軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第158話 基地設営集会

ルタン町に軍を呼びに行ったマキーナは1日で戻り、すでに俺達と一緒に居た。

そしてマキーナから念話が届いた時に気がついたのだが・・

アンドロアルフスとの戦いにより俺達の能力が格段に向上していた事がわかった。進化バージョン2に至った魔人達とは、どれだけ離れていても念話が通じると分かったのだ。マキーナとはルタン町に及ぶまで念話で話せることが確認できた。

魔人軍が森の奥のアジトに到着したのはその3日後の事だった。

トラックはあと7日ほどで消えるはずだったが、それに乗ってくるように指示を出した。魔人達は指示を受けて全力疾走でここまで来たのだという。魔人は俺の兵器について、かなりの練度を持っていた。

訓練を怠っていない証拠だ。

俺達がルタンからラシュタルまでの行程に、ファートリアやバルギウスがいない事を伝えていたため。トラックで休まずここまで走破したという事だった。

《よくあの峠道をトラックで来たもんだ・・》

どうやら一部の危険な場所はトラックを担いできたようだ。

魔人が運転する4台のトラックに獣人とドワーフが乗り、天井にはゴブリンを乗せて四方を警戒しつつ来たらしい。ある程度の物資を詰めて運んで来たらしく、他の魔人達は全て走って来たのだとか。

「これを・・担いで・・か」

俺はしみじみと言う。

ルタン町には既にグラドラムからの増援が到着していて、都市の拡大構築に着手しているという事だった。

また・・情報によれば結局ルゼミア母はグラウスからほとんどの魔人を追い出してしまったのだとか・・今グラドラムには数万の魔人がいることになる。

人間たちは肩身の狭い思いをしてるんだろう。ポール王は大丈夫だろうか。まあ魔人達にはグラドラム人は守るべき対象として伝えてあるから大丈夫だろう。

《しかし・・問題なく生活は出来るだろうが・・おっかないだろうなあ・・見た目が》

「で、母さんはほとんどの魔人をグラドラムに渡して、自分とガルドジン父さんとお付き数人だけで魔人国にいると・・?」

「はい・・ルゼミア王のすることは私共には見当もつきません。」

「ルゼミア母さんは、それで大丈夫なのかな?」

「ははは・・あの方には私たち全軍でかかっても敵わないんですよ!大丈夫です。」

俺と話しているのは到着したばかりのダークエルフ副隊長ダラムバだった。

到着した大隊は60名いた。メンバー構成は次の通りだった。

ライカン隊長のマーグ 副隊長ジーグ ライカン5名

ダークエルフの副隊長ダラムバ ダークエルフ10名

ゴブリン10名

ドワーフ10名

ハルピュイア1名

サキュバス1名

獣人20名

ダークエルフ、ゴブリン、ハルピュイア、サキュバスはどうしても要員として必要なため来てもらった。本来なら人間に見えるライカンやドワーフと獣人だけにしたいところだが、早急に基地を稼働させるためには必要にな人員だった。

「うちの兵士と民たちです。」

俺がルブレストに説明していた。

ルブレストとエリック以下ラシュタル兵が10名ほど一緒にアジトにいたのだが、ルブレストと兵士たちは全員青い顔をしていた。

顔に縦線が入っているように見える・・

トラックを見た事もそうだが・・進化前のダークエルフとゴブリン、ハルピュイア、サキュバスがいるからだ。ライカンはどう見ても人間だし、獣人やドワーフは見た事があったとしても・・他はどう見ても魔人やモンスターの類なのだから無理もない。

「圧巻だな。」

ルブレストが言う。

「ええ我が国の軍事力のほんの一部ですが、この人数でも十分な力を持っています。」

「だろうよ。」

この隊の総大将を務めるライカン隊長マーグを呼ぶ。マーグはアンドロマリウスとの戦いでレベル1の進化を遂げているため、もともとの獣臭さも消えほとんど人間になっている。

「は!ラウル様」

「くっ・・まったく・・とんでもねぇな・・」

ルブレストがマーグを前にして冷や汗をかく。やはりレベル1の進化では膨大な魔力の放出をおさえる事が出来ていないらしい。

「こちらが俺の育ての親の師匠であるルブレストさんだ。ラシュタル王国の総司令官殿だ。」

「隊を任されているマーグと言います。ラウル様が大変お世話になったと聞き及んでおります。感謝いたします。」

ニヤリと不敵に笑ってお礼を言っている。

「い、いや。お世話になったのはこちらです。」

「これからしばらくは私がこの隊の大将となります。」

「よろしくお願いします。後ほどラシュタル内部をご案内いたします。」

「よろしくお願いします。」

マーグならばアンドロマリウスとの戦いで進化LV1を遂げているから確実に人間に見える。この強大な魔力を普通の人間が感じとる事は無いだろう。

まあ・・魔闘気を全開にしたらそれだけで、普通の人間の心臓が止まるかもしれないが。

見た目は筋肉隆々のナイスミドルだし、分厚い唇を開かなければデカイ犬歯も見えない。その笑みは人に安心感を与える。獰猛な笑みの中に温かみがあるのだ。マーグは人を惹きつける魅力がある。

ルブレストが手を差し出すと、マーグがガシリとその手をとり固い握手を交わす。

全員が俺の周りに集まって来た。俺の配下も到着した魔人達と話していたのを中断して集まる。

「さて、みんな集まったかな」

は!!!!!!

皆が直立して返事をする、いつの間にか・・6列でまっすぐに整列していた。まあ獣人は俺の部下ではないのだが、どうやら彼らも俺の言う事を聞いてくれてるらしい。一緒に後ろに並んでいる。

「休め!」

ザッ!

