軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第115話 卒業まで無試験で満点!?

次の日、ミカは普通に起きて朝の鍛錬をしている。特に二日酔いにはなっていないと笑った。

ミカと模擬戦をしたが、全く相手にならない。僕の剣術の道はまだまだ遠いと感じた。

昨日、僕は初めて誕生日を祝った。

小指にしている指輪を見て、誕生日って良いものなんだなっと実感する。

ホームルームで今週の僕の時間割りを担任のシベリーさんからもらう。学校とヴィア研究所で調整されたものだ。

時間割りの紙を見る。

【無の日】休み

【青の日】(魔法実技)(魔法実技)

【緑の日】(魔法体系概論)(魔法史)

【赤の日】(魔法実技)(魔法実技)

【黒の日】(リンカイ王国歴史)(呪文解析概論)

【白の日】(魔法実技)(魔法実践)

今週の時間割りは【青の日】と【赤の日】はミカと2人でダンジョンに行き蒼炎の魔法を150発撃つ。

【青の日】と【赤の日】の座学の授業は、次の日の午前中にサイドが教えてくれる。

最近は僕の新しく使える魔法の開発は停滞している。

はっきりいえば全く進んでいない。

先日、僕は魔法実技の授業の成績がどうなるのか心配になり、ヴィア主任に確認したところ笑われた。

「君は強力な蒼炎の使用を国から止められている魔術師だぞ。そんな凄い魔術師はいないんだよ。魔法実技の成績なんて満点に決まっているだろう」

ヴィア主任はそう言ってくれたが、新しい魔法の開発は進んでいない。その辺を確かめたらまた笑われた。

「通常、夏休み前の7月下旬に各教科の試験がある。魔法実技の試験内容だが、赤のAクラスの1回生はF級ダンジョンの探索だ。出てくるモンスターはF級モンスターのウルフィートだぞ。君は実験でEランクの屠殺場ダンジョンで、オークを討伐しまくっているだろ。他の学生とレベルが違うんだ。おまけに君の試験の点数を付けるのは私だ。今は試験もする気が無い。意味のない事はしたくないからな。魔法実技テストは試験無しで満点にする予定だよ」

ヴィア主任の言葉が続く。

「2回生以降の魔法実技の試験は、学生同士の戦闘なんだ。4回生以降になると集団戦闘もやるようになる。これは騎士団になる事に向けてだな。君は現在、許可が無いとダンジョン外で蒼炎が使えない。来年以降は試験が受けられなくなるね」

呆然としている僕にヴィア主任が声をかける。

「君は魔法実技のレベルは既に学生を超えている。この学校で普通のカリキュラムから逸脱した存在なんだよ。魔法実技の試験は卒業まで実施しないで満点だな」

卒業まで無試験で満点!?

僕は気になっている事を確認した。

「それならば僕がやっている新しい魔法の開発の取り組みはどのような位置付けなんですか?」

ヴィア主任は優しい顔を見せてくれた。

「学生レベルではなく、研究者レベルだよ。あくまで、私は特例で君を学校から預かっているんだ。研究者の心構えでゆっくりとやってもらって構わない。成果が出ない場合も問題ないよ」

そう言ってヴィア主任は、また笑った。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

僕は先日のヴィア主任との会話を思い出しながら蒼炎の呪文の詠唱をしていた。

【焔の真理、全てを燃やし尽くす業火、蒼炎!】

僕とミカは2人で屠殺場ダンジョンに来ている。ダンジョン内での蒼炎の感情はそれ程変わりが無いため、ヴィア主任とサイドさんは来ていない。あとで報告して終了だ。

魔法実技の授業という名目だが、実際は蒼炎の魔法の研究になる。

まぁオークを魔法で討伐しているから魔法実技と考えても間違いではない。

ミカが声を出す。

「アキくん、34発目の蒼炎の感情はどうですか?」

「ミカは分かった?」

僕はミカに問い返した。

「拗ねてましたね」

「正解!僕もそう感じたよ」

ミカは僕との間の薄皮の壁が無くなってから、前より僕の感情がわかるようになった。

奴隷の忠誠心が上がったと言うより、僕との信頼関係が強くなり、心が近くなったせいだろう。

それに伴い、僕を通して蒼炎の感情もだいぶ分かるようになっている。

今日もダンジョン内で撃つ蒼炎の魔法の回数は150発。一発ごとに感情を記録する役割がミカの仕事だった。

蒼炎を撃つたびに蒼炎の感情が分かりやすくなる。蒼炎の魂、蒼炎の心か。

確かに蒼炎は魔法だけど生きている。

どうなってるんだろう?

単純作業のような蒼炎の魔法の発動。いつも考えていない事を考えてしまう。

ミカは最近、【白狼伝説】にハマったせいで開封できない封筒に凄く興味を示している。

あれから開封できない封筒はヴィア主任が調べた後に僕に返却されていた。ミカには古代の未知の魔法で封印されていて、開ける鍵の可能性が高いのは、僕か蒼炎の魔法かステータスカードと伝えてある。

何が開ける鍵になるのかは分かっていない。

僕は蒼炎の魔法を詳しく知っている人がいないかと思って王都魔法学校に入ろうと思った。蒼炎の他の魔法や、蒼炎の魔法がダンジョン外で使えるようにならないかと考えたからだ。

でも蒼炎の魔法について詳しい人はいなかった。しかし僕は実際に王都魔法学校の入学が決まったら嬉しかった。自分でも気が付かなかったが同年代の人と学生生活を送りたいと思っていたみたいだ。

今はどうなんだろう? 蒼炎の魔法を調べるにはここは最適だ。ヴィア主任がいる。

まだまだ難しいと思うが新しい魔法の開発を勉強できている。同年代の仲の良い友達はまだいないが、これからだと思っている。

ヴィア研究室に自分の居場所ができた。

このまま学生生活を送るのは問題はない。

では冒険についてはどうだ?

Bランク冒険者になったため、権力とお金が手に入った。悠々自適に過ごすならC級かD級ダンジョンを周回していれば問題はない。

でもそれってドキドキするのか? 死んでいるみたいだ。ファイアール公爵家にいた時の自分じゃないか。

【白狼伝説】を読んでドキドキした。僕は主人公のウルフに憧れた。ウルフが悠々自適の生活を送るか! そんなわけない。

それなら冒険だ!

それはAランク冒険者になるためのBランクダンジョンの全制覇。

しかし制覇したBランクダンジョンでは僕は無力だった。接近戦の強化。まずは模擬戦でミカに勝つ事、いや互角になる事を目標にしよう。