軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第147話 脅威レヴィアサン

王城の上に輝く魔石から、一点に向けて光が照射されている。

《なんだ!?とにかくまずい・・》

正門の上の城壁に当たり始め、白色の魔法陣が浮かび上がってきた。魔法陣はかなり大きく、さらに5つが重なって、100メートルくらいの大きさに広がっている。まるでオリンピックの輪のようになった。

《まさか壁面に魔法陣が刻んであるとは・・こちらの盲点をついてきたか。》

「魔石が破壊できないなら、魔法陣を破壊する!シャーミリア俺を連れて魔法陣まで飛べ!」

「かしこまりました。」

俺はシャーミリアにつかまれて空に飛びあがる。

《南門の上にいる、ミノス、ドラン、ラーズ、マリアは速やかに退避せよ。》

《は!》

そして俺とシャーミリアは正門の前に来た。

シャーミリアの背に乗り、AT4ロケットランチャーを召喚して魔法陣に狙いを定める。

「魔法陣を破壊する!壊れてくれよ!」

バシュゥー

ロケットランチャーから放たれた弾頭は魔法陣に向かって一直線に進んでいく。

着弾するかと思われたとき・・

スッ

弾頭は魔法陣の中に吸い込まれてしまった。

「くそ!城壁の周りを!」

再度ロケットランチャーを召喚し、魔法陣が浮かび上がる城壁の周りを狙って撃ちこもうとしたとき、魔法陣から何かが出てきた。

ズッ・・ズズッ

「なんだ?」

「なんでしょう?」

次の瞬間、俺とシャーミリアは魔法陣から出てきたものが何かを理解した。

「岩だ」

魔法陣の大きさほどの岩が出てきて、重力にひかれ下に落下していく。

ドオォォォォン

巨大な岩が南門をがっちりと塞いでしまった。

「これは・・なんだ?」

ロケットランチャーを魔法陣の周りの壁に撃ちこむ。

バシュゥー

ズガーン

しかし城壁は砕けはしたものの破壊するまでには至らなかった。

「連結LV1を使うしかないか。」

俺の兵器を使って魔人達が大量に人間を殺害したため、俺の魔人側のタンクはかなり充実していた。連結LV1で湯水のように使っても十分お釣りがきそうだ。そう考えて再度ロケットランチャーを召喚しようとした時だった。落ちた岩のあとから水が噴き出してきた。

ドドドドドドドドドド

巨大な滝となって降り注いでくる。

「これは・・魔法陣のむこう側は川か湖の底じゃないのか!?都市が水没してしまうぞ!」

俺は叫びざまに連結LV1でロケットランチャーを壁面に撃ちこむ。

が!!突如水と共に出てきた巨大な何かに遮られ壁面まで到達しなかった。

!?!?

シャーミリアと俺は驚愕した。

魔法陣から出てきたものは、ペンタよりもかなり巨大な海竜のような生物だった。龍の巨大バージョンでえらがあり、羽のような胸ヒレが付いている。髭がシュルシュルと動き回りぶんぶんと振られていた。ただしまだ顔しか出ていない・・

《あれに比べたらペンタなど幼虫みたいなもんだ・・》

城壁の上に鎌首を上げそびえたった。ラシュタル都市内を睥睨している。

「なんだ・・あれは・・海竜?」

「ご主人様・・レヴィアサンです。」

「レヴァイアサン・・?」

「伝説の魔神でございます。」

ああ・・前世のゲームとかにも出てきたような気がする。たしか海の神とか悪魔とかそんな感じじゃなかったっけ?

魔法陣から都市内にレヴィアサンがゆっくり入って来た。しかし体はまだ全て出てきていなかった。

というか巨大すぎないか?五輪マークの魔法陣は幅100メートルくらいあるのに、幅いっぱいいっぱいに顔をだした。全体がでたらどんな事になってしまうのだろう・・

「相当デカイな」

ますます水の勢いが増し魔法陣の中だけではなく、レヴィアサンの周りからもあっという間に水が増してきた。

「くそ!あいつの能力か何かか?・・水が急激に増してきた・・」

そんな悠長な事を言っている場合ではなかった!

「攻撃してきます!」

レヴィアサンはこちらをみつけ、頭の周りに巨大な氷の槍が浮かび上がる。

シュッ

シュッ

シュッ

シュッ

シュッ

シュッ

大陸間弾道ミサイルくらいの大きさの、6本の氷の槍が俺達めがけて飛んできた。

「うお!」

シャーミリアが咄嗟によけて飛ぶ。しかし!氷の槍がついてきた!

「追尾型か!シャーミリア俺を乗せたまま飛んでくれ!回避は全てお前に任せる!」

「かしこまりました!」

俺は飛んでくる氷に向けてロケットランチャーをぶちかます。連結LV1で放たれたランチャーは氷の槍一つに当たる。

ズガァァァァン

バリンッ

氷の槍が一つ砕け散る。

それでもあと5本の槍が追尾してくる。

《だめだ!こちらはあいつの相手で手いっぱいだ!魔人全員に告ぐ!城壁内にいる市民を全て避難させろ!水没してしまう!四方から町に降りて強制的に人々を城壁の上にあげろ!全能力を使って事に当たれ!》

《《《《《《《《《は!》》》》》》》》》

くそ!俺達が秘密裏にファートリアバルギウス軍を撃退して、47人の騎士が奪還したストーリーにしようと思ったのに!計画が狂うじゃないか!

シャーミリアが四方から襲い掛かる氷の槍をよけ続けている。

俺はロケットランチャーを氷のやりに打ち込むが、2本目は当たらなかった!

