作品タイトル不明
第120話 穏やかな日々【ミカの視点】
【第112話〜第119話のミカの視点】
私はアキくんに2度目の冒険への誘いを受けてから気持ちが軽くなっていた。
今はあんなに重苦しかった王都の生活も輝いて見える。
全ては気持ち一つ。それが大切と気がつかされた。
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アキくんのあまりのしつこさに【白狼伝説】を読む事にした。
読んでみると驚くほどに【白狼伝説】に魅せられる。一 頁(ページ) めくる度に心が熱くなった。
なるほど。アキくんがあれ程勧めるだけはある。気がつくと私も冒険者に憧れていた。
【白狼伝説】は主人公のウルフ・リンカイがパーティリーダーだ。
パーティのメンバーは天才魔術師カフェ・ウォータール。
そしてエルフのソフィア・ウォレール。
最後が鉄壁の愛称のガラム・アイアール。
実に皆んな生き生きしている。輝いていると言っても過言じゃない。
この小説をアキくんは一人でファイアール公爵家で読んでいたんだ。まだ見ぬ果てしない冒険を夢見て……。
それを感じてしまって胸が締め付けられる。私もウルフ・リンカイを支えたパーティメンバーのようにアキくんの支えになりたい。
それにしても【白狼伝説】の主人公パーティはたまに馬鹿らしい事で騒ぎ始める。たぶんこれがアキくんがダンジョンで宝箱を開ける時にハイテンションになる原因なんだろうな。
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5月19日。私の20歳の誕生日だ。この日を私は一生忘れない。1年前の私は奴隷になっていた頃だ。今年はアキくんと2人で王都でデートをしている。人生って不思議だな。
調子に乗ってワインを飲み過ぎてしまう。ずっと夢の中にいる感じでフワフワしていた。どうか覚めない夢でありますように。
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最近、朝の鍛錬での模擬戦で、アキくんの動きが変わってきた。動きから試行錯誤が感じられる。
アキくんには蒼炎の魔法という強い魔法がある。これで近接戦闘でもアキくんに負けるようなら、私はアキくんの隣りに立つ資格が無くなる。
絶対に負けるわけにはいかない。
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アキくんから提案があった。
わたしがアキくんの冒険者のパートナーと忘れないためにも、まだ制覇していないBランクダンジョンの見学とCランクダンジョンの制覇を目指したいと。
8〜9月の2ヶ月は冒険者活動をすることに決まった。
今年は夏のアクロでの海水浴は止めて、北の中央都市のコンゴに行き、観光とダンジョン活動をする予定だ。
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5月末にヴィア主任のお兄さんであるザルツさんが現れてからは、話がどんどんと進んでいく。
その1ヵ月後にヴィア主任のお姉さんであるシニアさんが王都に来て、蒼炎の魔法を見るとアキくんにエルフまで来て欲しいと懇願した。
アキくんはその申し出を始め渋っていたが、シニアさんから【白狼伝説】の登場人物であるソフィア・ウォレールの名前が出たら、すぐに了解する。
私はアキくんの変わりように少し呆れたが、【白狼伝説】の信奉者になった私としてもエルフの里に行きたくなった。
今年の夏はエルフの里まで冒険だ!