軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

125 フライ揚がれー!

帰ってきました上層!

ついに、ついに帰ってきたぞー!

あー、中層生活が長かったからこの上層の快適な空気が懐かしい。

熱くないってこんなに素晴らしいことだったんだ!

ひとしきり上層に帰ってきた感動を味わう。

ここまでホントに長かった。

蛇に追っかけられて下層に落ち。

蜂と戦い。

地龍にどやされ。

化物がウヨウヨいる下層を彷徨い。

猿に襲われ。

やっと下層を抜けたと思えば中層は灼熱地獄。

中層攻略準備を進めればまた地龍にどやされ。

中層攻略開始してみればマグマという最大の敵が立ちふさがり。

ナマズは美味で。

鰻は強敵で。

マザーはウロウロしてるし。

火竜は大挙してくるし。

火龍はアホみたいに強かったし。

あれ?

私なんで生きてるんだろう?

生きてるってなんだろーな、生きてるってなーに?

私は生きてるぞー!

さて、最大の目標だった上層に到達したわけだけど、これからどうしようかな?

上層帰還から数日。

私は中層の入口にほど近いところに巣を張っていた。

あー、これよこれ。

これが私が求めてたものなのよ。

素晴らしきかなマイホーム。

もう燃えることを気にせず寝るときはぐーすか寝れる。

やっぱ糸のある生活って落ち着くわー。

ああ、幸せ。

この数日で周辺は見回ってみたけど、付近に強そうな魔物はいない。

同じ上層でも、今いる場所は私が初めにいた場所とほぼ反対側になる。

距離にすれば日本の本州がすっぽり入りそうなくらい離れてる。

そこまで離れてると生態も変わってくるのか、見慣れない魔物もいた。

けど、相変わらずの魔物もいてちょっと安心した。

蛙とか。

中層への入り口付近はかなり広い構造になってるけど、そこから先に進むと狭い通路が枝分かれした感じになってる。

なので、大型の魔物とかは付近にいない。

まあ、大型イコールで強いとも限らないけど、今まで見てきた魔物で強い奴って、大体大型が多かったからね。

逆に小さくて強い奴はあんま見ない。

そう考えると小さくて強い私は希少なのかな?

小さくて弱い奴でもゲジとか猿みたいに群れで来られることもあるし、油断はできないんだけどねー。

今の私なら深淵魔法で一掃出来そうだけど、この入り組んだ洞窟状の場所で深淵魔法使うと、大崩落する未来しか見えない。

毒霧とかで代用するしかないかなー。

まあ、今のところそんな感じで特に脅威になりそうな魔物はいない。

マグマという逃げ場もないので、魔物に逃げられることもない。

日にちが経つにつれて遭遇する魔物の数が減っていってる気がするけど、きっと気のせいだよね!

でだ、死に物狂いで中層から脱出してきたわけだし、しばらくはここでのんびりスキル上げでもして生活しようかと思う。

中層攻略開始前みたいにガッツリやらないで、適度に力を抜いてね。

ちょっとダラダラしていたい。

ここまですんごい頑張ってきたんだし、それくらいは許されるはずだ。

そんでもって、上層についてひとまず不安材料だった身の安全が格段に上がったわけだ。

保証されたわけじゃないけど、糸の使えない中層に比べて、上層の方が安全なのは間違いない。

そこで、前から考えてはいたけど実行に移さなかったあることをしようと思う。

そのために中層に近いところに巣を作ったんだから。

私はのそのそとホームから出る。

向かった先は中層。

あー、熱。

上層の空気を体感しちゃうと、この中層の空気がどんだけだるいかよく分かるわ。

よくこんな中ずっと移動してきたもんだよ。

私は私自身を褒めてやりたい。

て、それは今はいいのよ。

私はそろーりとマグマに近づいていく。

う、近づくとメッチャ熱い。

うあー、いざやろうとするとコエーな。

ええい。

女は度胸!

とりゃっ!

鎌をマグマに突っ込む。

ぎゃああぁぁぁぁ!?

熱、痛!?

ぐうおおぉぉぉぉ!!

《熟練度が一定に達しました。スキル『痛覚軽減LV8』が『痛覚軽減LV9』になりました》

新しく覚えた治療魔法レベル2の微療を魔法担当1号2号の2人がかりで鎌にかけ続ける。

それでも鎌が焼かれる方が断然早い。

ていうか、これ焼けるっていうか溶けてね!?

あ、やべ。

体にまで引火した。

慌てて鎌をマグマから引っこ抜いて毒合成。

降ってきた毒の塊で体についた火を鎮火する。

はあ。

痛かった。

私が何をしたかったのかというと、火耐性のレベルアップだ。

あんだけ中層を長く歩いてきたっていうのに、火耐性のレベルは7。

上がりがとんでもなく遅い。

今もこんだけ痛い思いしたっていうのに、火耐性は上がらず。

代わりに痛覚軽減が上がったのは嬉しいけどね。

中層を抜けたけど、私が火に弱いことに変わりはない。

せっかくこうして火耐性を鍛えられる場所があるんだから、この際炎熱無効になるまで強化しちゃおうかと思う。

今までは安全を優先して、思いついても実行には移さなかったけど、これからは安全を気にする必要はないしね。

あー、それにしても、やっぱりというか、鎌溶けちゃってるよ。

治療魔法レベル2で覚えられる微療は部位欠損とかの怪我は治せない。

擦り傷とか小さな怪我を治すくらいの気休めレベルの魔法だ。

これは自動回復で再生するのを待つしかないなー。

自動回復も進化して高速回復になってるから、言う程時間はかかんないけどね。

うーん。

それでもこの調子だと炎熱無効までだいぶかかりそう。