軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

お兄様にプレゼント

今日はシンシアさんとお兄様の誕生日プレゼントを買いに来ました。シンシアさんは既にプレゼントを用意してあるようだけど私の買い物に付き合ってくれて、久しぶりの街歩きです。

外出禁止も解禁となり『お兄様の誕生日プレゼントをシンシアさんと選びに街に行ってきます。お兄様にはナイショにして下さい』とお母様に言いました。

『あらそう。シンシアさんとなら文句はありませんよ。楽しんでいってらっしゃい』

と言ってあっさり送り出してくれました。お兄様の誕生日は身内でパーティーをする予定です。高貴な家だと大掛かりなパーティーとなるのでしょうが、お兄様は『面倒だ』と言って身内のみのパーティーになりました。“面倒だ”と言うところが実にお兄様らしいです。自分の事は面倒なんだそうです。

「ルビナさん、どこへ行きましょうか?」

シンシアさんと馬車の中で話をしていた。もうすぐ街に着く頃です。

「男性用のお店は知りませんが……」

と言ってふと思い出す!

「行きたいお店がありました」

そうだ。ジェイ様のお店に行こう。以前送ってくれた女性のスタッフさんもいるかもしれません。

「それではそのお店に行きましょうどの辺り?」

場所を伝えると御者は分かったようで、近くで降ろしてくれた。そして少し歩く。

「最近人気のお店のようね。ルビナさんは知っていたのね」

シンシアさんにはディートに置いて行かれた事を話してなかったので、置いてけぼりにされた事や学園での暴言について話をした。

お兄様はシンシアさんに理由は言ってなかったみたいで、私もシンシアさんに聞かれなかったし、落ち着いたら私からちゃんと説明したいと思っていた。それでジェイ様のお店を知っていたのです。と。

表向きな婚約の解消理由は相手側の重大な契約違反? となっている。

「最っ底! なんていう事でしょう! そんな男とルビナさんが結婚しなくて良かったわ!」

「でももう終わった事です。私はスッキリしましたよ」

笑顔でシンシアさんに言うとシンシアさんは不思議そうな顔をした。

「ルビナさんは強くなったわね。今はなんていうか……楽しそう?」

「確かに凄くショックを受けて泣いてしまったんです……でもソフィアさんやクラスの皆んなに勇気を貰って、ディートとの事を俯瞰するようになったら辛い思いまでして一緒に居たくない。って思って……お兄様に相談したんです。お兄様も私の味方になってくれて、それでパーティーを迎えてしまって」

「なんとなく聞いては居たけれど、そんな酷い事を言われたのね……辛かったわね。ルビナさんは可愛いからすぐに良い人が見つかるわよ」

首を左右に振る。

「暫くはそういうのはいいかな……有難いことに釣書は届いているみたいですけど、お断りしてもらっています」

どこで聞きつけたんだろうか……とお父様は首を傾げていた。

「そう? それならルビナさんが良いと思った人が居たらその時には教えてね。ルビナさんが今楽しいなら良かったわ。今度はソフィアも連れてまた女同士で遊びましょうね」

そんな話をしていたら店の前に着いた。この守衛さんには見覚えがある。

「あ……先日はベンチを何時間も占領してしまい申し訳ありませんでした。そして気にかけてくださっていましたよね? ありがとうございました」

守衛さんは私の事を覚えていてくれたらしい。

「無事に家に帰られたようで安心しました。ようこそおいでくださいました。どうぞ」

と言って扉を開けてくれた。

“カランコロン”と心地のいい音を立てて扉が開く。

「いらっしゃいませ。おや? ルビナ嬢でしたか。本日はどう言ったご用ですか?」

ちょうどジェイ様が出迎えてくれた。

「こんにちは。兄のプレゼントを探しにきました。こちらは兄の婚約者でシンシアさんです」

「ようこそいらっしゃいました。私はこの店のオーナーをしています。ジェイ・ハドソンと申します」

「ご丁寧に痛みいりますわ。シンシア・ロバーツと申します」

二人とも貴族らしく自己紹介をしていた。

「ロバーツ伯爵家のお嬢さんですね。どうぞごゆっくりご覧ください」

ジェイ様はシンシアさんの家のことを知っていたようだった。キョロキョロと周りを見渡す。

「先日送ってくださったスタッフの方はいますか? お礼を言いたくて……」

守衛さんにはお礼を言えたから次は彼女にもお礼言いたいと思いました。

「あぁ。今日は残念ながら休みなんですよ。ルビナ嬢が来た事は伝えておきます」

これは残念だけど仕方がない……

「そうなんですね。それではまたの機会にします」

「ルビナ嬢ならいつでも歓迎ですよ。またいらしてくれると言うことですね。お待ちしていますね」

あ、あれ? ジェイ様のペースになっているような……

「ロバーツ嬢がお待ちですよ。よろしいのですか?」

「あ……」

頭を下げてシンシアさんのところに行った。

「これもいいわねぇ」

コインケースを物色していた。男性物はシックな感じなのかと思いきや、オレンジやイエローなどの明るい色も取り揃えてあった。ビタミンカラーと言って明るい色を持つことにより気持ちが明るくなったりする効果もあるようだ。マネークリップも種類豊富で目移りしてしまうほどだ。

ネクタイ、ネクタイピン、カフスボタン……うーんどうしよう。

「何か気になるものがありましたか?」

考え込んでいたらジェイ様に声をかけられた。

「ネクタイピンにしようかと思うのですが、たくさんあって目移りしてしまって」

何点か気になるものをケースから出してくれた。

「ふむ。お兄さんは普段何色のネクタイを好んで付けているのかな?」

「普段は暗い色のものが多いです」

シンシアさんも頷いた。

「ルビナ嬢のお兄さんはルビナ嬢と同じシルバーヘアーだったね。それならシルバーのものがいいんじゃないのかな? この艶消しのシルバーは新しいデザインでおすすめだよ」

わぁ。おしゃれな感じがする。お兄様の髪色に合わせると確かにいいかも。艶消しのシルバー? も落ち着いていてかっこいい。

「素敵ね。これにしたら?」

シンシアさんも気に入ったようだ。

「そうですね。これにします。包んでもらえますか?」

プレゼントは決まった!