軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

そんなつもりじゃなかった、んだけど女友達が出来てしまった。①

おっす、オラ小谷八雲、ぴっちぴちの男子高校生。

オラは今、ファストフード店にいっぞ。

だけど、てえへんなんだぞ。なんでかって?

「でさ、小谷君はひかりのどういうとこがかわいいと思う?」

「あ、アタシも聞きたい聞きた~い?」

なんかよ、女子3人に囲まれてっぞ! よっし、なんでこうなったかいっちょ回想してみっか!

それは、今日の休み時間のことだった。

「こ、小谷君、ごめん。ちょっと離れるね……」

守護霊、もとい、守護神朝霞が俺から離れ、教室を出る。

俺は何も言えず曖昧に頷いておく。何を言っても犯罪臭がしそうだから。

男子ならいいよ。『おう、行っといれ』でオッケーである。中原には『便所の角に頭をぶつけてしまえ』で問題なし。だが、『あら、お花は焦らずにつんでらっしゃいな』とかがお上品なお返事だとは思えない。最適解が分からない。

なので、曖昧に笑う。そして、曖昧な笑顔で見送ったその瞬間。

ざざざっ。

という音は聞こえなかったが、なんかそんな感じで女子三人に囲まれる俺。『相手は三人か……』とか強者感ある台詞、などは吐けない俺。おろおろ。おれおろおろである。

そして、三人のうち、ツインテールの子が俺の机に両手を置き、俺に迫る。きゅっと鼻の穴を絞める俺。何も嗅いでません! 僕は変態じゃありません! 犯罪者じゃないんです!

「小谷クン! ちょっと来て! 少しだけでいいから」

逆だった。拉致されそう。

「え? なんで?」

だが、俺もおいそれと動けない。

なぜならば、曇らせ女子朝霞チャンの存在があるから。戻ってきて俺がいなかったら朝霞チャンどうなることやら。この女子達を殺めて犯罪者になったらどうするの? 本当にやりかねないよ! あの子!

「ひかりのことは大丈夫! 時間稼ぎを中原に頼んだから!」

中原……アイツ召喚コスト1だったのか。中原を生贄に罠カード【魔人の足止め】を発動させたわけか。そうまでして話したいこととは……っていうか、ひかり? 名前呼びした女子をよく見れば、そういえば朝霞と仲のよかったクラスカースト上位種の一人、明神さん、通称ツインテの明神である。これは俺の脳内二つ名である。

「中原ごときじゃあんま足止めできないだろうから。とっとと要件済ませたいの!」

中原雑魚すぎぃw

とはいえ、俺がもし中原と逆であったとしても今の朝霞を抑え込むことは出来ない。俺雑魚すぎぃwというわけでとっとと廊下に出て階段まで行き死角を確保。

明神さんと他二人、二人もよく朝霞と一緒にいるところを見たメンバー、に連れられてきたもののいったい何の話かと身体を固くする俺。すると、明神さんは、特性であるツインテールをぶんと振り回し頭を下げた。

「ひかりのこと、ほんっとーにありがと!」

おかえりツインテ。勢いよく顔を上げた明神さんに続いてツインテもブンブンと帰ってくる。その間にはとてもよい笑顔の明神さん。

「え、と……朝霞さんの、こと?」

「そう! ね?」

両サイドのツインテールではなく、友達ズに話を振る明神さん。そして、うんうんと頷くツインテールと友達ズ。いや、雑過ぎるな。左ツインテの隣のちょい強気そうな雰囲気ポニテが設楽さん、右ツインテの隣の赤みがかった茶髪の、なんだ、ショートよりちょっと長い髪のクールっぽい女子が喜多さん。二人が俺を見てやはり笑顔。

そして、真ん中から明神さんんん!

