軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

お茶会

「今日お呼びしたお客様は我が家と懇意にしている家の令嬢なのよ」

本日はジェイ様の実家でお義母様とお茶会です。ジェイ様のお兄様の奥様であるジュリアンヌ様もいらっしゃいます。

「ルビナさん、そんなに緊張しなくても大丈夫よ」

ジュリアンヌ様は優しい方で、私がお屋敷にお邪魔している間もよく声をかけてくださいます。

「はい、ありがとうございます」

「ルビナさんが来てくれると、息子達も喜ぶからいつでも遊びにいらしてね! 私も妹が出来たみたいで嬉しいのよ」

「ジュリアンヌ様、ありがとうございます。私もお姉様が出来たようで嬉しいです」

ジュリアンヌ様は二人の男の子のお母様で、面倒見のいい方でお世話になりっぱなしです。

「私も嬉しいわ。息子ばかりでむさ苦しかったところにいい子達がお嫁に来てくれたのだもの」

むさ苦しいだなんて……ジェイ様もお兄様方達も清潔感あふれる素敵な方ですのにね。

「さぁルビナさん、お客様をお出迎えしましょう」

「はい」

お義母様に言われ、お客様をお迎えした。侯爵家と懇意にしている家の令嬢が五人。そしてお茶会は始まった。

「うちの三男ジェイの婚約者でローゼン子爵家のルビナさんよ。皆さん仲良くしてね」

「はじめまして、ローゼン子爵が娘ルビナと申します。よろしくお願い致します」

挨拶をすると招待された令嬢達も自己紹介をしてくれました。皆さん私よりも少し歳上でしたが、仲良く出来ると良いなと思いました。

お義母様の姪であるアリス様は伯爵令嬢で、おっとりとしていて、半年後にご結婚するのだとか。ウェディングドレスの生地はジェイ様に注文したらしいです。

「ジェイ様とは幼い頃から遊んでいましたので、よく知っているのですよ。伯母様のお茶会に招待していただいてよくお話をしていて、お兄様のような感じですのよ」

お義母様はお茶会がお好きだと聞いていましたし、親戚の方をよく呼んでいたとも聞いていました。アリス様もそうでしたのね。

「ジェイ様の昔の話を聞かせていただけますか?」

アリス様に聞いてみました。

「えぇ。もちろんですわ。ジェイ様は読書が好きで寡黙な方でしたのよ。芸術的な本もよく読んでいらしたのが印象的ですわ」

「昔から変わらないのですね。今も芸術家の方と交流をされていますもの」

「劇団の公演もジェイ様の声掛けの成果と聞きましたわ。わたくしも今から楽しみにしていますのよ」

劇団の公演は大好評で今年は二回目の公演となるのです。

アリス様は穏やかでお話好きのようで、お友達になれそうね。と言ってくださった。

「結婚式にはジェイ様といらしてね」

「はい。喜んで」

お茶会を楽しんでいるとジュリアンヌ様の長男マルクさんが挨拶に来た。皆さんに挨拶をして、私の隣に座った。

「ルビナお姉ちゃん後で一緒に本を読もうよ」

「えぇ。マルクさんの選ぶ本はとても興味深い内容ですもの。勉強になりますわ」

マルクさんは現在十歳で他国の文化に興味があるようで、まるでジェイ様のようです。

「まぁ。子供の読む本を読んで勉強になるだなんて子爵家ではどういう教育をされているのかしら?」

くすくすと笑う令嬢。お義母様やジュリアンヌ様に聞かれないような声でした。

「ルビナお姉ちゃん、気にしなくて良いから」

こそっとマルクさんが耳打ちしてくれました。私は全く気になりません。

「私はマルクさんと本を読んでいる時間が好きですから気になりませんよ」

笑顔で答えました。

「ジェイ叔父さんに相手にされなかったから、ルビナお姉ちゃんに嫌がらせしているんだよ」

こそっとマルクさんが言いました。

「おばぁ様はお茶会が好きだから、よく来ていたけれどジェイ叔父さん狙いだったんだよ。ジェイ叔父さんは相手にしなかったけどね」

「な! 聞こえていますわよ! いくらジュリアンヌ様の子息と言っても失礼ですわ!」

「失礼なのは貴女だよ。ルビナお姉ちゃんはジェイ叔父さんの婚約者だし叔父さんは溺愛? してるしルビナお姉ちゃんの家をバカにするような発言も聞こえた。ジェイ叔父さんがこの話を聞いたらどうするかな……なんでお茶会に呼ばれたかわからないの?」

「マルクさん、騒ぎを起こすのは……」

令嬢の顔が……怒っていますわよね。

「良いんだよ。叔父さんに相手にされないからルビナお姉ちゃんに嫌がらせしてくるというのは想定内だったんだ。もし嫌がらせをしてくるようなら、もう親戚付き合いはしないという警告だよ」

「……え?」

令嬢が驚くように呟き目は見開いていた。

「そりゃそうでしょ。おばぁ様も、母上も分かっているんだ。叔父さんが面倒くさくて令嬢達と関わらなかったのを良い事に、自分が婚約者だと言わんばかりにジェイ叔父さんにまとわりついていた」

……知りませんでした。そんな事ジェイ様から聞いていませんもの。

「ルビナお姉ちゃんの悪い噂を流そうと頑張っていたようだけど、誰も相手にしなかったから広がらなかったよね? 貴方は家にも見放されているんだ」

悪い噂? って……

「ルビナお姉ちゃん、ごめんね。もう直ぐ終わらせるから」

ま、マルクさん? 黒い笑みを浮かべて……

「ルビナお姉ちゃんに何かをしようとしても無駄だから……ジェイ叔父さんはそういうのも全部含めて対応しているから、これも持って帰ってね」

何かの小瓶? ですね……マルクさん一体……? その小瓶をポイっと令嬢の元に転がしました。