軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

326 クソゲーオブザイヤー受賞を逃す

ああああー!

あー、もう!

やってくれたな!

なんかしてくるだろうとは思ってたけど、ここまで大胆に干渉してくるとは。

そりゃね、Dからしたらこのままっていうのは面白くないよね。

だからこの結果は想定内。

想定内だけど、だからって言ってムカつかないわけではないのですよ。

今から殴るからな! 殴るよ! って言われて身構えてて、実際殴られたらそりゃ痛いしムカつくに決まってるじゃん。

私の理想は、このまま何事もなく裏で暗躍して結果に直結することだった。

まあ、要するに誰にも気づかれることなくシステムぶっ壊せればそれで私の勝ちだったわけだ。

人々が気づいた時にはシステムは崩壊し、その余波でまあ、死にまくるけど世界と女神は救われるっていう。

被害甚大な人類からしたらとんでもない大災害が、何の前触れもなく起こったような感じになっちゃうけど、私としてはそれが一番楽で障害がない。

けど、そんなことをあのDが許すだろうか?

イヤ、ない。

反語。

ゲームで言えばラスボスが暗躍してて、主人公がヒントもないからそれに気づくことなく、唐突にゲームオーバーになるようなもん。

なんというクソゲー。

そういうのはどっかしらに、ラスボスが暗躍してるよ! 止めないとまずいよ! っていうヒントがあるもんじゃん。

そして主人公たちはラスボスのたくらみを潰すために立ち上がるのだ!

いくら何でもヒントなしでいきなりタイムリミット設定されてて、関係ないところで冒険してたら急にゲームオーバーになりましたじゃあ、ゲームとして成り立たない。

けど、ラスボスからしてみたら、そのほうが楽なんよねー。

なんで好き好んで敵対するかもしれない相手にヒントあげなきゃならんのさ?

黙って暗躍してたほうがいいに決まってるじゃん。

ゲームって悪役側に不利すぎると思うんだ。

そして、ここはステータスだとかゲームっぽい要素があっても現実。

じゃあ、ゲームみたいにする必要もないよね?

暗躍暗躍。

ふはは、気づいた時にはもう手遅れさ!

そう、したかったなー。

この世界はゲームじゃない。

けど、神の遊戯盤ではあるんだよなー。

はた迷惑なことに。

これでゲームとしてちゃんと成り立つ条件が整っちゃいましたよ。

さて。

私がゲームのラスボスとすれば、それに敵対する勢力は誰か?

まず、教皇。

教皇は人類、その中でも特に人族のために動いている。

人類の守護者と言っても過言じゃない。

その人類に仇なすことをしようとしている私とは、確実に敵対する。

説得とか考えるだけ無駄。

あの魔王が精神の化物と称するだけあって、その意志を挫くことは不可能だもんよ。

年季の入りまくった頑固オヤジは馬の耳よりも聞く耳もたん。

教皇の厄介なところは、絶対に敵対するとわかったうえで、支配者スキルの一つ、節制を持っていること。

システムの裏メニュー、システム崩壊のキーとなる支配者権限の一つを所持している。

力技でそのキーをこじ開けることも、今の私にならできなくはない。

けど、それをしたら後にどんな悪影響が出るか予測ができないのも事実。

だから、安全策をとるならば、全ての支配者権限を掌握しておきたい。

その一つを敵側に握られてるっていうんだから、厄介極まりない。

節制の支配者権限を得るには、教皇を説得して譲渡してもらうか、もしくは教皇を亡き者にするか。

だーかーらー、説得とかムリだって言ってるだろ!

というわけで、教皇の未来は確定っと。

あと敵対するのが確実なのは、バルト。

これまで魔王の補佐をずっとしてきた男。

意外?

これがそうでもない。

バルトは魔族のために身を粉にして働いてきた。

方向性は違うけど、教皇や同じく魔族のために奮闘していたアーグナーに通じるところがある。

バルトが魔王に従っていたのは、それが魔族にとって最良だと判断したから。

魔王という絶対的な脅威に敵対するよりかは、迎合してその矛先が魔族に向かうのを避けていただけ。

魔族の存亡にかかわるというのであれば、その原因である私と敵対する覚悟も決めるはず。

魔王に挑んで全滅するか、人族と戦争して多大な犠牲を出しながらも生きながらえるか、その難しい選択を決断したバルトであれば。

……胃に盛大に穴が開くかもしれないけど。

あとは、最大の問題、黒。

あいつは、ヘタレだけど、きっと私と敵対する。

だって、私のしようとしていることは、救われる当人である女神が望んでいないんだから。

その女神のためだけに生きている黒が、女神の願いに反することをするはずがない。

ふう。

そうなんだよなー。

問題を一番ややこしくしているのは、その女神なんだよなー。

こっちは女神を救うためにいろいろしているっていうのに、その女神は自分そっちのけで人類のためにその存在を消滅させようとしている。

救おうとしているその本人が、救われようと思っていない。

しかも、救おうとするその手段が、女神の意に反する人類の大虐殺。

そりゃ、女神さん激おこですわ。

私たちのやろうとしていることって、傍から見れば悪だろうね。

けど、それでもやる。

だって、魔王がそう望んだんだから。

世界の全てを敵に回してでも、救った本人から恨まれても、それでもやるって決めたのは魔王だから。

そんな魔王に、味方がいてもいいじゃないか。

だから、腹は決まっている。

Dがやらかそうが誰が敵になろうが。

けどさぁ。

このタイミングはないんじゃないかい?

先生が厳しい目で睨んできます。はい。

ああああー!

あー、もう!

やってくれたな!

……どうしよう、これ?