軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

鬼3 武器錬成

2歳になった。

一人前と認められて狩りに出れるようになるのは4歳から。

4歳で一人前というと、人間だったら驚くだろうけど、ゴブリンの成長の速さを考えると十分だった。

むしろ、寿命が10年ほどしかないゴブリンから見ると、逆に遅いくらいかもしれない。

ゴブリンの寿命はこの世界の10年。

地球の年月に換算すると、11年程度。

長生きできても13年くらい。

それがゴブリンに与えられた猶予期間。

その寿命が尽きる前に進化をしなければならない。

ゴブリンが進化するためにはレベルが10に上がらないといけない。

しかも、それでホブゴブリンに進化できるわけではない。

ゴブリンがレベル10になると、ゴブリンファイター、レンジャー、シャーマンの3種のいずれかに進化ができる。

どれに進化するかは選択となる。

けど、その時のステータスによって進化先が固定されている時もあるらしい。

接近戦に強く、最も基本に忠実なファイター。

素早さが高く、手先が器用で補助向きのレンジャー。

魔法系が強く、魔法の扱いができるシャーマン。

一番の人気はファイターだ。

シャーマンは人気がないというよりかは、適性がないものが多いせいで数が少ない。

そして、レンジャーは人気がない。

狩りに耐えられず、将来村の内政に携わろうというゴブリンが進化する先だと言われている。

実際にはレンジャーもファイターやシャーマンに劣るわけではないと僕は思う。

ただ、わかりやすい他の2種に比べると、どうしても玄人向きであるため、人気が出ていないのだと思う。

この3種の進化先を経由して、もう1度レベル10に上がって、ようやくホブゴブリンに進化することができる。

ホブゴブリンに進化すればもう寿命は気にしなくてよくなる。

大体人と同じくらいの長さを生きられるそうだ。

もっとも、この過酷な環境で寿命を迎える前に命を落とすホブゴブリンも少なくない。

進化したからといって、そこで生存という戦いが終わるわけではないのだ。

僕と同年代のゴブリンはいっぱいいる。

子供とは言えゴブリンの村に遊ばせておくような余裕はなく、ある程度働けるようになると、家の手伝いをすることになる。

僕の場合は畑仕事だった。

陽の光の弱い山脈にあるこの村でも、一応育つ植物がある。

それら生命力の強い野菜を育てている。

これが結構な重労働で、子供の体にはきつかった。

まず、土が凍らないように管理しなくちゃならない。

放っておくとすぐに土が凍ってしまうので、定期的に温めなければならない。

それ専用の農具に火を当てて、作物の根を傷つけないように土を少しずつ耕す。

力もいるし、繊細な作業で神経もいる。

そして収穫や種まきや、通常の耕す作業などもある。

育てている作物は魔物の一種で、収穫時期を見誤ると逆にこっちが食われかねないので入念にチェックしなければならない。

なかなかの重労働だった。

おかげで腕力は上がったし、スキルもいくつか手に入ったけど。

そうした畑仕事はある日あっさりと終わりを告げた。

きっかけは狩りで獲られた肉が食卓に上った時。

あまりにも堅い肉に、ナイフが欲しいと心の中で願った時だった。

閃光が狭い家の中で弾け、次の瞬間僕の手の中にナイフが握られていた。

それは僕が想像していたナイフよりもずっと見窄らしいものだったけど、確かにナイフだった。

呆気にとられている僕の手から、父さんがナイフを取り上げた。

そして、家を出ていった。

しばらくして戻ってきた父さんは、村の長を連れてきていた。

村の長はその名のとおり、村で一番長生きしている。

老齢と呼べる年齢に達している数少ないゴブリンの1人だった。

その長が、僕にあるものを手渡した。

それは鑑定石。

村でただ1つある、鑑定というスキルの力が宿った魔道具。

その鑑定石を使えば、自身が持つスキルを把握できるという。

僕は言われるがままに鑑定石でステータスを確認した。

『ゴブリン LV1 名前 ラズラズ

ステータス

HP:69/69(緑)

MP:4/35(青)

SP:66/66(黄)

:51/66(赤)

平均攻撃能力:68

平均防御能力:66

平均魔法能力:33

平均抵抗能力:31

平均速度能力:65

スキル

「魔力感知LV2」「魔力操作LV1」「SP回復速度LV3」「SP消費緩和LV6」「集中LV3」「祈りLV8」「打撃耐性LV2」「風耐性LV1」「氷耐性LV6」「視覚強化LV7」「聴覚強化LV6」「嗅覚強化LV4」「味覚強化LV2」「触覚強化LV3」「生命LV9」「魔量LV4」「瞬発LV7」「持久LV7」「強力LV9」「堅固LV8」「術師LV3」「護法LV2」「疾走LV7」「武器錬成LV1」「n%I=W」』

思い当たるのは武器錬成のスキル。

それを長に報告すると、鑑定でそのスキルについて調べてみろと言われた。

『武器錬成:MPを消費し武器を生み出す。生み出された武器の質はスキルレベルと消費MP量に依存する』

間違いなくこのスキルだ。

このスキルの力で、さっきのナイフが生み出されたんだ。

それからというもの、僕はこのスキルを活かして武器を作る係になった。

ゴブリンの村では、簡単な武器防具しか作れなかった。

ちゃんとした設備も、材料もなかったからだ。

初めのうちは使い物にならないものしかできなかった。

MPが低かったのもあるし、スキルのレベルが低かったのもある。

けど、使い続けるうちに徐々にスキルレベルも上がり、MPの量も増え、MP回復速度というスキルも得ることができた。

武器錬成のスキルで生み出せる武器には制限があった。

まず、僕が武器だと認識できるものじゃないと錬成できない。

刃物はほぼ錬成できるけど、鈍器になると錬成できなかったりした。

防具は錬成できない。

盾だけはなぜか例外らしく、錬成できた。

機械類は錬成できない。

銃なんかも錬成することはできなかった。

つまり、僕が錬成できるのは原始的な剣や槍なんかだけだった。

それでも、まともな武器がなかったゴブリンの村では重宝され、僕はMPの続く限り武器の錬成をしていった。