「ひかりさ、ぶっちゃけて言うけど、小谷君のことで相当責任感じてて落ち込んでバスケ部も休んじゃってて本当に心配してたの。正直絶対ヤバいってみんなで言ってて、でも、小谷クンが来てくれて、一緒に行動するようになって、なんか、ちょっと元気になってきたと思うんだよね。アタシたちにもまた話しかけにきてくれるようになったし」

ツインテールを揺らしながら嬉しそうに話す明神さん。なるほど、明神さんから見ればそうなのだろう。体のいい生贄こと中原情報だと、朝霞は本当に誰とも話さず一人で落ち込んでいたらしいし、誰かが話しかけても大丈夫だからバリアを張っていたらしい。大丈夫だからバリアは大丈夫ではない、と俺は過去に経験しているので断言できる。

まあ、ということで大丈夫ではない朝霞が大分大丈夫になったのだろう。朝霞の一番近くにいた子たちが言うんだ。間違いない。

ただ、一つだけ訂正させてくれ。

朝霞は………。

「でね、まだアタシたち、ひかりとあんま絡めてないんだけど、小谷クンにお願いがあって、ひかりの状況とか教えられる範囲でいいから教えてくれない? アタシらも小谷クンの力になるからさ」

明神さんのスマホが目の前に飛び込んできて、俺の意識が一気に引き戻される。

エ? 連絡先交換ってヤツ? 俺が? 女子と?

一応、朝霞とは連絡先を交換してはいるが、なんというか、生存確認のようなものだ。

これも朝霞の為のものではあるが、なんというか、なんか、違う気がしてどきどき小谷。

なんか、かわいい感じのカバーにかわいいシールが貼られているスマホに向けて俺のスマホを向ける。からの、連絡先交換である。ピロンと音が鳴り、連絡先交換完了!

同学年女子では朝霞と腐れ縁幼馴染を除いては初である。

なんかうれしい……!

「あ、二人のも送るからさ。【ひかりまもるくらぶ】ってグループで一緒に情報交換させてネ」

情報交換……! なんと素晴らしい響きだろうか……! 中原と? あれはじょーほーこーかんだ。それ以上でもなければそれ以下ではある。

「ひかりがヤバいなと思って手に負えなくなったりしたら、すぐ連絡頂戴」

明神さんがそう言いながら可愛い絵文字付きのメッセージを送ってくる……! これだよこれ……! なお、朝霞は一切の絵文字がない。

しかし、そういえば、そうだ。朝霞がヤバくなったらという話だが、俺から言わせてもらうと……。

「ねえ……小春たち、小谷君に何、してるの……?」

まだヤバいと思いまーす。

所詮中原は召喚コスト1の雑魚。最強クラウディクィーン朝霞の敵ではなかったようだ。

そんな朝霞が、背景にゴゴゴ……という効果音が浮かびそうな顔でこっち見てる!

ちなみに、小春は明神さんの下の名前のはず。

それにしても、なんというか、朝霞は多分猪突猛進タイプなんだと思う。俺への責任感とか過保護とかが限界突破してて怖い。子虎を守る母虎のような迫力である。

後ずさる俺を押さえる者ありけり。ちらりと見るとツインテール明神さん。

「……小谷クン、ひかりに説明ヨロシク☆」

こ、この、ツインテールゥウウウウ! 俺を先に掴めておけば朝霞を抑えられるとそういう算段か!? なんという策士!

だが、この状況をおさめられるのはやっぱり恐らく俺なわけで……。

「あ、朝霞、落ち着いて。明神さん達は、なんだ……俺にお礼というか、朝霞が元気になってきたのは俺のお陰もちょっとはあるという感じの話をしてくれただけなんだ」

俺のお陰というのは流石に気恥ずかしくごにょる俺。すごく曖昧な話になったが朝霞はなんか納得してくれたみたいで黒朝霞が弱まり、黒髪いじり朝霞に。

「ん……ま、まあ……それは、そう。うん、小谷君のおかげ、だから……そう、なんだけど……」

うむ、かわいい。朝霞のかわいさに感心している俺の背中を、明神さんがつついてくる。

「いまだ……! たたみかけよう! アタシの言うとおりに伝えて! それでね、ひかり」

何故たたみかけるのだ? だが、女子に背中つんつんされて俺はどうようしている!

「そ、それでな、朝霞」

「せっかくだし、みんなで」

やあん! 背中つんつんやめてよ!

「せ、せっかくだし、みんなで」

「マッ〇行こう!」

「ま、〇ック行こう!」

ん?

「「え?」」

朝霞と俺の声が重なる。その様子を見てにんまり笑う明神さん。

「折角だからさ、いろいろ『お話』しようよ、小谷クン」

そして、ファストフード店にいる今に至る。

女子3人に囲まれる俺と俺をなんか守ろうとしている朝霞。

オラ、ドッキドキすっぞ!