軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

1445.豪華な新マップです!

輝く陽光に照らされた水面は、エメラルドのように澄んだ青緑。

その街並みは石造りだが、一つ一つが洗練されており、民家というよりもホテルを思い起こす。

港町だが、漁船の姿はほとんどなく、係留されているのは客船、もしくは自家用船がほとんどだ。

「本当に、凄い街だな……」

集まって来たプレイヤーたちは、その街の豪華な作りに驚きの声をあげている。

見た目は西洋の高級リゾート。

アパートのような建物一つにも石像飾りが設置され、優美さを感じさせる。

「ここが……カジノか」

「すごいですねぇ」

ここでちょうど夕景になるのは、もちろん運営の計らい。

あえて派手な魔法珠ネオンを煌々と輝かせた、目につく大きな建物はカジノ。

そのギラギラした輝きと赤いじゅうたん、そして木材の深い色味が妖しさすら感じる豪華さを誇っている。

案内役の運営に連れられて、見学ツアーをしていたプレイヤーたちが思わず目を奪われる。

踏み込むと、賑やかな音の波が押し寄せてきた。

「おっ、おい! あれって!」

内部では、ハットにベスト姿の貴族NPCなどが、カードに興じている。

そこで熱い勝負を見せているのは、トッププレイヤーの一人。

貴族の娘を思わせるドレスを着た、ローラン・アゼリア。

そして居並ぶディーラーの一人に、自然と視線が集まる。

そこにいたのは、燕尾のついた黒ベストを身につけたレンだった。

カードをさばく姿に、思わず誰もが見惚れる。

「使徒長ちゃん、綺麗だなぁ」

「やっぱり……勝敗がかかった瞬間に魔眼を発動させるのかな」

「あははは、ありそう」

「……っ!」

そんな会話が聞こえて、わずかに頬を引きつらせるも、ここは我慢。

「ブラックに300枚いくぜ」

一方ルーレット。

ここでドカンと賭けに出たのは、強気な豪商を思わせる派手目なドレスの金糸雀。

周りのNPCたちが「おおっ」と声を上げる。

「……もしかして、あそこにいるのはアサシンちゃんか?」

「ああ、多分そうだな。格好と髪型が違うからちょっと怪しいけど、おそらくそうだ。可愛いし」

ツバメもディーラー服に身を包み、ルーレットに球を込める。

派手な金糸雀の前だと、「本人……か?」みたいな困惑時間を与えることになるのは、ツバメならではだ。

だが小さくとも、そのどこかクールな表情は堂に入っている。

「このカジノ最高だな……!」

早くも盛り上がるツアー参加者たち。さらに。

「お、おいっ! あれを見ろ!」

思わず指をさす、魔導士プレイヤー。

そこにいたのは、飲み物を配るバニーガール姿のまもり。

「っ!」

そのスタイルの良さから、必然的に視線が集まる。

するとそれに気づいたまもりは、慌てて「メイさんでなくてすみませんっ」と頭を下げた。

そこにやって来たのは、ギャンブラーのような姿のグラムとアルトリッテ。

二人はまもりのトレーから飲み物を取ると「勝負だ!」と、競う合うようにして通り過ぎていく。

トップ二人の華やかさを前に、トレーで顔を隠すまもり。

その姿は、いつもの見事な盾防御から想像もできないほどに慌てている。

「来てよかった……」

そんな豪華な並びを見て、プレイヤーたちは歓喜する。

「盾子ちゃんも、可愛かったですねぇ」

「はいっ」

満足そうにうなずく、女性プレイヤーたち。

続けて運営の案内役についていくと、そこにはスロットコーナーがあった。

「「「おおー……」」」

価格帯で、並びを分けたスロット。

そこに並んだ、貴族のような客。

マイペースにスロットに向き合うマリーカは、この光景にもう溶け込んでいる。

皆が興味津々にする中、運営の案内役はさらに上の階へ進む。

そこにあったのは、このカジノの顔である大型のスロットマシーン。

「これが高額チップを使うスロットだな」

見上げるほどの大きさを誇るスロットは、吹き抜けホールの最上階にあり、下の階からでも挑戦者の姿が見るようになっている。

「お、おいっ! あの子は!」

「メイちゃんだ! メイちゃんが来たっ!」

わき立つツアー参加者たち。

本日のオープン記念にやってきたプレイヤーの前に現れたのは、金のチップを一枚だけ握りしめたメイ。

その格好はどこかみすぼらしく、貧乏な商人を思わせる。

「……よし」

大きく息をつき、覚悟を決める。

そしてスロットに人生を賭けた一枚のチップを入れると、大きなレバーを力いっぱい引いた。

若干力が強すぎて、運営の案内役が驚きはしたが、問題なくリールが回転を開始。

一つずつ、『7』がそろっていく。

思わず、身を乗り出していく観客たち。

5連続6連続と、奇跡に向かってリールが『7』をそろえていく。

そして皆の注目が集まる中、最後のリールが止まった。

最後も見事に『7』

全ての面が、『7』で埋め尽くされた。

「おおおおっ!?」

すると盛大に紙吹雪が飛び散り、ファンファーレが鳴り渡る。

それから大量の金メダルが、払い出し口からあふれ出してきた。

「「「「おおおおおおおお――――っ!!」」」」

「やったー!」

メイがうれしそうに拳を突きあげてピョンピョンすると、あがる歓声。

夜の街に花火が一斉に上がり、暗くなっていた空を色とりどりの輝きが照らし出す。

まさに豪華絢爛。

そこに、待っていましたとばかりにアナウンスが入る。

『――――本日はお越しいただき、まことにありがとうございました』

『――――それでは新マップ、放蕩とカジノの国『モナココ』……ただいまより実装です!』

「「「「うおおおおおおおお――――っ!!」」」」

メイたちの演出もあって、大きな盛り上がりを見せた新マップ実装イベント。

各所でクエストなどが動き出し、一気に賑わい始める。

こうしてラグジュアリーとカジノの街『モナココ』は、最高のスタートを切ったのだった。