軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

401.新たな情報です!

「……大悪魔の召喚。まさかこんなことになってしまうなんて」

結社『ダークブラッド』代表の黒髪少女は、そう言って息をついた。

「ありがとうございます。貴方たちの卓越した力がなければ、危ないところでした」

「ま、まあ、これからは気を付けて」

自分も同じようなことをしていたレン、複雑な表情で代表少女を見る。

「はい。この反省を活かし、これからは……もっと危険度の低い召喚を行います」

「召喚自体をやめなさいよ」

「これ……クインフォードの新しい名物クエストになりそう……っ」

呆れるレンに対して、メルーナは目を輝かせる。

どうやら魔法陣はこの場に残り、儀式自体は今後も行われていくようだ。

演出の派手な召喚儀式は、間違いなく新たなアトラクション的クエストとしても人気になるだろう。

「今後は何を供えるか、魔力値はどうかで意外なものが召喚されたりするのかしらね」

「それもまた、色々試しがいがありそうですねぇ」

メイたちの攻略によって、どうやら新たなクエストも始まりそうだ。

そして『供えるアイテム』で結果が変わるのなら、やれることは膨大になる。

「ベルゼブブのクエスト発見、攻略、さらに新たに研究するべきクエストまで……ありがてえな!」

「これがメイちゃんパーティ……これが……闇の使徒!」

「闇の使徒はもう引退しているの!」

早くも召喚早見表を作りたくなってる魔法学校住人たちは、メラメラと目を燃やし始めた。

「停止させた守衛型ガーゴイルがここを巡回していたのは、危険な召喚を行わないようにするためだったのですね」

結社代表の黒髪少女は、そう言って息をつく。

「……ちょっと待って。ガーゴイルを停止させたって、どうやって?」

「ええと、ガーゴイル像は別の場所に核となる『結晶石』があるんです。それを割れば、対応するガーゴイルを止めることができます」

「……レンさん」

ツバメとレンは、自然とうなずき合う。

「これは大きなヒントー!」

「どういうこと?」

メイは首と尻尾を傾げる。

「ガーゴイル像は攻撃が効かなくて『倒せない』敵っていう感じだったでしょう? そしてあの獅子の化物も攻撃が効かないから倒せない……それも別の場所に核があるからだって考えられない?」

「おおーっ! 確かにそうかもしれないね!」

「それで、その対応する結晶石はどうやって見つけたの?」

「そのガーゴイルが動き回っている間は、結晶石も強く輝いているから見つけやすくなります」

「なるほどね」

「ガーゴイル像たちの核になってる結晶石は各所に隠されていますが、多くはアイテム塔にあります。ガーゴイル自体が錬金術教授の作ったものだからでしょう」

「ここで行方不明の錬金術教授が絡んでくるのですね」

「あの化物を動かしてるものが見つかるかもしれないわ」

「ただ、結晶石も全て同じ場所に集まっているわけではありません。個体によって置かれている場所が違う様です」

「いい情報がもらえたわね」

「それと、アイテム塔7階の倉庫にある『呼び寄せの木箱』に行ってみてください。一度だけ、そのパーティに必要なものが現れるという不思議な箱です。きっと皆さんの役に立つものが出てくるでしょう」

「なるほどね、まずはとにかく行ってみましょうか」

「りょうかいですっ!」

強い、可愛い、新クエスト。

すっかりメイたちに夢中の魔法学校住人を引き連れて四人が進んだ先は、魔法学校の玄関である中央塔の右隣にある魔法アイテム塔。

むき出しの石壁に木造のテーブルなどが並ぶ、質実剛健とした雰囲気のホールだ。

それはどこか、古い西洋の酒場を思い出させる。

「……あれ?」

メルーナの先導で、錬金術教授の研究室へ向かう四人と魔法学校住人たち。

そんな中メイが、見覚えのある少女を見つけて足を止める。

暗いホールの中でも【遠視】と【夜目】持つメイは、違和感を見逃さない。

「メルーナちゃん。お嬢様たちって、この時間はいつもアイテム塔にいるの?」

「いないー。ランダムで学生寮塔ラウンジに三人そろっているところが見られるくらいー」

「あの子たちって、青バラちゃんの隣にいた子たちだよね?」

「……本当だー、あの二人だけっていうのは本当にめずらしい……!」

普段いないNPCがいる。

ここにも漂う、何かが起こりそうな気配。

次々に起きるまだ見ぬ展開に、メルーナはメイと共に小走りでお嬢様たちのところへ。

果たして今度は、どんな嫌味で小バカにしてくるのか。

魔法学校住人もそんなことを考えながらメイたちに続く。すると。

「貴方たちは……」

意外なことに茶髪ショートのお嬢様も、銀髪ロングのお嬢様も、神妙な表情をしていた。

「どうかしたの?」

レンがたずねると、相手が青バラ攻略パーティであることに気づいたお嬢様たちは心配そうに口を開く。

「実は、リリーネ様の姿が見えなくなってしまったんです」

「青バラちゃんが、いなくなったのですかぁ……?」

これには魔法学校住人たちも、ざわつき出す。

「どこを探してもいないんです……こんなこと今までなかったので心配で……」

「……これは獅子の化物退治に絡む話? それとも別口? どっちなのかしら……」

あの生意気で勝ち気な、魔法学校を代表する人物の一人。

青バラのリリーネ・グレイシアが突然いなくなったという情報。

予想外の展開に、レンは考え始める。

「おい! 本当にいないらしいぞ! 学生寮塔の指定席も空っぽらしい」

「今日の昼間はいつものラウンジで見たから、その後何かが始まった感じか……?」

すると確認に動いていた魔法学校住人たちが、報告にやってきた。

「一体なにがー、始まってるんだろう……」

「なんだかドキドキしてきちゃうね!」

「本当です……っ」

魔法学校を代表する生徒の失踪。

メルーナはいよいよ、ドキドキでメイとツバメの腕を強く握り締めた。