軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

330 絵面地味でもやってるほうは大変なんです

追いかけられる。

逃げる。

妨害する。

うん。この繰り返し。

なに?

描写少ねーぞおら?

そんなこと言われたってしょうがないじゃん。

特に語るようなことないんだもん。

そりゃね、時間経過とともに変化していくことはあるよ。

分体たちは刻一刻と黒のフィールドを侵食し、徐々にその勢力を増してきている。

とは言えさー、それだって黒は妨害してきてるわけで、進み具合は亀の歩みなんですわー。

黒も完全にフィールドを塗り替えられたらまずいってことはわかってるわけで、分体の動きを自分のフィールドの力を使って鈍くしてるわけですよー。

地味だけどこれも立派な戦いなわけ。

描写はできないけど。

だって、地味だし。

そもそもこの黒のフィールドを塗りつぶすのにもメチャクチャ時間かかりそうだしなー。

さっきからずっと逃げ回ってるのに、フィールドの端が見えてこないんだぜ?

わーい、広ーい!

ないわー。

いくら分体たちが浸食を頑張っても、これ全部塗りつぶすのはムリじゃね?

実際どれくらいの広さがあるのかわかんないけど、今のペースだと一日二日で終わるとは思えない。

けどほら、千里の道も一歩からって言うじゃん?

気分的には千里の道の砂利を一個一個拾って色塗りしている感じ。

そんで千里の道を私色に塗り替えるんだー。

ふふ、千里の道の一歩が進めぬー。

大体からしてさあ、見てるほうは地味なバトルに見えるかもしれないけど、やってるこっちはものすごく真剣なんだからね!?

ほら、フルマラソンとかさ、あれって見てるほうからすると延々走ってるだけの競技じゃん?

けど、走ってる本人はメッチャ辛い思いして走り続けてるわけだよ。

それと同じ!

地味に見えるけど、こっちは命かけてバトッてるんだから、地味とか言うな!

地味で時間かかってしょうがないけど、こっちは命懸けなんじゃボケ―!

イヤ、もうホントね。

時間かかって仕方がない。

決着がつくまでにいったい何日かかるかな、これ。

下手すると一ヶ月とか。

一年、はさすがにない、と信じたい。

ていうか、時間かかって困るのは黒のほうだろうし。

黒がどこまで私の計画を見抜いているのか知らないけど、時間をかければかけるほど、私が有利になる。

なんせ、こうしている今もシステムへのハッキングは継続されているんだから。

時間をかければシステムの完全掌握ができ、その瞬間私はシステムを崩壊させ、システムを維持していたエネルギーを用いて星を再生させて、女神を解放する。

その際、スキルやステータスなんかは人々から回収される。

スキルやステータスが多いほど、その時の負担は大きくなり、何度も転生して弱っている魂ではそれに耐えられず、死んじゃうわけだ。

最悪魂も消滅するだろうね。

私の予想では、システム崩壊後のごたごたとかも含めて、生き残れる人類の数は最大で今の半数。

最少?

ゼロでしょ。

まあ、ほら、あれだ。

そこはほら、生き残った人たちがアホなことやらかさないとそこまであれな状況にはきっとならない、はず。

少なくとも転生者は生き残れるように魂にフィルターかけて、システム崩壊の余波を受けないようにする予定だし、他にもこいつはと私が思う連中には同じ処理をするから、生き残りがいないって状況はない。

それでもゼロになる場合は、システム崩壊後にまあ身内同士でわちゃわちゃやった結果なんじぇねーの?

私はそこまで知らん。

そこまでの面倒は見切れぬー。

女神はそれが受け入れられない。

そして、黒はその女神の意志に従って動いている。

であれば、この膠着状態は黒にとってよろしくないものだと予想できる。

時間かければかけただけ、私の計画発動までのリミットが近づいてくるわけだからね。

ふうむ。

となると、黒がどこまで知ってるのかで今の状況っていろいろと変わってくるな。

黒が何も知らない場合。

これは私がガン有利。

だってこのままタイムアップを目指せばいいだけだもん。

黒が気づいた時には時すでに遅し。

私に勝とうが負けようが、戻った時には全てが終わった後だったエンド。

黒がリミットがあることを知ってる場合。

この場合だと2パターンに分かれる。

1つ目は、機を窺ってるパターン。

何かしら私を倒しうる必殺技的なものを隠し持っていて、それを発動するための準備をしてる。

もしくは、私と同じように時間を稼いでるパターンか。

この場合は私にとってあんま歓迎したくない状況だな。

どっちにしても私に察知できないところで、私にとってよくないことが進行してるんだから。

とは言え、私を倒せる必殺技があるのなら、最初の不意打ちでかましてればいいわけだし、時間稼ぎにしても稼いだ時間で何するのか見当もつかないしなー。

だって時間稼ぎたいのはこっちも同じだし。

うむむ。わからん!

2つ目は、まあ、ないとは思うけど、黒が本当に攻めあぐねているパターン。

このまま時間が経てば経つほど、私の有利になっていくことはわかってる。

けど、攻められない。

そんなパターン。

まあ、ないな。

だって黒のほうがはるかに格上なわけだし。

ここまで順調すぎるくらい順調に奇襲のマイナスをリカバリーできてるほうがおかしいんだよねー。

いったい何を企んでるのやら。

それがわからないのが怖い。

んー。

マジで何企んでんだ?

時間を稼ぐことで黒が有利になる状況って何だ?

黒が動かせる手駒で、私の予想を上回ることはできない。

となると、私が知らない駒がある?

とは言え、それだってあるとは思えないんだよなー。

何か見落としがある?

ない、はず。

だとしたら黒の狙いはなんだ?

……マジでわかんないんですけどー!

むう。

わかんないことを考えても仕方がないか。

今は目の前の戦いに集中しないと。

絵面地味でも。

絵面地味でも!

おや?

黒が転移をしようとしている?

距離が空いちゃったから空間跳ばないと追いつけないと判断したのか?

え?

イヤ、でもそれ、悪手だよね?

黒が転移を発動。

私のすぐ目の前にまで空間を繋いで跳んでこようとする。

「ぐあ!?」

けど、私はその術式に干渉。

それによって術式は乱され、結果生まれた歪曲した空間にその身を突っ込ませた黒はダメージを受けた。

扉を開けながら飛び出そうとしたら、その扉に鍵がかかってて開かず、そのまま衝突したみたいな。

状況は全く違うけど、それに近い気がする。

ちなみにその扉の鍵をかける行為が、私の術式干渉。

今のこのフィールドは、黒のフィールドと私のフィールドが混じり合って、互いに妨害しあっている不安定な場となっている。

そんなところで転移のような高度な空間操作をしようとしても、相手の干渉によって失敗に終わるのは目に見えている。

ただ不発に終わるだけならいいほうで、今みたいにちょっとした干渉で暴発。

大ダメージなんてこともありえるわけで。

そんな初歩的なミスをするなんて、どういうことー?

……マジで黒の意図が読めん。