軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

1471.橋を守る戦い!

巨鳥ウェザガリアが降らせる強烈な雨。

「来るよっ!」

視界を遮るレベルの雨の中、猛烈な勢いで【特攻】を仕掛けてくる。

「【加速】!」

「【加速】ですな!」

その巨体による特攻を、飛沫をあげて駆けることでかわす。

すると直後に、ウェザガリアが起こす猛烈な雷光。

【豪雷】が再び幾筋もの激しい雷を落とし、水のたまった地を駆ける。

ランダム色の強い攻撃に、今度は全員がしっかりと防御で対応。

プレイヤーの足を止めたところで放つのは、【煽り風】だ。

「「「っ!」」」

強烈な風による体勢崩しだけでなく、飛沫が視界を奪うのがいやらしい。

「あれは……! 【低空高速飛行】っ!」

レンは慌てて最高速の飛行で【烈風破】を回避する。

直撃すれば急流に一直線の可能性もある暴風スキルは、やはり恐ろしい。

「【ラビットジャンプ】!」

続けざまの攻撃に、メイも慌ててジャンプしてかわす。

「風が集まってるのですな!」

叫んだのはなーにゃ。

ウェザガリアの付近に渦巻く風が、雨の軌道で目視できる。

「来ますよ!」

シオールの声の直後に放たれたのは、【ストーム・エクスプロード】

「【かばう】【不動】【コンティニューガード】【天雲の盾】!」

盛大な爆発音と共に吹き荒れる、異常な威力の暴風。

まもりが盾で、レンとローチェを守るように立つ。

「「「ッ!?」」」

それはダメージこそ普通の上級魔法くらいだが、弾き飛ばされ方が異常だった。

「うわわわわわわ――――っ!?」

止まらない。

地面をとんでもない勢いで転がっていくメイは、そのまま急流へ。

「…………っ!」

両足に力を込めてブレーキを駆けると、崖の縁スレスレに制止。

そのまま落ちそうになってしまう身体を、ブンブンと両手を後ろに回すことでブレーキ。

「セーフ……!」

思わぬ危機だったが、それでもちょっと楽しそうに笑ってみせた。

シオールも同様に地を転がったが、その方向は反対。

運良く近くの岩にぶつかり事なきを得る。しかし。

「スワローちゃん!」

なーにゃのドールはメイ同様直撃に近い形で風を受けて、一直線に急流へ跳ね転がっていく。

そしてそのまま、崖を飛び出した。

「【加速】【リブースト】っ!」

その瞬間、ツバメがその手をつかんだ。

ギリギリでの救出。

ツバメがそのまま引き上げると、スワローは表情を変えないまま「ナイス」と親指を上げてみせた。

「まるで鏡を見ているかのようです……」

雨の中でも独特な空気の二人。

こちらもちょっと楽しそうだ。

「レンちゃん! 死霊、いけちゃうよ!」

まもりの盾により、守られた二人は良くない流れを変えうる希望。

可愛くも力強いローチェの誘いに、レンが乗る。

「了解っ! よく見えなくても、範囲に収めさえすれば! 【フリーズブラスト】!」

続く大雨と吹き付ける風の影響で、目をあまり明けられない状況。

それでも【ヘクセンナハト】で放てば、効果範囲が広がる。

敵は迫る氷嵐を【風防】の使用で防ぐ。

だがレンの狙いはそもそも、このスキルを使わせて低い位置での滞空を続けさせることだ。

「おいで――――【神霊祖竜】」

敵の足元から巨大な頭部を突き出してきたのは、海竜並みの体躯を誇る霊竜。

並ぶ牙の恐ろしい大きな口蓋で、全てを飲み込みにかかる。

急速浮上はできず、風のバリアでは止められない。

霊竜の牙に食いつかれたウェザガリアは落ち、地に叩きつけられた。

「お待ちどうさまっ! メイちゃんの番だよーっ!」

言われてレンが振り返ると、そこには降りしきる雨の中で右手を掲げたメイ。

その姿は凛々しくすら見える。しかし。

「ぼべでは――――よろしくお願い申し上べますっ!」

雨のせいで、ちょっと言葉が変になってしまったのはご愛敬。

背後の召喚陣から飛び出してきた巨大なクジラは、雨降り注ぐ空を泳ぐようにして突撃。

まだ【神霊祖竜】の牙に喰らいつかれているウェザガリアに、直撃した。

「すごい……迫力だ……!」

