軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

侯爵様、初めまして。

「わぁ……」

……白亜の……お城? 上品で外国風? 門をくぐって建物の全体を見上げた。

ここはどこかというと……

「レオがルビナ嬢を勝手に招待したと聞いて驚きました……どうぞこちらへ」

申し訳なさそうにジェイ様が出迎えてくれた。

「お邪魔します。良かったらこれを。母が持たせてくれました」

お母様の実家で作っているワインとチーズだった。ここ何年かで一番良い出来のワインだと言う。

「これは……良いんですか? レオがいるから気を遣って下さったんでしょう。逆に申し訳ない事をしました。後から子爵家にレオからお礼を届けさせます」

「いえ。これはいつもお世話になっている気持ちだと言っていましたので、気になさらずに」

挨拶をしていたらレオ様が現れました。

「ルビナちゃんようこそ。ここには初めて来たのか?」

「レオ様。ご機嫌よう」

スカートの裾を持った。

「堅い挨拶は抜きにしよう。ジェイの友人として気軽に接して欲しい」

……むりです。が、なんとか微笑みました。うまく笑顔を作れているかしら。

「ルビナちゃんが来るからジェイが張り切ってお茶の用意していた、ぐえっ。痛いなっ」

ジェイがレオの脇腹を小突く。

「余計な事を……でもあながち間違いではないのですが……庭が見渡せるサロンがあるんですよ。ご案内しますね」

「ジェイ、ちゃんとエスコートが出来るんだな」

「外野が五月蝿いですがお気になさらずに。さぁどうぞ」

ジェイ様とレオ様は本当に仲が良いようです。タイルが埋め込んである廊下が可愛らしいです。

「変わった様式ですね。ジェイ様はこのお城が気に入ったと言っておりましたね」

「覚えていてくださったのですね。広さはさほどありませんが、とても気に入っています」

……うちの王都の邸より大きいですよ? 侯爵家は一体どれほどの大きさなのでしょうか……想像もつきません。

「ちょうどいい大きさだよな。眺めもいいし」

これはお金持ちの会話ですよね。元王子に侯爵令息……

「どうかしましたか? こちらにどうぞ」

「あ、ハイ」

……一面ガラス張り! こんなに綺麗で大きなガラスをこんなに沢山?!

「凄いですよね。当時の最先端だと思います。最近はサロンがガラス張りというのは珍しくなくなっていますが、この城の持ち主だったデュランド伯爵は大層進んだ考えをお持ちだったと思います」

「ステンドグラスが嵌め込んである廊下も見事だよなぁ」

ステンドグラスは教会でしか見たことありませんでしたが、白壁に当たると幻想的でした。

「お庭にはハーブが多いようですね」

見たことのあるハーブが生い茂っていました。

「シェフが庭のハーブを使って料理やお茶を作っています」

「今日は風が冷たいので閉めてありますが、春先はとても過ごしやすいので、よろしければまたお越しください」

「ハイ」

「約束が出来ました。さて、お茶が冷めてしまいますね。さぁこちらへどうぞ」

ジェイ様のペースです。レオ様は笑顔でその様子を見ていました。それから大人しく席に着きお茶を楽しみました。

変わったお茶だけど美味しい。聞くとレオ様がお土産に持ってきたお茶だと聞きました。これはロイヤルなお茶なのかもしれません……味わいましょう。

レオ様が私を招待した理由を聞くと、ジェイ様との学生時代の話を聞かせてくれるようで、懐かしそうに話をしてくれた。

「ジェイは細いからな、よくいじられていたよ。でも全く気にしてなくて、この国に来て驚いたよ。ジェイ普通より鍛えてるなって。うちの国じゃ虚弱体質だろ」

え? そんなに?

「言い過ぎだ。私より細い奴はゴロゴロいただろ」

そうですよね。ジェイ様で虚弱体質? ならばこの国の大半は骨と皮ですよね……(言い過ぎ)

「俺らの中では一番細かったからモテなかったけれど、他のグループだったらモテていたのかもな」

はっはっは……と豪快に笑うレオ様。

「ないだろうな。ゴリラが人気なんだぞ」

ふふっゴリラだなんて……言い過ぎですよね。楽しい会話は続く。

「ルビナちゃん、こいつは夕方の訓練をサボって、劇団員や職人と話をしに行くような変わった奴だったよ」

「朝と昼の訓練は付き合っていただろう。一日中訓練なんて脳みそも筋肉になってしまう……」

ジェイ様はレオ様と話をしている時は砕けた話し方になるので新鮮ですね。お二人の楽しい話を聞いていたら何やら扉の外が騒がしいようです。

「ん? ちょっと失礼。騒がしいようなので確認してきます」

ジェイ様が立ち上がり扉を開けると……

「ジェイ! レオナルド殿下に何かあったのか?!」

「父上? レオはそこで菓子を食べていますが……」

え? 父上? と言うことはハドソン侯爵閣下?

すぐに立ち上がり礼をした。

「おや? お客様がいらしたのか? これは失礼」

「ハドソン侯爵呼び出して悪かったな。そちらの令嬢はローゼン子爵令嬢ですよ」

レオ様から紹介を受けました。

「申し遅れました。初めてお目にかかります。ローゼン子爵が娘ルビナと申します」

な、なんで……こうなったの?

「畏まらなくて良い、私はジェイの父です。先日ローゼン子爵と話をしていたんだよ。急に邪魔して悪かったね。レオナルド殿下どう言うことですか?」

何かあっては国の威信に関わる事ですよね。

「あぁ。ルビナ嬢と会って話が出来たから近い内に国へ帰ろうと思い、侯爵に挨拶をしようと思っていたんだ。ジェイには世話になったし気兼ねなく過ごせたから、これを渡しておくよ」

何かの書類を侯爵に渡していた。仕事の話のようだった。

「ありがとうございます。是非この内容で進めていきたいと思います」

「うん。末長くよろしく頼む。俺の結婚式にはルビナちゃんも招待しようと思ってるんだ」

……え? 私?!