皆が足を肩幅に広げて手を後ろに汲む。

魔人に遅れて獣人たちが真似をして立つのだった・・

「俺達がグラドラムを出てそろそろ30日がたとうとしている。しかし計画とは違い、状況の変化とともにラシュタル王国を奪還するに至った。話は聞いていると思うが我々はここに防衛基地を建設する。」

そして俺は説明を始めるのだった。

「まずは戦闘においての優先事項だが・・」

は!!!!!!

「戦いにおいて主戦力となるのはライカンだ。」

は!!!!!!

ライカン隊長のマーグ 副隊長ジーグ ライカン5名が返事をする。

「さらにダークエルフ隊は戦闘において、中距離支援を行う事。」

は!!!!!!

「ゴブリン隊は隠密行動や偵察を行え。」

は!!!!!!

「ドワーフのみんなは、基地の建設に従事してほしい。」

わかりました!!!!!

「それまでは全員が俺が召喚するテントを使ってくれ。」

は!!!!!!

「獣人の方達は魔人達の補助をお願いする。」

は、はい!わかりました!!!!!

「ハルピュイアとサキュバスの二人は医療要員として来てもらった、働く者たちの傷の回復や精神的なストレスの緩和を頼む。」

「「はい。」」

「俺と配下は次の作戦行動に移る。この拠点を完璧に仕上げてくれ。 」

はい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

全員が返事をする。

「基地の設計はドワーフにすべて一任してある。ライカン、ダークエルフ、ゴブリン、獣人の皆はすべてドワーフの指示に従い、建設をしてもらう。基地の設営が最優先事項となるが、すみやかに従事するようにしてくれ。」

は!!!!!!

「そして基地の設営後の運営だが、ダークエルフとゴブリンには食料や薬草の採取を行ってもらう。食料は一度ラシュタルに納め加工して戻してもらう事になっているが、必要な分はラシュタルに渡す前に自分たちの食料としてよい。ラシュタル王国から我々の国にも輸出するものだ丁寧に扱ってくれよ。」

わかりました!!!!!

「なにか質問は?」

マーグが質問してくる。

「は!」

「マーグ。」

「はっ!もしあのデモンのようなものが現れた場合の対処はいかがなさいましょう。」

「ああ。あれなら大丈夫だ。」

「と、申しますと?」

「もう一匹のデモンを仕留めたんだが、俺の魔力がものすごく増大してな・・さらに連結LV2が有効なことが今回の戦いで確証がとれた。マキーナとの遠隔実験も終わっている。」

「ではラウル様が召喚された兵器ならば。」

「ああ問題なく俺から離れていたとしてもデモンを始末できる。ただし連絡要員が必要となるから。ナタを1人置いていく。ナタ!」

「はい!」

「こいつらは、お前のゴブリン隊だな?」

10名のゴブリンを指して言う。

「そうです。」

「お前はこの地に残り、隊を導いてくれ。」

「はい!」

「俺の念話がかなりの距離飛ぶようになった。基地の連絡要員としての役割を果たしてくれ。」

「わかりました!」

ナタの見た目は普通の浅黒い南国少年なのに対し、その部下は緑の小さな普通のゴブリンたちだった。少年に魔人が仕えるようだった。

「ゴブリンと言えば大陸では討伐対象だが、お前たちは俺の優秀な兵士だ。人間などに遅れを取る事など無いもの達だ、お前たちが人間を守ってやるんだぞ。」

「わかっております。」

「おそらくはすぐに敵の襲撃は無い。」

敵はルタンのように拠点を奪取して来るだろう。我が軍がそれまでにルートにある村や町はすべて占領する予定だった。

そして俺はルブレスト達の方を振り向いた。

「・・・・・・・」

ルブレストとエリック、兵士たちは俺達のやり取りをみてあっけに取られている。

「ではルブレストさん。まずは我が国の軍と御国で、すり合わせをいたしましょう。」

「わかった。しかし・・凄いものだな。統率力といいお前さんの的確な指示と言い・・われわれ人間の軍隊でもなかなか言われて簡単に遂行できるものではないが・・・やるのだろうなあ・・おそらく。」

「ふふ。俺の系譜とやらに皆が連なっているらしいのです。意志の伝達は人間とは比較にならないほど高度だと思います。」

「究極の軍隊であるな。」

「まあ・・そんなところですかね?」

そして俺はルブレストにこれからの基地設営の事や国防の事、交易などについての話をするように促した。

「では我々と貴国でのすり合わせ後に、お互いの要求を加味した形で、当方にて要求議定書を策定します。貴国の王及び大臣のお目通し確認の後に、再度条項を差し引きをして再度確認。調印という形でいかがでしょうか?」

「異存はない。速やかに進めていただきたい。」

「かしこまりました。では後ほどアジト内にて。」

「ああ。」

そして俺は到着した部下達に号令をかける。

「長旅ご苦労だった!まずは体を休め、用意した食事をとれ!ラシュタル製タラム鳥のシチューだぞ!絶品の一品だ、ラシュタルの人達に感謝していただこう!」

「はい!ありがとうございます!!」

「ルブレストさん達も魔人と一緒に食事をしましょう。御料理を用意いただいた事を深く感謝いたします。」

「当然のもてなしだ。それでは俺達もありがたくいただこうとするか。」

「はい!!!」

巨大鍋ではタラム鳥のシチューがぐつぐつと煮たっている。

「では、並んでくださーい。」

マリア、カトリーヌ、アナミス、ルピア、セイラかお椀とオタマを持って待ち構えていた。

湯気の立つお椀を一人一人が嬉しそうに胸に抱えるのだった。