軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

1435.さらに深部へ!

「ここは遺跡ではなく、モグラ……地底人アング族の住処だったみたいね」

「なんとか悪の地底人たちの野望を、防げるといいですね」

松明がまぶしくて、目を細めたままうなずく族長にちょっと笑う。

宝を持って駆け上がるクエストだが、ダグラン族の野望を阻止する流れも狙いたいところだ。

「ダグラン族、見つけられたら盛り上がるぽよ!」

「いやぁ、ドキドキするな……!」

時間制限は、あとどれくらいあるのか分からない状況。

見つけたミッションと、追って来る噴火の時。

板挟みになれば必然的に、気分は高揚してくる。

「それでは、ドンドン進みましょうっ!」

「「「おおーっ!」」」

隠されていた大きなミッション。

ドキドキしながら全員で、アング族の住処を抜けてさらに地下へ向かう。

その移動は、やはりルーン。

発動すると、足元の岩が割れて階段が現れた。

「いってきます!」

「くれぐれも気をつけるのですな」

見送るモグラ族長。

溶岩対策になっているのか、特殊な岩壁の区画を抜けて先へと進む一団。

再び光苔によって、道は明るさを取り戻した。

「……何か今までとは違う気配があるよ。動いてる」

早くも、何者かの存在に気づくメイ。

やや広い道に出たところで、その足音がいよいよ聞こえてきた。

「ダグラン族か!?」

「いや、違う!」

「こ、これは……っ!」

確実にこちらに向けて迫ってきている、慌ただしい足音。

やがてその姿が、明らかになり始める。

「「「アリだー!!」」」

現れたのは体長2メートルになろうかという大型のアリ。

勢いのままに、こちらに特攻してくる。

その大きさに見合わぬ速度には、さすがに一瞬たじろぐが――。

「【スリップ・フット】!」

ボクサーのようなフットワークで、先行したのは迷子。

「【ジェット・ナックル】!」

蒸気のようなエフェクトを放ちながら猛進し、アリに拳を叩きつけた。

しかし吹き飛ばされて転がった先には、すでに数匹の後続。

やっかいなのは、当然のように天井や壁を進んでくることだ。

「【連続魔法】【フリーズボルト】!」

「【三連射】【アイシクルエッジ】!」

レンに続く形で、後衛組が魔法攻撃を開始する。

しれっとレンの横に並ぶことで『右腕』感を演出し、気持ち良くなっている樹氷の魔女。

しかし真っ直ぐ来る個体は良くても、天井をやって来る個体は魔法の隙間を抜けてくる。

「うおおっ!?」

天井から落ちてきた個体の攻撃。

そのまま剣士をハサミで挟んで持ち上げると、地面に叩きつけた。

HPの減りも、侮れないレベルだ。

「【装備変更】【虎爪拳】!」

メイは剣を振らずに、【肉球グローブ】で素手の攻撃力を上げて拳打を使用。

一撃でアリを打倒してみせた。

「【三日月】【旋空】!」

ツバメも武器を【村雨】に換え、速い攻撃で続く。

「うわああああ――っ!!」

そんな中で、再びハサミにつかまれたのは掲示板組の槍使い。

「お、おいちょっと待て! 叩きつけじゃなくて持って行くつもりなのかッ!?」

なんとアリの攻撃は、プレイヤーの連れ去りだ。

それに気づいた掲示板組が、慌てて槍使いをつかむ。

「さすがに力強いぞ!」

だが三人がかりで引き留めても、止まらない。

槍使いは掲示板組をまとめて引きずっていく。

「この暗いダンジョンで、アリに持って行かれるの怖すぎるぅぅぅぅ――っ!」

「大丈夫です! 何度か経験あります!」

「何の足しにもならない情報だよ! 迷子ちゃん!」

「【砲弾跳躍】ぽよーっ!」

危機に気づいたスライムが、横からの突撃でアリを跳ね飛ばす。

するとハサミから、槍使いが解放された。

「あ、あぶねえ!」

「いや、まだだ!」

しかしこの隙を突き、壁から天井へと時計回りの移動で接近してきていた、新手のアリが着地。

再び攻撃を仕掛けてくる。

「【かばう】!」

そこに飛び込んできたのはまもり。

盾を突き出すと、アリのハサミがちょうどその左右を噛む形となった。

「っ!」

「大丈夫です! 僕の計算ではその位置での【シールドバッシュ】なら70%の可能性で崩落は起きません!」

「は、はひっ! 【シールドバッシュ】!」

放出される衝撃波が、洞窟内に風を吹かせる。

吹き飛ばされたアリはすさまじい勢いで転がり、そのまま視界から消失。

見事に戦線を離脱させた。

「盾子ちゃん! ありがとう!」

「助かったあ……!」

「計算君、ちょっと崩落で土かぶってない?」

「これは巻き上がった土です」

「いや、頭上ちょっと崩れてるじゃん」

「いいえ? あれは元からです」

軽い崩れと譲らない計算君に、笑う掲示板組とまもり。

「【稲妻】!」

「【キャットパンチ】だああああ――っ!!」

「これで一段落かしら」

刀による切り抜けと【狐火】を乗せた拳打で、さらにアリを片づけたメイとツバメ。

レンの言葉に、あらためて耳を澄ましてみる。

「まだまだ足音が聞こえるよ!」

「もしかすると、倒しても倒しても出てくる形かもしれないわね」

「それなら、進んでしまう方が良さそうですね」

これには掲示板組もうなずく。

噴火への時間稼ぎとして、無限湧きは十二分にあり得る。

相手にし過ぎてしまうと、時間を削られてしまうことになりかねない。

「進みましょう」

「了解ぽよっ!」

「貴方となら、どこまででも……!」

早い判断は正解。

時間稼ぎのマップを早々に抜けるため、メイたちは再び洞窟を駆け降りていく。