軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

植物園に行きます

今日はアーサーさんとマルクさんを連れて植物園に来ました。

「はいルビナお姉ちゃん」

マルクさんが先に馬車を降りて手を差し出してくださいました。

「まぁ! ありがとうございます」

マルクさんは紳士ですね。さすが侯爵家の嫡男というか、スマートすぎて感激しました。

「おいマルク、それは私の特権なんだぞ」

ジェイ様はアーサーさんの手を繋いでいました。アーサーさんは元気いっぱいなので目が離せませんものね。

「ジェイ叔父さんはアーサーの世話で大変だろう?」

アーサーさんを見ると早く植物園の中に入りたそうでした。

「預かったからにはちゃんと世話するよ。アーサーもマルクも一人で行動しない事! 走ってはダメだぞ、ちゃんと言うことを聞かないともう二度と(ルビナと)出掛けることはないと思えよ」

「「はーい」」

「ルビナお姉ちゃん行こっ」

わくわくした様子のアーサーさんに手を繋がれて植物園に入りました。そんな様子も可愛らしいですし、植物園は何度来ても楽しいものです。

「アーサーは良いな。僕もルビナお姉ちゃんと手を繋いで歩きたいよ」

「おまえはもう十歳だろう?」

「やっぱりダメか」

「アーサーが手を繋ぐのも本当はやめて貰いたいが、ルビナが良いのなら止められない」

「心が狭いね。ジェイ叔父さんは」

「どこが狭いというんだ?」

「そういうところ?」

「ジェイ様、マルクさん、先に行ってますからねー」

(アーサーと手を繋ぐルビナは女神のように神々しい。いつかルビナと子供ができたらこうやってたくさん出かけたい)

「え! 待ってよルビナお姉ちゃん!」

「マルク! 走るなよ!」

急いでルビナの元へ向かおうとしたマルクだったが、ジェイの言葉でぴたっと止まった。

「すぐ行くから先に行ってて」

ルビナは手を振って答えた。

しばらく歩くとルビナのお気に入りのバラ園があるはずだったのが、現在改装中となっていて周りは近寄れないようになっていた。

「あら? バラ園は改装中なんですね。残念です」

周りのお客さんも仕方がないからと、諦めていた。ここが有料だったら文句も出るだろうが無料の憩い場だから文句が出ていないのかもしれませんね。それにまだ見どころはたくさんありますものね。

「アーサーさん、チューリップを見に行きましょうか?」

「うん!」

色とりどりのチューリップを見ていたらジェイ様とマルクさんが来て合流することになった。

「たくさん歩きましたが、アーサーさんは疲れていませんか?」

「うん!」

「マルクさんも大丈夫ですか?」

「もちろんだよ」

アーサーさんはまだ幼いですから心配していました。慣れないところは急に疲れが襲ってきたりしますよね?

「そろそろ休憩がてらランチにしようか?」

「はい」

「「うん」」

レストランまでは坂道と階段になるので、ジェイ様はアーサーさんをおぶることになりました。いくら元気であっても子供の足では大変ですもの。

「ルビナお姉ちゃん大丈夫?」

「はい、ゆっくり歩けば大丈夫です。マルクさん、私に構わず先に行っても良いですよ?」

「ううん。ゆっくりと風景を見ながら歩くよ」

傍には小さなお花が咲いていてのんびり歩くのも悪くないですね。マルクさんは私に気を遣って歩調を合わせてくれました。元気な男の子ですもの。これくらいの坂や階段は駆け上がれそうですのにね。

「はぁ、やっと上まで来ましたね」

「ルビナお姉ちゃん、このレストランには来たことがあるんだよね? いつもどうやって来てきたの?」

はぁ。はぁ。と息をする私を見ながらマルクさんは不思議そうな顔を見せました。

「それはジェイ様が腕を貸してくださったり、手を繋いでくださったりですよ。自分一人で登ってきたのは初めて? ……ですね」

やり切った感? があります! しかし腕を借りると一人より楽に登れるものなんですね! ジェイ様に感謝です。

「女の人一人じゃ疲れちゃうよね。でもこれだけ登ってくると景色が違うものなんだね。風も心地いいし上から見ると、チューリップが絵になっているんだね!」

「えぇ! 素敵ですね」

マルクさんとチューリップを眺めているとジェイ様が来て言った。

「凄いだろ? ここまで登らないと分からないんだ。ここはレストランだから貴族向けだけど、市民向けの展望台も作っても良いかもしれないね」

「それだと市民も喜ぶだろうね」

「そうだといいな。後でまたゆっくり見るとして、中に入って休憩しよう」

案内された場所は外側が大きなガラス張りになっている個室だった。太陽の光が心地よく入ってきて明るい雰囲気だった。

アーサーさんは外食が初めてだから人がたくさんいると緊張するかもしれないので、私たちだけでのんびり食事をするみたいです。アーサーさんは上手にナイフもフォークもスプーンも使えていました。

これならどこで食事をしても恥ずかしくないレベルですね。

うちは子爵家で高位貴族の方とこうやって食事をする機会がありませんでしたので、ジェイ様との婚約を機にマナーの先生に習っていました。

高位貴族の方のマナーとは違う点も多々ありますし、お義母様やジュリアンヌ様とお茶会を通じて学ぶことも沢山あります。

私はとても恵まれている。と思いました。