軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

325.地上へと至る道!

怪盗と共に金毛羊を救い出し、バジリスクも救出したメイ。

「さて、この子も助けたし次は地下からの脱出だね」

右に羊、左にバジリスク。

怪盗と共に先へと進むメイがたどり着いたのは、配管地獄のただ中。

張り付けられた鉄板に怪盗が【アンロック】を使う。

どうやらそこは扉だったらしく、鉄板が外れ落ちた。

そのまま坂道状の配管内を進む二人。

ここは怪盗と共にたどり着かないと、開かない道のようだ。

「これで配管地帯は、かなり通りやすくなったと思うよ」

配管の区画は二つあり、この道がつながっていないために多くのプレイヤーが遠回りを強いられ、道に迷うことになる。

だが区画間をつなぐ道ができたことで、同じ場所を何周もする必要がなくなった。

「メイ!」

「メイさん!」

「みんなーっ!」

そして進んだ先は、分断させられたパーティの合流地点になっていたようだ。

レンやツバメを見つけるや否や、笑顔で駆け出すメイ。

そのまま二人に抱き着いた。

「……おい、こんな道あったか?」

「見ろ! ここショートカットになってるぞ!」

地下を迷っていたパーティや、従魔を助けて帰還途中だったパーティも、新たな配管路を見つけて集まってくる。

「あっ! メイちゃん!」

「はいっ! メイですっ!」

その中には、地下進入時に分かれた従魔士パーティの姿もあった。

「王の子の救出に成功したんだな。あとは無事地上に戻れれば、王都の隠しクエストもクリアか」

「オレたちも結構、動物を開放してきたぜ」

「もうこの付近の魔獣や動物は、あらかた助けられたと思います!」

賑やかなメイたちの声。

それに引かれるように王都地下を戦い抜いてきた者たちが集まり、自然と大きなパーティのようになった。

「配管の出入り口付近まで来たということは、あと少しね」

「地上に戻れるのですね」

ここから続く道は、入ってきた時に通ったものとは違うルート。

道幅は広く、天井もそれなりに高い。

あとはここを進むだけだ。しかし。

「っ!」

メイと王の子が、同時に何かを聞きつける。

メイたちの前に現れたのは、元老院兵と王都兵の集団。

その数は、数百に及ぶ。

「いたぞ! 侵入者だ!」

先頭の元老院兵長が声を張り上げた。

すると様々な武器を持った兵士たちが続々と、地下に流れ込んでくる。

「あの緑の耳の魔獣を取り戻せ! これは元老院直々の命令だ!」

「……なるほど、ここからは物量で攻めてくるのね」

王の子目がけて一斉に動き出す、王都兵たち。

「【フリーズブラスト】!」

レンは正面から駆け込んでくる一団に、先手を叩き込む。

「俺たちも行くぞ! 【剣閃疾駆】!」

「いけサラマンダー! 【喰らい付き】だ!」

続く同行組の攻撃で、さらに敵兵士たちを片付けていく。

すると王都兵は、宝珠で魔獣を召喚。

現れたケルベロスが、炎のブレスでけん制してくる。

「くっ、魔獣も混ぜてくるのかよ!」

「気を付けてください! この魔獣たち、HPを削ることで『正気を取り戻す』タイプです!」

「やっかいだなオイ!」

それを聞いたレンたちは、範囲攻撃から単体狙いの攻撃に切り替える。

「【装備変更】! 【バンビステップ】からの――【キャットパンチ】!」

「【連続魔法】【ファイアボルト】!」

青い炎のキャットパンチで、メイは王都兵を次々ノックダウン。

レンも早い魔法攻撃でHPを削り、それを見た同行パーティがとどめを刺すという連携で、敵を減らしていく。

新たに合流した面々も、地下で生き残ってきただけあり見事な戦いぶりを披露。

王の子を守りつつ道を切り開いていく。しかし。

