軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

1317.またまたウサギです!

小型宮殿のホールを占拠していた大ウサギを打倒したメイたち

五人は、続く道を進む。

「またウサギがいるよ」

ここで廊下は一度終わり、中庭を通って次の館に続く形になっているようだ。

その中庭から館へと入る出入り口の前に、一体のウサギが鎮座している。

片耳に飾り物のリングを通した個体だ。

「また敵のウサギかしら? あのサイズだとよほど速いか特殊な戦い方でもしない限り、敵じゃなさそうだけど……」

大型のボス級を打倒したばかりとあって、その様子を探るようにしながら進む五人。すると。

「一匹だけじゃない! もっといるよ!」

するとそこに、たくさんのウサギが一斉に駆け寄ってきた。

「……あれ?」

ただしその狙いはメイたちではなく、出入り口前のリング付きウサギ。

迫る小型ウサギの攻勢を、リングのウサギが迎え撃つ。

大きな跳躍から【嚙り付き】にくる凶暴な数羽のウサギを、強靭な跳躍で放つ体当たり【超速弾丸】で弾き飛ばす。

着地すると、そこを狙いに来たウサギに齧りついて電撃を流し、ぶん投げる事でもう一体まとめて片付ける。

ここで一転攻勢を取ったリングウサギは、【回転跳躍蹴り】で敵のウサギを転がした。

「縄張り争いでしょうか」

「た、確かに、出入り口を守ってる感じがありますね」

見事な戦いを見せる、リングウサギ。

「でも、ケガしてるのかも」

メイは、その動きの精彩の欠け方が気になった。

見れば確かに、片足をかばっているように見える。

しかしこれだけでは状況が分からず、静観していると少女がつぶやく。

「あのウサギ……何か、何か……」

「そういうことね! 【フレアストライク】!」

少女に関わるウサギと分かった瞬間、レンは即座に『ウサギに狙われるリングのウサギを、助けるクエスト』だと判断。

手前に炸裂させた炎に、慌てて離れるウサギたち。

「……助けられない?」

レンは少女のクエスト依頼が出るより先に、群れで攻撃するウサギたちを遠ざけた。

それは早く、見事な判断だ。

「いきますっ! 【装備変更】っ!」

下がったウサギたちの前に、躍り出たのはメイ。

すると即座にこちらを『敵性』と判断したウサギたちは、容赦なくメイを狙って飛び掛かる。

「【キャットパンチ】!」

最初の一匹を叩き上げた拳打は、【狐耳】による【狐火】効果で青い炎が燃え上がった。

「パンチパンチパンチパンチパンチ!」

迫り来る個体を、そのまま火の粉を飛ばしながら打倒。

この隙に後ろから飛びかかりにきていた個体も、そのわずかな跳躍音を【聴覚向上】が捉える。

「【尾撃】!」

ピンと突き上がる猫の尾に、首元を突かれてひっくり返るウサギ。

メイはここで両手を上げて、可愛く狐ポーズ。

「うわあああーっと!?」

するとそれを見た多くのウサギが、一斉にメイに飛び掛かってきた。

「メイさんっ! 【投擲】!」

「はいっ!」

メイが右に首を傾げると、背後から飛んできた【風ブレイド】が通り過ぎ、炸裂してウサギたちの進行を止める。

「メイっ! 【フレアアロー】!」

「はいっ!」

メイが左に首を傾げると、背後から飛んできた炎の矢が通り過ぎ、風に膨張してウサギたちを焼く。

「まだまだくるよーっ!」

しかし炎に焼かれるウサギたちの背後から、さらに多くのウサギの波が迫り来る。

「メイさんっ! 【かばう】!」」

「はいっ! 【装備変更】【アクロバット】!」

メイは大きなバク宙で後退。

その下を、入れ替わるような形でまもりが通過した。

「【地壁の盾】っ!」

盾を突き出すと、マグネットにくっつく砂鉄のように、ウサギたちが大量に盾に張り付いた。

「【シールドバッシュ】!」

そのまま即座に衝撃波を放てば、まとめて吹き飛び転がる。

「な、なんか気持ちいいですっ!」

たくさんのウサギが、大量に転がっていく光景に歓喜するまもり。

これでリングウサギを襲っていた群れを、片付けることには成功した。

「気を抜かないで!」

しかしリングウサギは、この時点でこちらを敵と判定。

鋭い踏み出しで、攻撃を仕掛けてくる。

「はいっ!」

弾丸のような飛び掛かりを、メイはその場に伏せて回避する。

「メイ、攻撃をしない方向で相手してみて!」

「りょうかいですっ!」

メイは腕立ての体勢から、強く地面を押して立ち上がると、即座に反転。

こちらに駆け出していたリングウサギの、跳躍軌道を見極める。

今度は、ジャンプからの回転蹴りで来る。

メイはくるっとコマのように一回転して、これをやり過ごす。

するとリングウサギは着地と同時に、帯電した状態で振り返り突進。

【電撃齧り】で、脚を狙ってきた。

「【ラビットジャンプ】【アクロバット】!」

メイはこれを大きく距離を取る形の、後方回転跳躍で回避。

完全な回避で距離が生まれると、ここでようやく起こる変化。

「「「「っ!?」」」」

背後で戦いをじっと見ていた少女が、ウサギに向かって歩き出した。

するとリングウサギも動きを止め、一転少女に向けて走り出す。

「これは一体……大丈夫でしょうか!?」

明らかに何かが始まっているが、少女へ攻撃する可能性もある以上、どうしても緊張が走る。

「「「「っ!!」」」」

リングウサギは、そのまま全力で少女に向けて跳躍。

「やっぱり!」

すると少女は一言。

ウサギをそのまま抱き留めて、確信する。

「やっぱり、私はこの子を知ってる……!」

いつでも少女を助けられるように、武器はしっかり構えたままでいたメイたち。

懐いているように見えるリングウサギの姿を見て、安堵の息をついた。