「くそ!当たらない!都市に被害が出る一旦城壁外へ!」

「はい!」

それでもしつこく氷の槍は向かって来る。

「地面すれすれをジグザグに飛べ!」

「はい!」

シャーミリアが地面すれすれをジグザグに飛び始めると、氷の槍は地面に突き刺さる。それでも残り1本が追尾してきていた。

俺はロケットランチャーを真後ろに飛んでくる氷の槍に撃ちこむ。

ズガァァァァン

バリン!

氷の槍は砕け散って消える。

回避するのに時間を取ってしまった!

《ラウル様!ゴブリン隊は水かさが増してしまい限界です!》

スラガからの念話だった。

《城壁の上に待機だ!》

《は!》

《スラガ!》

《何でしょう!》

《巨人化して門を塞いでいる岩を動かす事が出来ないか?》

《レヴィアサンがいて近寄れません!》

《こちらで何とかする!ミノスも救助をやめ南門に向かってスラガをカバーしてくれ!》

《かしこまりました。》

俺はなぜラシュタルの東西北の門があらかじめ埋められたのか・・城壁を高くしたのかを、ようやく理解したのだった。

この都市を水没させる気だ。

しかも・・伝説のバケモノまで呼び出して。なんとかすると言ったものの・・すべきことが見つからない。誰かを差し向ける事も今は出来そうになかった。

《北側の壁面のところまで水が来ました!》

ギレザムからの念話だった。

《水に飲まれる前に住民を急いで救出しろ!》

《はい!》

するとセイラから念話が入る。

《あの!ラウル様!私が正門に向かいます。》

何故かを聞いている余裕はなかった。

《わかった!セイラ!来てくれ!》

セイラになにか考えがあるらしい。

そして焦った俺とシャーミリアは、都市の外から飛んで再びレヴィアサンの所に向かう。

レヴィアサンはいきなり呼ばれたのに腹を立てているのか・・怒り狂っている様子だった。どうやってこれを止めたらいいのだろう?カララの網ではどうか?

《カララ!正門のところまで来てほしい!》

《かしこまりました!》

飛んでいる俺とシャーミリアを発見し、レヴィアサンが赤く目を光らせた。

まだ頭と胸ビレとが出たくらいで、体はまだこちらにきていない。

しかし俺はある事に気が付いた。俺とシャーミリアが都市の外にいなくなった後で、レヴィアサンは特に都市を攻撃した様子はなかった。転移魔法陣からゆっくり出始めたところだった。

《というかこれの体が全部出たら首都が壊滅するな・・そこに居られると岩が動かせないから水没してしまうし》

引きつけようにも町の中にレヴィアサンが入ってしまえば壊滅的な打撃を受ける。そうなってしまえばおそらく首都はもうダメだろう。

「これ以上こちらに来ないようにできないものかな?」

思案しているうちに、レヴィアサンはまた頭の周りに氷の槍を6本浮かばせる。

「あれは厄介だな・・どうすべきか。」

考える暇もなく6本の氷の槍は俺達に襲い掛かってきた。

「くそ!少しは考えさせろよ!シャーミリア回避行動だ」

「はい!」

再び6本の氷の槍から逃げ始める。

「ご主人様!レヴィアサンに直接攻撃をしてはいかがでしょう?」

「都市内に入られて戦えば町は滅びる!」

「しかし!」

とにかくレヴィアサンが放った氷の槍をよけて飛び回る。

「それにしても水が止まらない。レヴィアサンの体の下からどんどん噴き上げてくる!・・あいつの能力か?」

「水をつかさどる龍神です!あり得ると思います。」

「水を止めないと、大量に死人がでてしまう!」

レヴィアサンが放った氷の槍が熱線追尾ミサイルのように追ってくる。

ロケットランチャーをうしろ向きに撃ちこむが・・また外した。

《マリアなら!!》

「やはり本体を攻撃しましょう!ご主人様を守り切れません!」

シャーミリアが再度叫ぶ!

すると

ピタッ!

氷のミサイルが空中で止まった。

《間に合いました!遅くなり申し訳ございません。》

《カララ!》

カララの糸が空中で氷の槍を捕らえていたのだった。

《しかし・・力が強い!とにかく止めていられるのはあとわずかです!》

カララほどの魔人でも止めるのが精いっぱいだとすれば、やはり本体を攻撃するしかないのだろうか?しかし・・アレに勝てる気が全くしない。

《全魔人を呼べば追い返せるのでは?》

ドラゴから念話が飛んでくるが、俺はそれを拒否した。

《だめだ!とにかくみんなは市民の避難を最優先させるんだ!一人も殺さぬつもりで頼む!》

《かしこまりました!》

ドドドドドドドドド

水は止まらずどんどんラシュタル城壁内にたまっていく。

《マキーナです。城壁の上に人々をさらうのは既に間に合いません。建物の屋根の上にあげていきます!》

《わかった!あとで誰かをやる!》

西側は既に住宅の1階部分が浸水していた。流されていく住宅もある・・人などやれる余裕などあるのだろうか!?

《アナミスです!ラウル様!東にもに水がきましたみるみる水かさが増していきます!もう膝ぐらいまであります!》

《分かった、動ける限り助けろ!アナミスが建物の中の人を誘導して屋根に!ルピアは出来る限り城壁の上に人を連れていけ》

《はい!》

《はい!》

東側にまで水が行ったか・・不味いな・・

《ギレザムです。こちらもすでに屋根の上に人があがっていますが間に合いません!》

《わかった!出来る限り救出活動を続けてくれ。ファントムは屋根の上の人間を抱きかかえて城壁の上までジャンプしろ!》

全ての住宅が浸水してしまったらしい。

《ラウル様!氷の槍を抑えきれません!!!》

氷の槍がカララの糸を振り切って、また俺達に向かい飛んでくるのだった・・