軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第36話:クラスメイトと魔法教練②

「さて、まずは以前に説明した通り。身体強化の訓練から始めるぞ」

「「「「「はい!」」」」」

まだ疲れの残る顔をしている皆だが、魔法の授業と聞いてワクワクしている様だ。

「ではまず、身体強化について説明をしようか。皆、身体強化と言うと何をイメージする?」

「えっと……超人的な身体能力が出るとか?」

「どんな攻撃も受け止めれる様になるとか?」

「岩を砕くパンチ力?」

皆が想像力を働かせて、次々と意見を出していく。

「うん、そろそろ良いかな? 正解は全部できるけど全部できないだ」

「「「「「???」」」」」

皆が一様に疑問符を浮かべる。

「まず、身体強化というのは魔力を身体に巡らせて一時的に強くする事。例えば腕に力を入れた時、筋肉が盛り上がるだろ? それを強くしたのが身体強化なんだ」

現代日本でいうと筋線維一本一本に魔力を魔力を巡らせるというイメージなんだけど、こっちの世界じゃそこまで医療は発達して無いから、そういうのは不自然だ。

「だから、超人的な力も、岩を砕く拳も、どんな攻撃を受け止められる体も。出来るんだけど出来ないという事さ」

生憎ウチのクラスは馬鹿じゃないのでわかってくれた様で皆大きく頷いている。

「という事で、一番の大前提となる〝魔力〟って何だ? という所も説明しようか」

黒板を持ち出して簡単な絵を描く。

「魔力っていうのは、この世界全体に満ちている物で人間・魔物・植物・動物、どれも皆身体に取り込んで生きているんだ。食事をすれば当然に、呼吸をすれば当然に、生きていれば当然と備えれる」

「はい、ホウショウ先生!」

先程のオタク男子の1人堂橋が手を挙げる。

「どうした堂橋」

「先生の考えで構わないのですが、僕達の居た元の世界には魔力は確認されてませんでした。魔法……身体強化が使える様になったのもこの世界に来てからです。それはどうしてなのでしょうか?」

「恐らくだけど。世界を渡った際、君達にはある程度の素質というものが芽生えたんだと思う。それか元々、君達世界にも魔力というものはあるのだと思う、それが希薄過ぎるから魔法が使えなかったんじゃ無いかと思うぞ。こんな感じで良いか?」

まぁ、 第三王子(アラテシア) 様の話だとこちらの世界に来る際に勇者の力として魔力に適応したんだと思うだけどな。

「あ、ありがとうございます……」

「さぁ、とにかくまずは身体強化の練習だ。まずは各々、自分が思い描く身体強化をするんだ」

魔法はイメージでもあるからな、後々それは属性魔法の発動スピードにも影響してくる。

やっぱり男子の大半は某漫画の真似をしている、やっぱり効果はあるのか魔力が身体を包んでいる、女子達はイマイチイメージがつかめない様だ。

(少しアドバイスをするか……)

女子達の方に向かい目の前に立つ、俺が立った事に集中力が切れたのかこちらを向いて来る。

「君達に一つアドバイスをしよう。腕の中……身体の中特に筋肉の部分には筋が別れているだろ? その筋に魔力を流す想像をして欲しい。とはいっても難しいだろう、誰か手を貸してくれるか?」

すると 西条(さいじょう) さんが手を挙げる、こちらに来てくれた彼女の手を取り魔力を流す。

「今、感じているのが魔力でね、わかるかい?」

「あったかい……わかります……」

「じゃあ、手を放すけど。今の魔力《感じ》を意識してみてくれ、それと先程言った想像を忘れずに」

「わかりました……はぁっ!」

西条さんが今まで出していた魔力が方向性を持ち始め身体に収まっていく。

「あっ、これ……出来そう」

「はい、じゃあジャンプしてみて」

「はい! わぁぁぁ!?」

垂直に1メートルくらい跳んで慌てて着地する、転びそうなところを助ける。

「大丈夫か? 初心者は馴染んだ普段の力と格段に変わって慣れないからな気をつけてくれ」

「は、はい……」

「じゃあ、他に難しい人は試そうか」

「あの、俺達も良いですか?」

「あぁ、問題無いぞ」

それから結局、全員と先程の行為を行うのだった。

◇◆◇◆

「さて、皆。最後に走るぞ。身体強化を使い3キロをこの砂時計(3分計)が落ちるまでに走ってもらう、ただし、以前言っていた運動部という者達はこっちの砂時計(2分計)だ」

「「「「「えぇ!?」」」」」

まぁ流石に無理だと思うが……もし初日で走れる人が居れば、魔法のセンスが良いと判別できそうだしな。

「ほらほら、四の五の言わずに準備する! それじゃあ、行くぞ!」

笛を鳴らし走り出すのを見る、皆なんだかんだ言いながら最低限の身体強化が出来ている。

特に周囲より頭一つ抜けてるのは先程身体強化をしていたオタク3人と運動部女子の中村さんと西城さんの2人と野球部の菊池君だ。

「もう少しって所か……」

「っつ……はぁ!!」

「無理ぃ……」

「息が……」

「流石に、キツイわ……」

「はぁ……はぁ……」

時間内にゴールした皆が肩で息をする、間に合わなかった人たちも4分以内には走りきっている。

「うん、凄く頑張ったぞ、砂が落ち切る前に間に合わなかった皆も気落ちしないでくれ。まだ初日だから走りきれなくて当然だ。それに1週間もあれば皆は身体強化を使いこなせるさ。こっちの世界の人でも初日にこれだけできる人達は稀だからな」

そう言って笑いかけると、皆の顔が明るくなったのだった。