軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

256 男を連れ込んだので、住まわせて<ナンダト!?

早くも帰りたい今日この頃。

イヤね、小市民な私は思いっきりガンを飛ばしてくるような夜露死苦系野郎は苦手なのですよ。

ほら、善良な市民から見ると、不良ってとっても迷惑な存在じゃん?

普通は避けて通るよね?

だから私が帰るのも仕方がないのだよ。

「だから帰ろうとしてんじゃねえよ!?」

ぐぬ!?

なぜバレたし?

ぐう。

だから、私はコミュ能力低いんだって。

こういうガンガン来るタイプは苦手なんだって。

不良っぽいとかそういうのは、まあ、そこまで関係なかったりする。

今まで私の周りには割と落ち着いたのが多かったし、私が普段ほとんど喋らないのを理解して対応してくれるので、なんとかなってたけど、コイツはダメだ。

もう、こっちの都合とか一切おかまいなく来るんだもんよ。

「で、マジで何の用なんだよ?」

ほら、こういうところ。

魔王とかもお喋りはお喋りだけど、あいつは例外で私も普通に喋れるし。

吸血っ子はそもそも私が喋ることを期待していない。

アーグナーとかも私が喋り始めるまで根気強く待ってくれる。

けど、コイツはさあ喋れ、今すぐ喋れ、てな感じでグイグイくる。

やめてください、死んでしまいます。

えーと、何を言いに来たんだっけ?

「おい、こっちも暇じゃねーんだ。とっとと用件を言え」

だー!

急かすんじゃない!

「鬼、居候、OK?」

ほら!

急かすから意味不明な単語の羅列しか言えなかったじゃないか!

「は? 意味わからん」

お前のせいだ、お前の!

私のペースで喋らせろください!

「ブロウ、お前がせっつくから白さんが困っている。大体からして、用があるのはお前ではなく、私にだろう?」

「う、いや、その」

「白さん、弟がすまない。ほら、下がれ」

「兄貴がそう言うなら」

ナイスだ、バルト。

伊達に魔王にこき使われていないな。

空気の読めるナイスガイだ。

「では、改めてご用件をお伺いしましょう」

えーと、ジャストアモーメント。

鬼、ていっても通じないし、男?

男を保護、拾った?

傷心してるからしばらく養生させたい。

うん。

「男を拾った。屋敷に置いておきたい」

ガゴン!

という音が響いて、チンピラが盛大にこけた。

なにしてんの、コイツ?

「ナ、ナンダト!?」

イヤ、なんでカタコトチックなイントネーションになってんの?

そっちこそナンダト?

「白さん。うちは逢引の場ではないのですが。一人くらいならば目を瞑りますが、ほどほどにしてください」

ん?

んー?

んん!?

ち、違う!

私そういう意味で言ったんじゃないし!

うおー!

チンピラがこけた理由がわかってしまった!

私の言った言葉って、取りようによってはそういう風に聞こえるじゃん!

「違う」

ここでメンドくさがって訂正しないと私の名誉に関わる。

他人がにゃんにゃんする分には知らぬ存ぜぬでスルーするけど、私にそういうレッテルを貼られるのは勘弁してもらいたい。

[そうです。私と同じ顔してるんですから、安い女なんて思われないでください]

なんか聞こえた気がしたけど気のせいだ。

メイドさん、ここにサボり神がいます。

すぐ連行してください。

「お、おま、お前、おと、男だと!?」

うっさい黙れ死ね!

言葉のアヤだ。

「昔の知り合い。もしかしたら戦力になるかも」

そういう間柄じゃないアピール、プラスで益になりそうだとほのめかす。

これで、チンピラはともかくバルトは納得してくれるはず!

実際に役に立つかどうかは知らんけど。

「はあ、そういうことですか。それならば問題ありません。ちなみに、どの程度使えますか?」

ほらね。

やっぱり話のわかる男は一味違う。

未だにワナワナ震えている頭の回転が足りないチンピラとは大違いだ。

「かなり」

「そうですか。それは頼もしいですね」

一瞬バルトが引きつったような顔をしたけど、見なかったことにしておこう。

バルトも魔王の怖さにビビって協力してる口だから、アーグナー同様完全に信用することはできない。

こっちの力が弱まったと思えば、手のひらを返す危険がある。

そのバルトからしていると、魔王側の戦力が増えるのは好ましくないと。

まあ、バルトの心配は的外れなんだけどね。

鬼くん、魔王に会ったことすらないし。

まだ鬼くんの性格もわからないし、今後どうするかは本人次第。

あわよくばこっちの戦力にしたいという思惑も、なくはないけど、それはあくまでできればの話。

強制するつもりはない。

ただし、本人の意思でもって、私の前に立ちふさがるっていうのなら容赦はしないけど。

「屋敷には私から連絡しておきましょう。どうせ使っていない部屋が有り余っていますし」

「ありがとう」

私がお礼を言うと、バルトはちょっと驚いたような顔をした。

お礼くらいするっつーの。

バルトの許可はとったし、もうここに用はない。

固まったままのチンピラが復活する前に退散しよう。

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「ブロウ」

「はっ!? 兄貴、あいつは?」

「もうとっくに帰った」

「そ、そうか」

「様子を見る限り、彼氏ってわけじゃなさそうだぞ」

「いや、別に、そんなこと気にしてねーし!」

「ブロウ、彼女はあんまりおすすめできないが、どこがいいんだ?」

「な、何の話だ?」

「はあ。色恋沙汰には無縁だった弟が、よりにもよってあんな難易度の高い相手になあ」

「違うって! ただ、あいつの姿を見ると、動悸が激しくなるだけだ!」

「はあ」