「いたぞ! 王の子を取り戻せ!」

減った以上の王都兵が、新たになだれ込んできた。

「……これ、キリがないぞ」

「メイちゃんたちには、思い切って先行してもらった方がいいかもな」

うなずき合う、同行組の面々。

見れば後衛組のさらに後方からも、王都兵たちが取り囲みに来ている。

「メイちゃんたちは王の子を連れて先に進んでくれ! 魔獣を助けながらこの数を相手にするのは、手間がかかりすぎる!」

「おねがいしますっ!」

メイは王の子を抱きかかえて走り出し、レンやツバメもそれに続く。

「久しぶりですね。メイさんが抱えて進む感じ」

ジャングルで子グマを抱えて進んだ時のことを思いだして、笑みを浮かべるツバメ。

そこに王都兵たちが、雷光槍で襲い掛かってきた。

「【紫電】!」

集まってきた王都兵たちを、まとめて止める。

メイはその隙間を駆け抜け、飛び掛かって来た魔獣には――。

「がおおおおおお――――っ!」

【雄たけび】で動きを止めて回避。

そのまま地上目指して、一気に道を駆けていく。

「ッ!!」

そこに現れたのは、道の角に隠れていた王都兵。

いやらしい不意打ちは、王の子を狙った雷光槍による突撃だ。

「高速魔法【フレアアロー】!」

「ありがとうレンちゃん!」

レーザーのような高速直線魔法が、迫る王都兵を吹き飛ばす。

だが、これでも増援は止まらない。

大量の王都兵が、魔獣を引き連れてやって来た。

「本当に、無限にわいてくるわね……っ」

まとめて倒すことは難しくないが、それでは魔獣もまとめて倒してしまうことになる。

できることなら、したくない判断。

どうしたものかとレンが悩んでいると――。

「「「間に合ったあああー!」」」

遅れてやって来た一団が、王都兵たちに向かって攻撃を放つ。

「【烈火剣】!」

「【雪月烈花】!」

炎の剣がうなり、氷の花びらが舞い踊る。

「【雷光槍】!」

その合間を縫って特攻して来た兵士には、スライムが壁になり【硬化】。

その硬度の前に、攻撃はガツンと音を立てて弾き飛ばされた。

「魔獣はHPを削って正気に戻しつつ、王都兵は潰す! いくぞ!!」

「「「了解っ!」」」

乱入してきた掲示板組は、王都兵たちを見事に分断させたところで一斉に振り返る。そして。

「「「ここは俺に任せて先に行けっ!」」」

全員、ばっちりカッコつけながら同じことを言った。

これを見たメイは、素直に気合を入れる。

「ありがとうございますっ! 【バンビステップ】!」

メイはスライムにも「ありがとう」と、ほほ笑んで駆け出した。

掲示板組の登場で分断された王都兵たち。

華麗な足さばきでその隙間を走り、雷光槍も魔法スキルも回避。

「【連続投擲】」

迫ってきた来た兵士たちは、ツバメの放つブレードが打ち倒す。

「【魔力蝶】【フレアバースト】」

さらにレンを追うように舞う四匹の蝶が、近づいて来る者たちを撃ち倒す。

三人はそのまま、一気に道の最奥へと駆け抜けていく。

奥の石壁には、彫り込まれた紋様。

その真ん中に、差し込むカギが必要のようだ。

「カギ!? もしかして王都兵の中に持ってるヤツがいるパターン!?」

「ま、ま、まさか……ススススティールでは……っ」

ツバメが白目をむいた瞬間、三人のもとに一人の少女が現れる。

「お待たせ! 【アンロック】!」

ここで怪盗を助けたことによる恩恵が与えられる。

スキル発動と同時に、石壁がゆっくりと左右に割れ始めた。

カギ持ちの兵長を探さなくともよし。

見えたのは地上へと続く階段。

そこを、ゆっくりと降りてきたのは――。

「……セナトの後衛職。そんなところかしら」

レンの予想はここでも当たる。

黒のローブを身にまとったセナトの一員が、大きな杖を掲げて立ちはだかった。