軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第28話:褒賞・上

「これより。冒険者ホウショウによる悪賊ネファキュル捕縛、その功への褒賞を与える」

荘厳な 音楽(ファンファーレ) が鳴り沢山の貴族が拍手をする。

(どうしてこうなった!?)

「では、冒険者ホウショウ……前へ!」

名前を呼ばれ、進んで行く壇上へ上がり暫く歩いた所で膝をつく。

(どうしてこうなった!!!)

◇◆◇◆◇◆◇◆

「いやー美味かったわ! ありがとうな嫁ちゃん達!」

「美味しかったわ、きっと 最高級娼館(アラビアンナイト) でも流行るわよ~」

上機嫌の二人に見送られギルドへ向かう、俺が騎士団詰所に行ってる間は 蒼井さん(ネモフィラ) と 細野さん(ミモザ) をギルマスが預かっててくれる事になっている。

アインの家からすぐ近くのギルドへ入りミラさんにギルマスの部屋へ通される。

「ギルマス、今日はよろしくおねがいします」

「こんにちは、ギルドマスターさん」

「お世話になります」

「やぁ、三人共よく来たね」

「これ、昨日のお礼です」

空間収納(アイテムボックス) からガトーショコラの入った木箱を取り出す、 空間収納(アイテムボックス) 収納だと劣化をしないので都合が良いのだ。

「ありがとう、これは……お菓子だね、美味しそうだ」

「はい、二人が作ってくれた自信作です」

「そうなのかい? それじゃあ、二人を預かってる間、魔法の講義をしつついただこうか」

「ギルマス、良いんですか?」

「あぁ、今日はもう仕事が無いからね。夕方の報告書や書類は明日のチェックだし。何より、最年長の私が仕事をしてると皆が帰り辛いからね」

「「ありがとうございます!」」

二人の紅茶の準備を始める、講義と言ってもゆるりとやる様だ。

「それじゃあ、行ってきます」

「はい、いってらっしゃい気をつけるんだよ」

「行ってらっしゃいませ旦那様」

「気をつけて下さいね」

三人に見送られ、ギルドの裏口から出る。なんやかんやあって、今はもう既に夕方の混雑に巻き込まれる時間だ。

「さっさと済ませて帰って来るか……」

足早に王城へ向かうのだった。

◇◆◇◆

混雑を避け王城へ辿り着く、入り口の衛兵に伝えるとすぐに一人の男性がやって来た。

「ホウショウ殿!」

手を挙げ近づいて来る男性、見た事あるような……。

「御足労いただき申し訳ない。私は第三騎士団の副団長を務めておりますイムと申します。大きな怪我をしたにも関わらず、足を運んでいただき感謝します!」

そうだ、昨日休んでる時にリオルと一緒に来た人だ……それにしても顔が凄く日本風だな……。

「いえいえ、まだ疲れはありますが傷の方は治療を終えましたので大丈夫です」

まぁ、 蒼井さん(ネモフィラ) の魔法で治ってるから完治はしてるんだけどね。

「そうでしたか、良かったです」

「まぁ、医者には数日間安静にしてる様にと釘を刺されましたが……」

苦笑いをして答えると、副団長さんは気まずそうな顔をする。

「でしたら、ウチの団長とは会わない方が良いですねぇ……」

「ですよねぇ……」

「まぁ、今日はホウショウ殿の代わりに勇者達の訓練をしてますので大丈夫ですよ」

「そうなんですか?」

「はい、『ここで点数を稼げば、先生と勝負できる!』と息巻いてましたよ」

「それって……、死刑宣告じゃ……」

「あー、そうかもしれないですね」

あははと笑いながら隣を歩いている。いや、笑いどころじゃないんだが……。

「とは言っても、ホウショウ殿は金等級の実力がありますし問題は無さそうですけどね」

「いえ、俺の金等級は戦闘力というよりも依頼達成率での金等級ですし……」

勇者の力なんて曖昧な物はまだ自分の身についているとは思ってない、当てにできないのであれば以前の実力で考えるべきだろう。

「とは言っても、護衛依頼や討伐依頼等も受けているでしょう? でしたら大丈夫ですよ」

そう言って笑う、凄く心配なんだけど……。

それから詰所に着いた俺は手続きの書類にサインしていく、どうやら今回の件は一度裁判を挟んでからネファキュルの処罰を決めるらしい。

説明を受けつつサインを描いていると一人の兵士が駆けこんで来た。

「只今、冒険者ホウショウ殿が居ると伺ったのですが、まだいらっしゃいますでしょうか?」

「はい、ホウショウは俺ですが……」

「ホウショウ殿! こちら国王様からの書状でございます!」

詰所の中に居る皆がその書状をに目を奪われる。

「……帰ってから開けるのは……」

「申し訳ありません、開封の確認を承ってまして。出来れば今ここで読んでいただけると……」

「そうですか……」

それを言われてしまうと仕方ない、ぺりっと剥がして中の手紙を開ける。

「……マジか」

中に書いてあるのは今回の功績がかなり大きいので国王直々に褒賞の授与を行ううとの事だ。

(しかも明日かよ……)

「わかりました……公の場に出るのは〝非常〟に苦手ですが、受けないのは無礼ですのでお受けさせていただきます」

「ありがとうございます! では、私は快いお返事をいただいたと王へ伝えてまいります!!」

そう言って駆け脚で戻って行った。