軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第121話 防衛拠点

魔人達が進化した。

アンドロマリウスを倒したら、何故か俺が奴を取り込んでしまったらしい。

俺の人間側にはあまり変化はない。魔人の側の変化が大きいかった。

なぜアンドロマリウスが俺に吸収されてしまったのか。古参のシャーミリアやルフラ、カララに聞いてみても見当がつかないそうだ。

「で、みんなの魔力も増えたようだと?」

俺が聞くとシャーミリアが代表して答える。

「はい、そしてご主人様との結びつきがさらに深くなった感覚です。」

「俺の元始魔人の要素が強くなった?」

「そう推測しても良いと思われます。」

しかしマリアやカトリーヌには俺が変わったように感じないと言う。最初は不安で言っているかと思ったのだが、本当に変化を感じないらしい。

「あとは・・データベース・・」

場所 陸上兵器LV4 航空兵器LV2 海上兵器LV3 宇宙兵器LV0

用途 攻撃兵器LV6 防衛兵器LV3

規模 大量破壊兵器LV2 通常兵器LV6

種類 核兵器LV0 生物兵器LV0 化学兵器LV2 光学兵器LV0 音響兵器LV2

対象 対人兵器LV7 対物兵器LV5

効果 非致死性兵器LV2

施設 基地設備LV3

日常 備品LV4

連結 LV2

変わった様子はない。

ということは、俺の人間側には変化がないのかもしれない。ようは俺内部の魔人側の魔力タンクが、数倍に膨れ上がった感じだ。

《分析してみると・・》

デモンを倒したら魔人側の魔力燃料タンクが数倍になった。

人間を倒すと魔力の補充が早く、魔獣を倒しても魔力はそれほど増えない。

魔獣からとれる魔石は俺に反応し、魔力の出し入れが出来るサブタンクとして使える。

後は経験や学びでデータベースがリビジョンアップする。さらに大きな経験を積むとバージョンアップする。

といったところだ。

「でさ、いままではシャーミリアしか念波の会話は出来なかったんだけど、何人か出来るようになったみたいだな。これも結びつきが強くなったからなんだろうな。」

「そうだと思われます。」

「私の思いがより伝わるようになったのはうれしいです。」

カララが言う。

《そういえば、グラウスにいた頃からカララの視線は熱かったよな。》

意識を共有するとお互いの思いまで伝わってくる。シャーミリア、マキーナ、ルフラ、カララ、ルピア、アナミス、セイラの7人魔人が俺に抱く感情は間違いなく愛情だ。

「ラウル様、我らの忠誠も深く伝わったようでうれしいですよ。」

ギレザムが言う。もともとの俺の配下だったギレザム、ガザム、ゴーグ、ミノス、スラガ、ラーズ、ドラン、7人の魔人の忠誠と尊敬の念みたいなものも強く伝わってくる。

「私もお慕いしています。」

意識の共有がきかない人間のカトリーヌは魔人達が羨ましいようだった。

「わかってる。」

《魔人のように人間は繋がりあえないだけで、気持ちはきちんと伝わってるから。》

するとカララが言う。

「ふふっラウル様。彼女ら人間には伝わって欲しくない感情もあるのでは?」

「カララ!そんなの無いって!」

《なんかヤバそうなことを言いそうな予感がするぞ・・》

「愛おしいのでしょう?それを・・」

「カララ!しぃー!しぃー!」

俺が顔を真っ赤にしてカララを制していると、第一秘書のシャーミリアが制する。

「あの・・カララ。おいたがすぎますよ。」

「はいはい。」

カララは倒れそうになりそうな美貌で笑っている。

「え?ラウル様なんですか?何を隠しているのですか?」

カトリーヌが聞いてくる。聞き逃さなかったらしい。

まだ少女のカトリーヌは察しが悪く、さらに追及してきた。するとちょっぴり大人のマリアが諭す。

「ラウル様も男ということです。」

「男?それは当たり前では?」

カトリーヌが疑問顔をしていると、ミノスがわきから話をはさんできた。

「カトリーヌ。ラウル様はそれはお強い男なのです。ある意味我々では遠く及ばないほどに。」

「わかっております。元始魔人の生まれ変わりなのでしょう?」

カトリーヌはわかってなかった。するとゴーグがあっけらかんと言う。

「ラウル様はすげえ溜め込んでるのさ!」

《やべっ!こいつはお子様だから何を言うかわからないぞ!》

「なにを?」

「何をってそりゃ・・」

「ゴーグ!ラウル様がおこまりだぞ!」

ギレザムが口止めする。

「あ、ああ。」

「えっとそりゃ魔力だよ。魔力が溜まってんだ!カトリーヌ。」

俺が説明をかわる。

「そうなんですね?でも私も休めば溜まりますよ、男と女とか関係ないのでは?」

みんな、あーあ。という感じで呆れた顔をした。

原因となる言葉をはいたカララをみる。

「カティ。あの・・それは後で私が教えますわ。」

「わかりました。」

ずっと一緒にいたのでカトリーヌとカララは仲が良かった。

《待って!後で教えるって何を?》

俺が念話で皆に話しかけると、全員が全然聞こえませーんみたいな顔をした。シャーミリアとマキーナだけは俺の手をとって微笑みかけてこう言った。

「ご主人様。そろそろ魔人の王子の務めを果たさねばならない時が来たのかもしれません。」

「えっと、ルゼミア母さんが言ってたこと?」

コクリ

全配下の首が縦にゆれた。

《そそそ、そんな。今は作戦行動中だし、帰ってからゆっくりと・・》

「はっはっは!ラウル様あまり悠長な事を言っておりますと、寝込みを襲われますぞ!」

ドランが大声で言う。

《だから!声に出すなって!》

あれ?

