軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

281 もぎますか?

会議が終わると、ぐったりとした軍団長の皆さんがノロノロと退室していく。

意気揚々としてるのは魔王だけ。

鬼くんでさえ疲労の色を顔に出してるんだから、相当だよね。

ていうか、バルト大丈夫か、あれ?

死相が顔に出てるんだけど。

会議では、各軍団を統合して急ごしらえだけど人数をそろえた軍団にまとめなおす案が採用された。

今回会議に参加しなかった黒とおっぱい星人のところは、そもそも被害を受けてなくて再編の必要がないから呼ばれてない。

ていうか、おっぱい星人は自分でやらかした猿の監視という名目で砦付近に陣を張ったまま動こうとしない。

強制招集でもかけなければてこでも動かないんじゃないかな。

再編内容は、ショタが率いていた第六軍の残党を第五軍に編成しなおし。

チンピラの率いていた第七軍を第三軍に編成しなおし。

メラのところの第四軍と鬼くんのところの第八軍は現状維持。

こんな感じ。

メラのところと鬼くんのところはエルフの里を攻略する際にも引き連れていく。

どうせ一緒に動かすことになるわけだけど、今下手に再編しなおすよりかは、それぞれのところでやらせたほうがいいという判断らしい。

武士もどきの率いる第五軍は魔族領防衛に残していく予定なので、人員を補充。

同じくアホ巨漢率いる第三軍も防衛組なので、人員を増やす方向であっさりと決まった。

細かい調整はもちろん入るけど、おおむねそんな感じ。

つまり、エルフの里にカチコミを入れる軍団は再編なし。

防衛組が再編して戦力を補充する。

普通逆じゃねと思うけど、ぶっちゃけ軍団なんて数合わせでしかないから、頭さえいればどうとでもなるんだよね。

本当に戦力として考えられてるのは、メラと鬼くんのみ。

他は死んでもかまわない捨て駒みたいなもん。

ステータスの差って残酷よね。

さてと、他の軍団はこれから異動させる人員のリスト作成なんかで忙しくなるだろうけど、うちの第十軍はそのまま変化なしなので暇になる。

フェルミナちゃんが復活したし、運営は任せてよし。

だから、私はちょっとお出かけ。

惰眠をむさぼっていた吸血っ子を叩き起こし、無理矢理引っ張っていく。

「ああ。またなのね。また何の説明もなく拉致されるのね」

なんか吸血っ子が変な悟りを開いてるけど、無視だ無視。

吸血っ子をひっつかんだまま転移。

転移した先で、お猿さんの顔がドアップで目の前に。

「え?」

吸血っ子も同じくお猿さんとご対面してる。

「一匹残らず殲滅してね」

「え?」

そのまま吸血っ子を残して私は転移する。

なんか「ちょっとー!?」という叫び声が聞こえた気がするけど、きっと気のせい。

そろそろ砦を占拠してる猿が邪魔になってきたので、お掃除することにした。

なに、猿くらい数万、十数万いようと吸血っ子なら勝てる勝てる。

どうせ一匹殺したらあとは勝手に向かってきてくれるんだから、逃がしようがない。

逃げようもないけど。

猿はいつか始末するつもりでいたんだけど、なんでこのタイミングにしたのかというと、第二軍のおっぱい星人に怪しげな動きが見られたから。

ていうか、思いっきりエルフと接触しやがった。

まさか、世界中の拠点を潰されたその直後に魔族軍の幹部と接触を試みるとは思わんかったよ。

しかも、おっぱい星人ホイホイその案に乗っかってるし。

やっぱり栄養が全部胸に行ってる奴は頭の中身空っぽらしい。

同じ提案をされて、保留にしたアホ巨漢のほうがまだ頭の中身があったらしい。

アホとか言ってごめんよ。

けど、やっぱりすぐに断らない時点でアホなんだ。

エルフが接触を試みたのは第二軍のおっぱい星人と、第三軍のアホ巨漢。

このままだと君ら魔王に使い潰されるよー。

エルフと協力して魔王を騙し討ちしないかー?

という提案をされ、おっぱい星人は一も二もなく頷いた。

バカである。

アホ巨漢は迷いに迷った末に保留を選択した。

けど、態度からいって相当揺れ動いてるのは確実。

きっとおっぱい星人から誘われたらそれに乗るに違いない。

アホである。

「どういう状況?」

「はい。急に砦の中にいたアノグラッチが騒ぎ出しまして。今のところ砦の外に出てくる気配はありませんが。何が起きているのかはわかりません」

おっぱい星人が砦を見張っていた兵士から報告を聞いている。

その横に音もなく立つ。

「心配無用」

「ひっ!?」

急に声をかけたからか、おっぱい星人と報告をしていた兵士が両方とも声を上げて驚いた。

そんな幽霊見たみたいな反応しないでほしい。

「第十軍の戦力にて砦の開放作業をしている」

「なんですって?」

信じられないといった感じで聞き直してくるおっぱい星人。

けど、二度も同じ説明をする気はない。

「作業が終了するまでここで待機させてもらう」

私はそう言って椅子を異空間から取り出し、勝手に居座る。

さらにテーブルを出し、その上にお菓子と飲み物も並べていく。

遠く見える砦では、激しい戦闘音が鳴り響いている。

頑張れ吸血っ子。

私は君が頑張ってる姿を眺めながら優雅にティータイムとしゃれこむよ。

ああ、そうそう。

「殲滅が完了し次第、第二軍は砦の占拠を。忙しくなるでしょうね」

まだ呆然としてるおっぱい星人にそうボソッと言っておく。

砦を占領したら、軍をその作業に割かなきゃいけなくなる。

人族が取り戻しに来るかもしれないし、戦力を駐屯させておかないとね。

だから、エルフと協力して魔王領へ進軍なんかできない。

してる暇を、与えない。

さーて。

魔王の腹心が無防備な姿さらしているわけだけど、おっぱい星人はちょっかいかけてくるかな?

さすがにそこまでバカじゃないと思いたいところだけど、もし仕掛けてくるようだったら。

その時は第二軍の首がすげ変わるね。

首の前にそのおっぱいをもぐけどな。