軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

011_露店にはご注意を

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011_露店にはご注意を

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異世界転生6日目は買い物から始まる。

防具屋で頭、両腕、両足の装備を物色した。両耳と首は防具枠ではなくアクセサリー枠だから店が違うらしい。

・迷宮牛革のヘッドギア : DEF+4 VIT+1 MIN+1 耐久値13/13

・迷宮牛革のグローブ : DEF+4 VIT+1 DEX+1 耐久値14/14

・迷宮牛革のブーツ : DEF+4 VIT+2 耐久値15/15

アンネリーセの分も買おうとしたが、ヘッドギアは要らないと言われた。髪が乱れるのが気になるようだ。老婆が何をと言いそうになったが、女性のおしゃれに年齢は関係ないと思うようにした。

ヘッドギアの代わりに魔法使いの帽子を購入した。

・魔法使いの帽子 : MDEF+2 INT+2 MIN+1 耐久値9/9

・迷宮牛革のグローブ : DEF+3 VIT+2 耐久値13/13

・迷宮牛革のブーツ : DEF+5 VIT+1 耐久値14/14

同じ迷宮牛革のグローブと迷宮牛革のブーツでも能力補正に微妙な差がある。

これは今までで分かっていたことなので、できるだけ良いものを選んだ。

「初心者でこれだけの装備は誰もいません」

「そうなの?」

「あれを見てください」

アンネリーセに促されて見た方向には、村人の5人パーティーが居た。

「彼らは宿に泊まって食べるだけで資金が底を突き、防具らしい防具を装備していません。あれが初心者の実情です」

服に木の板を縫い付けている村人も居る。そういった工夫で少しでもダメージを軽減しようとしているのが分かる光景だ。

武器もかなり使い込んでいる銅の剣や銅の槍で、耐久値の上限がかなり減っている。

武器や防具はメンテナンスを何度も繰り返すと、耐久値の上限が減っていく。そして最後にはメンテナンスさえできなくなって壊れるのだ。そこまで使い続けるのは稀なことらしいが、人から譲り受けた武器は気をつけないといけない。

「アクセサリーを売っている店はどこかな?」

「アクセサリーまで買うつもりですか?」

「いけないかな?」

「いえ、装備を整えるのはいいことです。生還率が上がりますから」

「うん。俺もそう思う。だから案内してくれるかな」

アンネリーセは頷き、歩き出した。

案内してもらったのは大通りから脇道に入った、怪しげなものを売っている露店だ。

「稀に良いアクセサリーが見つかります」

アンネリーセは小声でそう言うと、地面に布を敷いてアクセサリーを並べた怪しげな露店の前で立ち止まった。

これは俺が詳細鑑定を持っている前提で連れてきたんだと思う。俺なら下手なものを掴まされないだろうという信用があるのだろう。

「良いものが揃っているよ。これなんか隣の国の王族が使っていたものだぜ」

ドジョウ髭を生やしたいかにも怪しいおじさんが、煌びやかなネックレスを見せてきた。

「今日は特別に10万グリルだ。これ以上お値打ちなものはないぜ」

王族のネックレスが100万円相当か。なんとも怪しいぞ(笑)

▼詳細鑑定結果▼

王族のネックレス(偽物) : 見た目が煌びやかなネックレス。装備としても装飾品としても価値はない。

さすがは怪しそうなおじさんだ。二束三文のネックレスを100万円とは、頭が下がる。

「大金だね……こっちのネックレスはいくら?」

地味な銀色のネックレスの値段を聞く。

「それは銀製のネックレスだから3万グリルだぜ」

▼詳細鑑定結果▼

鉛のネックレス : 含有率は銀が1パーセント、鉛が91パーセント、クロムが8パーセント。長くつけていると、鉛中毒になる。

銀は含んでいるが、これを銀製のネックレスとして売るその根性が凄い。しかも鉛中毒のおまけつきだぞ、これ。

こんなものを30万円で買うわけない。偽物を売るだけならともかく、病気にする呪いつきだから怒りを覚えるよ。

「それじゃあ、このピアスは? なんかショボイ見た目だけど?」

「それは500でいい」

地味でショボそうなピアスは5000円だった。

マジックピアス : INT+5 MIN+3 耐久値16/16

できればSTRやVIT、あとAGIが上がる装備が欲しかったけど、これはアンネリーセに丁度いい装備だ。

もちろん500グリルで購入した。店主は高くて役に立たないものを勧めてきたけど、買うわけがない。

「これ、アンネリーセがつけておいて」

「ありがとうございます」

他の怪しげな露店の商品も見て回ったが、どの店もゴミのようなものしか売ってなかった。でも最後に立ち寄った露店でいいものを見つけた。

「おじさん。これいくら?」

「それは金貨8枚だ」

金貨8枚は8000グリル。8万円くらい。

「それじゃあ、これは?」

「白金貨3枚だ」

3万グリル、30万円くらい。

「こっちは?」

「……銀貨3枚」

300グリル、3000円くらい。

嫌そうにそう言ったのは、安いからだろう。

俺は銀貨3枚を渡して購入した。

こういうのは日本でも異世界でも同じで、欲しいものの値段は最初に聞かない。いくつか確認したうえで、狙ったものを手に入れるのがセオリーだ。

俺が買ったアクセサリーは鈍銀色のネックレス。

幸運のネックレス : 即死を3回だけ回避する(3/3)

能力は上がらないものの、即死を3回も回避してくれる優れものだ。お守りとして丁度いいと思う。

これは俺がつける。即死がないだけで、気分が軽くなった。

「鑑定があるとこういった買い物に失敗しないけど、普通は騙される人も居るんだろ?」

「居ると思いますが、露店でまともなものが売られているほうが稀なのです。それでも買うという人は、損をするのを覚悟して買っています」

「そういったことを知らない人だっているんじゃないか?」

「いてもそれは自己責任です」

この世界は偽物を売っている奴が悪いのではなく、買う奴が悪いのか。

「悪質なものを買わされた時は、政庁に訴えることができます。粗悪品と知っていて高額で売るのは犯罪ですから、政庁がある程度は対処してくれます。ただ、露店の主人もそれが本物だと思って売っている場合がありますので、そういった場合は買った側の責任です」

レコードカードがあるから、粗悪品を高額で売ると犯罪歴に詐欺などが記録されるらしい。この世界はレコードカードのおかげで冤罪がほとんどないんだろうな。

何はともあれ、どう見たって怪しい人たちなんだから、その時点で買わないことが一番。自己防衛するのが当然だから、どうしても欲しいなら鑑定持ちを連れて行けということだな。

ただ、あの鉛中毒になるネックレスはダメだ。こっそり政庁にチクってやろう。匿名の投げ文(告発文)で動いてくれるといいんだが……。

こっそりなのは、俺が詳細鑑定を持っているのを隠すため。ユニークスキルは隠しておくと決めたから、それを疑われるようなことはしない。

その後、普通にアクセサリー店に行ったが、良い感じのものがなかった。能力アップのアクセサリーはあったけど、めちゃくちゃ高いんだ。安いものは50万グリルだから買えないことはないけど、買ったらお金が底をついてしまう。それにそこまで欲しい能力アップではなかったから、買わなかった。

これが適正価格で、露店で買った2つは掘り出し物なんだとアンネリーセは言う。俺もそう思うだけに、店に文句は言わない。

今日は買い物で1日が終わってしまったから、明日は朝からダンジョン探索だ。

今日買った防具でかなりDEF値が上がった。安心を買ったと思っている。