シャーミリア、マキーナ、ルフラ、カララ、ルピア、アナミス、セイラが舌舐めずりをしてるぞ。

「シャーミリアお前もか!」

「い、いえ!ご主人様!私奴はそのようなこと。」

「と、とにかくだ!ルタンの町長がご馳走してくれるそうだ、全員でパーティー会場に行くぞ!」

「「「「かしこまりました」」」」

45人全員で向かう。

ヴァンパイアの二人とスライムのルフラ、ファントムは食わないが一応会場にはいる。ファントムだけ立って警備をさせ敵対反応があったら容赦するなと伝えた。

オークも竜人もハルピュイアもサキュバスも人間よりの見た目になってしまった。ぱっと見は獣人と変わらないため、給仕をしてくれている人間もまったく恐れてはいないようだった。

まるでライカンのように変身出来るようになったらしい。

特にミノタウロスのミノスと竜人のドランの変化が著しい。頭の脇にツノがあるがミノスは牛の顔じゃなく人間なようになった。ドランもトカゲみたいな顔じゃなくなりウロコが消えた。

サキュバスもハルピュイアも羽根が隠せるようになり、サキュバスのツノも小さくなった。

あの戦闘にいた43の魔人全てが変わってしまった。

「すみません町長、こんなに沢山の料理をご用意いただきまして、ありがとうございます。」

「いえ、町を獣人達を救っていただいたご恩に比べたらこの程度。ぜひご堪能ください。」

「ではみんな!遠慮なく。みんないただこう。」

魔人の会食が始まった。

「それで町長、いつ敵が現れるか分からない状態だから、この町の警護を獣人達に頼みたいと思っているんだ。」

「なるほどそれは良いかと思いますが、獣人の半数は女子供です。兵士として動けるのは50人ほどかと。」

俺の問いかけにパトス町長が答える。

「そこでだ、人間の自警団を組織してもらいたいと思っているんだが?できそうかな。」

「戦後は町のギルドが機能していませんからな。ファートリアバルギウス連合の衛兵が占領軍としていましたし。自警団はありましたが解体させられました。」

「俺たちは皆を解放するためにきたからね。そこで俺達はシナ村をグラドラムとの間の補給拠点として復活させ、このルタンに軍事基地を作らせて欲しいと思っているんだ。」

「軍事基地ですか?」

「魔人国の傘下に入ってもらい、他国が復活した折にはラシュタルとシュラーデンとの貿易の窓口になってほしいんだ。」

「ただの町ですよ?本来はグラドラムの一つの町にすぎません。」

「いや、俺はこの町を国家として成長させるつもりなんだ。」

「はあ!?町を国家にですか?」

パトス町長はこれ以上ないくらいに驚いている。無理もない、元はグラドラムの端に位置するただの町だ。

「グラドラムはいま復興にむけてポール王は魔人たちと動いている。」

「えっ!ポール王が生きておいでですか!よかった本当によかった!」

パトス町長は身を震わせ、涙ながらに喜びをあわらにした。

「ああ、あの人はこの世界に必要な人だ。生きていてもらわねば困る。」

「それで?ここに国を?」

「森を切り開き居住地を拡大させ城壁で囲む。魔人国の大陸支部みたいなもんだが、拠点を作らせて欲しいんだ。ここを足がかりにして、ラシュタルとシュラーデン、ユークリットを奪還する。」

町長はしばらく考えこむようにしていた。

「一介の町長には身が重い話ですな。」

「獣人と一緒に防衛に当たるのは自警団だけじゃない。我が魔人国の兵士も駐屯する。」

「魔人国の兵士ですか?」

「ああそうだ。本来はこの町を素通りして罠を回避して進む予定だったんだが、ひょんなことから罠を破る方法を知ってしまってな。」

「ひょっとすると・・デイジー様ですか?」

「そうだ。」

また町長が考えこむ。

「じゃあデイジーさんも呼んでるんだ、同席しても良いかい?」

俺はマリアに目配せをした。

マリアがデイジーを連れてくる。

「パトスよ・・わしゃ良い話じゃと思うがの。」

開口一番デイジーさんが町長に話しかける。

「そういう事でしたか。デイジー様のお考えはすでにまとまっていたのですね。」

「あの屈強なバルギウスの兵を一夜にして滅ぼす軍隊など聞いたこともないわ。これ以上の仲間はどこをさがしてもおらぬぞ。」

「はい、聞いた時は本当に驚きました。」

「ファートリアバルギウスに一泡吹かせられるとするなら、間違いなくこやつらしかおらぬわ。」

「それほどですか?」

「じゃの。」

「わかりました。では協力させていただきます。」

「わしは協力すれば、最高の研究室がもらえるんじゃ!お前達魔人もさっさとワシを迎えにこい!」

デイジーさんの本音がでてしまった。

「ああ、デイジーさんには凄い薬作ってもらわないといけないしな。急ぐことにするよ。」

会食を終えてグラドラムに伝令をだす事にした。ハルピュイアの1人に書簡を持たせ飛んでもらう事にする。

シナ村の罠を解除しルタンを奪還したことで、西に領地を拡大できる目処がついた。補充要員をよこしてもらわねばならない。

ポール王とイオナ、ドワーフのバルムスに向けてこちらの要望と現状報告の書簡を手にハルピュイアは飛びたっていった。