが見える。

「すごーい……!」

「エルラトやナディカの門より、さらに大きいわね」

「本当だねぇ」

「こ、ここが旧文明を滅ぼした異世界の魔物を呼び寄せた、ゼティアの門なんですね……っ」

すっかり枝葉に飲み込まれたゼティアの門は、古代の遺跡というよりは、置き去りにされ植物に飲まれた兵器のような趣がある。

小さな白い花が咲き、うごめく小さな爬虫類や鳥の姿も見えている。

その神秘的な光景には、追従組も息を飲む。

草木に浸食された遺跡の街、メイたちはゼティアの門を目指して歩き出した。