「カッコいい……」

「さすがメイさんです……っ!」

巨鳥を大きな死霊の竜が喰らい、そこに巨大なクジラが激突。

高いダメージを巨鳥に叩き込んだ。

「ありがとーっ!」

手を振って、クジラと死霊の竜の帰還を見送るメイ。

弾ける大量の飛沫の中という稀有な状況もあり、ハウジング勢はただただ唖然とする。

うれしそうに駆け寄って来たローチェとハイタッチしたレンは並んで、メイに連携の成功を喜び合うサインを送った。

一方クジラの突撃を受けて弾き飛ばされた巨鳥は、慌てて空に戻っていく。そして。

「なんですか……! この雨量は!」

降り注ぐ雨の威力を、【豪雨】でさらに強化する。

「こんな威力、初めて見たよ……!」

これにはシオールも、驚きを隠せない。

「……何あれ」

それに気づいたのはレンだった。

稲光が、空の一か所に集まっていく。

「大技、来るわよっ!」

慌てて落下予想地点から距離を取るメイたち。

対してまもりは逆に、稲光の真下に向けて走り出す。そして。

【雷震槍】が放たれた。

何本もの雷を一つに集めて落としたかのような一撃は、凄まじい雷鳴と共に炸裂。

「【コンティニューガード】【天雲の盾】っ!」

落ちれば付近に雷撃が走るその攻撃を、避雷針まもりが受け取めた。

「まもりさんが、神々しいです……っ!!」

「すごーい!」

この大技を一人で止めるという奇跡を見せたまもりに、思わず盛り上がる。

だがその余波は大きく、誰もが足を止めていたことでウェザガリアはさらに【豪雨】時用のスキルを連発。

今度は一か所に集結した雨水が、巨大な水塊を生成。

【重塊烈雨】は、弾けて吹き荒れればダメージに加えて転倒を奪う、重い範囲攻撃だ。

「【インストール・シールド】!」

しかしここで、まもりも新スキルを発動。

「【錬金の盾】【コンティニューガード】【天雲の盾】!」

盾をその場に置くことで生み出した『堤防』には、防御スキルが添付したままとなる。

「み、皆さんこちらへ!」

盾の裏に駆け込めば即座に、水塊が炸裂して声も聞こえなくなるような衝突音が鳴り響く。

「安全地帯ですね……!」

「これはすごいですな!」

激烈な飛沫を見事にやり過ごして、安堵の息をつく面々。

「まだだよっ!」

しかし飛沫が落ち着いたところで、メイが強烈な『羽ばたき』を聞きつける。

「【不動】【地壁の盾】!」

手に取り直した盾に、新たにかけるスキル。

「「「っ!!」」」

直後、ウェザガリアの【特攻】が激突した。

ド派手な衝突音と、目前に迫る巨体の迫力は異常だが、まもりの盾は一ミリも動かない。

「いくよ!」

ここで動いたのはシオール。

「起きて【超合金メイス】!」

手にしたメイスを大型化して、力強く踏み込む。

「【振り降ろし】ぃぃぃぃーっ!」

誰よりも早く盾の庇護から抜け出したシオールの攻撃は、見事にヒット。

そのまま飛び去ろうとしていたウェザガリアが、大きく体勢を崩した。そして。

「逃がしませんっ!」

その首元の飾り羽を、メイがつかんだ。

「いきますっ!」

そのまま首を下にして、巨大なウェザガリアを持ち上げれば、誰もがその光景に圧倒される。

「【ワイルドバスター】だああああああ――――っ!」

「「「っ!!」」」

持ち上げたウェザガリアは、塔のように天を突く。

そのまま倒れ込むようにして地面に叩きつけると、地揺れと共に盛大な水飛沫が舞い上がった。

「「「おおおおおおおお――――っ!?」」」

その圧倒的な迫力に、降り続く雨すら忘れて熱狂するハウジング勢。

もちろんシオールも、満面の笑みだ。

「メイちゃん!」

「はいっ!」

「とってもワイルド!」

「うっ!」

憧れのお姉さんを地でいくシオールに言われて、受ける衝撃。

メイが白目をむいていると、ウェザガリアは翼を大きく振るって体勢を立て直す。そして。

ゆっくりと空に戻る。

すると、降り続いていた強烈な雨がわずかに弱まってきた。しかし。

「HPが減っていきます……」

「酸性の雨まで降らせるわけ……?」

やはりここは異世界。

ウェザガリアは恐ろしい環境攻撃を繰り出してきた。