軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

19 当たらなければどうということはない!

いい感じに完全復活。

いやはや、レベルアップで回復なんて技があったとは。

完全に失念してたわ。

けど、これって何度も使える手じゃないんだよねー。

ついさっきレベルが上がったってことは、次のレベルアップまで先は長いってことだしねー。

戦うごとに毎回毎回あんな大怪我負ってたら、早々に怪我の回復が追いつかなくなってくのは目に見えてるし。

そうなると、怪我を回復させるために簡易ホームを作って、そこに引きこもって…。

それじゃダメなんだよねー。

結局それじゃ、元の生活に逆戻りになっちゃう。

といっても、じゃあどうするんだって話だしなー。

レベルが上がったからって、急に強くなるわけじゃないし。

私の素の弱さだと、頭を使ってどうにか勝つって感じだからねー。

ぶっちゃけ何も考えないで特攻した場合、三途の川にも特攻する羽目になる。

あ、私転生してるけど三途の川渡った記憶ねーわ。

結局のところなるようにしかならないかな?

なるべくなら怪我はしたくないけど、そんな贅沢なこと言ってられないし。

むしろ次も勝てるって保証すらないし。

さっきのだって、一歩間違えたらこっちがやられてた。

もし蛙が狙い通りに糸に突っ込んでくれなかったら?

考えたくねー。

そんなギリギリの生きるか死ぬかの状態で、怪我をしないで乗り切るっていうのは、ちょっとハードルが高すぎる。

うーん。

いや、待てよ。

怪我をすること前提で考えてるけど、それって、ちょっと危なくないか?

私の紙防御力でダメージを受ける。

うん、非常にまずいな。

私が出会ったことのある魔物の中で、蛙はそんなに強そうには見えない。

や、実際戦ってみてその強さは実感したけど、見た目的なアレでね。

毒を警戒するような色はしてるけど、強そうには見えない。

毒とか抜きで、単純な物理戦闘力だけだったら、もっと強そうなのはいっぱいいる。

で、その弱そうな蛙の一撃で、私は瀕死に追い込まれたわけだ。

もっと強い奴の攻撃食らったら、一撃でやられちゃうんじゃね?

ありえるわー。

そうなったらもう怪我どころじゃないわー。

どうしよう?

いや、もう対策は1つしかないんだけどさ。

私の防御力に期待してもダメだ。

攻撃を食らったらアウトだと思っていい。

てことはだよ、相手の攻撃を食らわなければいいじゃないかー!

なーんだ、簡単じゃないかー!

あっはっはっは!

それなんてムリゲー?

私が前世のゲームで神業みたいな回避力を持っていたのは、反復練習の賜物だ。

この際だから告白するけど、私はゲームでも死にまくってる。

いわゆる死に覚えってやつだ。

死ぬこと前提でひたすら相手の攻撃パターンを観察して、学習する。

その下積みがあって初めて回避特化なんて色物キャラを操作できるのだ。

だから、初見の敵にはまず勝てない。

私の今の状況は、そのゲームキャラにどことなく似てる。

ゲームのキャラはスピード特化で、攻撃力も少し上げてた。

それ以外のステータスは初期値。

紙防御に遠距離手段も持たない碌でもない仕様だ。

その碌でもないのが、今の私と被ってしまうという大問題。

そもそも、ゲームと現実じゃ勝手が違いすぎる。

ゲームで動かすのなんて、指先だけだけど、現実じゃ全身動かさなきゃならないんだから。

視界だって、ゲーム画面に釘付けになってればいいってわけじゃない。

何よりも、死んだら終わりだっていう緊張感がある。

え、緊張してるようには見えない?

そんなこと、あれ?

あんま緊張はしてないな。

あれー?

あ、この話はなかったことにしよう。

うん、とにかく、ゲームと現実では違うのだよ。

ゲームでさえ死ぬの前提の私が、現実で回避キャラなんかできるわけがない。

わけがないんだけど、他にいい案もない。

うむむ。

そもそも手持ちのカードが少なすぎる。

糸は応用がきくけど、毒牙なんか一択しか使い道ないし。

鑑定は、レベルが上がれば使えるようになると信じている!

耐性は役に立ってるけど、元の防御力が貧弱だからなー。

あとは効果不明の外道魔法と禁忌。

外道魔法、魔法って言うからには、遠距離攻撃とかできそうなもんだけど、使い方わかんないし。

あー、マジでチュートリアルが欲しい。

取得できたんなら、使い方くらいわかってもいいじゃん。

魔法なんてファンタジーなもんなんだし、思い浮かべるだけで使えるとかさー。

そのくらいのお手軽機能もあっていいと思うのよ。

あーあ。

まあ、無いものねだりしても仕方ない。

コソっと岩陰から前を覗く。

『スモールロックタートル LV2』

うん。

まんま岩背負った亀やね。

でかいっちゃでかいけど、地球のガラパゴスとかの亀も同じくらいのサイズだし、今までの魔物に比べると、インパクトがない。

けど、名前にスモールって付くってことは、こいつ子供ってこと?

『スモールロックタートル:ロックタートルの幼体』

あ、予想通りですか。

そうかー。

これで子供かー。

親には絶対会いたくないなー。

さて、そんじゃ、行きますか。

むこうはこっちに気づいてない。

じゃあ、遠慮なくバックアタック行ってみよう!

岩から飛び出して、全速力で接近。

岩の甲羅に飛びついて、そのまま糸を吹き付ける!

ぬお!

振り落とされた!

けど、糸を吹きかけるのには成功した。

亀はもう身動きできな、いぃぃぃぃ!?

亀が糸を引きちぎって突進してきた!

おわあ!?

退避、退避!

サイドステップで避ける!

ドズン!

ものすごい衝撃と一緒に、亀がそのまま壁に突っ込む。

うーわ。

あんなん食らったらペチャンコ確定やん…。

つーか、糸引きちぎられたの初めてなんですけど。

これやばい?

亀がこっちに振り向く。

また突進!

避ける!

ドズン!

また突進!

避ける!

ドズン!

また突進!

って、もういいわ!

突進を避けるのと同時に、糸を亀の足に引っ掛ける。

蹴躓いて、突進の反動でそのまま転がっていく亀。

逆さまにひっくり返る。

こうなったら起き上がるのにも一苦労だよねー。

まあ、起き上がる暇なんか与えないけど。

ガブッ!

当たったら死ぬけど、当たらなければどうということはない!